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五十七杯目 花屋の美桜さんのピュアな恋

運命が恋をつくる。


「あきらさん。お花、ここに置いておきますね!」

「いつも素敵なお花をありがとうございます。美桜(みお)さん」

「こちらこそ。注文してくださってありがとうございます」

今日もカフェには綺麗なお花が並ぶ。

美桜さんは町にある商店街の花屋を営む女性。

美桜さんの人柄や仕事ぶりに惹かれる人が多く、よく花の注文が殺到することもしばしば。

でも美桜さんはどんなに忙しくても必ずこのカフェの注文に快く応じてくれるのだった。

「美桜さん、ありがとうございます。良かったら紅茶でも飲んでいってください」

「いいんですか?いつもすみません」

「いいんです。こんなに遠くまで来てくださったんですから。それに美桜さんは大事なお客様ですから」

「あきらさん」

「さぁ。どうぞ」

私はいつも来てくださる美桜さんに紅茶を振る舞っている。

美桜さんは幸せそうに紅茶を飲むのだった。

「あきらさんのいれてくれる紅茶はおいしい」

「ありがとうございます」

「なんだか優しい味がするし、飲みやすい」

「心がけているので」

「うふふ。あきらさんのそういうところ、私は好きよ!」

「あ、ありがとうございます」

なんだか照れるなぁ。素敵な美桜さんからそんなこと言われて

「私も美桜さんが好きです」

「まぁ。ありがとう!私たち、両思いね!」

「はい」

私たちは幸せな時間を共有するのだった。


そんなある日、美桜さんがカフェに突然やって来た。

今日はお仕事のはずなのにどうしたんだろう?

私は不思議に思ったが大事なお客様なので案内した。

美桜さんの顔はちょっと赤かった。

私は事情を察して貸し切りと書いた看板をカフェの前に置いた。

そして紅茶をいれるのだった。

「あきらさんに相談があって来たの」

「私にですか?」

「あきらさんなら分かってくれると思って」

「私でお役に立てるなら」

「実は・・・あるお客さんに恋をしてしまったの」

「えっ?恋ですか?」

「うん」

「そうだったんですね。そのお客さんはどんな方なんですか?」

「優しい人で花を大切にしてくれる方よ」

「なるほど」

「お店に来てくれるのは少ないけど昨日、来てくれたの!でも大失態を起こしちゃって」

「大失態ですか?」

「その人に間違えて水をかけてしまったの」

「それで?」

「怒られるとおもったんだけどその人、ニコッと笑って「気持ちよかったです」って言ってくれたの」

「それで恋をしたんですね」

「うん」

「素敵な人じゃないですか!」

「うん。それでね。お詫びも込めてその方にプレゼントを贈りたいんだけど何がいいと思う?」

「美桜さんがくれるものなら私はなんでも嬉しいですよ!でもそうですね。美桜さんが得意な花束とかフラワーアレンジメントとかどうですか?」

「なるほど」

「お花が好きな方なら嬉しいと思いますよ」

「そうね。ありがとう。やってみる」

「良かったです」

「あきらさんに相談して良かった」

「いえいえ。そんな」

「それとね」

「はい」

「一人だと心細いからカフェを貸し切ってほしいの」

「分かりました。ママに伝えておきますね」

「ありがとう。お邪魔しちゃってすみません。失礼します」

「またお越し下さい」


そして数日後。

小さな花束をもった美桜さんがやって来た。

私まで緊張してくる。

数分後、男性のお客様がやって来た。

「いらっしゃいませ」

「すみません。美桜さんという方と待ち合わせなんですが」

「お待ちしておりました。どうぞ」

「ありがとうございます」

男性のお客様を美桜さんの元に案内するのだった。

美桜さんのところに案内が終わると私は静かにその場を後にした。

「この間は水をかけてしまってすみません。これ、お詫びの品ですが良かったら受け取って下さい」

「えっ?私にですか?」

「はい」

「そんなお詫びだなんて。あれは私の不注意ですから」

「いえ。そんな」

「でもありがとうございます。こんな素敵な花束を頂いて」

「こちらこそ受け取って下さってありがとうございます」

「美桜さんでしたっけ?」

「はい」

「今度、食事でもいかがですか?」

「えっ?」

「美桜さんの事、ますます知りたくなりました」

「は、はい」

よかったですね。美桜さん。

私は影で美桜さんを祝福するのだった。




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