五十八杯目 常連客はお茶目な社長さん
そんなに凄い人が常連さんだなんてびっくりです。
このカフェも有り難いことに常連のお客様が増えている。
幸いなことにお客様がお客様を呼んでいるのだ。
私はその幸せな連鎖を作ってくれるお客様達に感謝するのだった。
そんな中、一人、面白い常連のお客様がいる。
今日はそのお客様を紹介したいと思う。
そのお客様は今日もやって来た。
「ママー!あきらちゃんー!来たよ!」
「あら!いらっしゃい。待ったわよ!鮫塚さん」
「いらっしゃいませ。鮫塚さん」
「いつ見ても二人は可愛らしい俺の天使だよ!」
「まぁ。ありがとう!」
「愛してるよ!ママ。あきらちゃん」
「あはは。ありがとうございます。お仕事は?」
「ちょっと抜けてきた!朝から会議ばかりで飽きた」
「それはお疲れ様です。でも大丈夫なんですか?抜けてきて」
「大丈夫だよ。うちは部下は優秀なのが多いから」
「そうなんですか!それは心強いですね!」
「俺も早く引退したいよ!仕事から!そうすれば毎日、二人の可愛らしい笑顔が見られるのに」
「まぁ。だってあきらちゃん!」
「嬉しいことです。鮫塚さんみたいなお客様が来てくれると和みます」
「あきらちゃん!あきらちゃんはやっぱり天使だよ!俺、今死んでもいい」
「鮫塚さん。戻ってきてください」
「あー。あきらちゃんはどうしてそんな可愛いこと言ってくれるの?おじさん、ちょっと期待しちゃう!」
「期待って?」
「俺の恋人にでもなってくれるのかなって思っちゃう」
「鮫塚さんは結婚してますよね?」
「さぁー。どうでしょう?」
「鮫塚さん。奥さんを大切に」
「はーい」
「あきらちゃん。鮫塚さんのお母さんみたいね」
「はい。ちょっと複雑ですけど」
「あきらちゃん。そこはさめだけにさめないでね」
「出た!鮫塚さんのさむーいギャグ」
「ママったら!そこは温かいギャグでしょ?」
「あら!ごめんなさいねー!」
なんて楽しい話をしていると一人の男性がやって来た。
「鮫塚社長!ここにいたんですね!もう!大事な会議を抜け出さないで下さい」
「あら?早いお迎えですこと!」
「水村君。君ね!私は今、二人の可愛らしい天使と話しているんだよ!もうちょっと空気、読んでよ」
「それは十分、承知しております。ですがそれとこれとは話が違います」
「秘書さんも大変ね!」
「ママ、鮫塚さんってもしかして」
「そう!社長さんよ。しかも数々のテーマパークを作り上げた敏腕なのよ!」
「えぇー!そんな凄い人が常連のお客様なんですか?」
「びっくりしたでしょ!でもこういうことはよくある光景だからママは慣れたわ」
「は、はぁー」
「鮫塚社長!とにかくお戻りください!重役達がお待ちかねです」
「はいはい。わかったよ!じゃあ、愛しの天使達!行ってくるよ」
「お気をつけて」
「色々とご迷惑とご心配をお掛けしました」
「いえいえ。水村さんも時間があったら是非来てくださいね」
「ありがとうございます。それでは失礼します」
そう言って嵐が去り、静かになった。
静かになるとちょっと寂しく感じるあきらちゃんでした。
そんな感じで鮫塚さんの物語は以上です。




