五十一杯目 別れの日に花束を!
幸せで永遠に続く素敵な思い出をありがとう!
いよいよ香織がこの町を去る時がやって来ました。
町はGWを過ぎ、新緑が深まる季節となりました。
香織にとっては短い期間だったけど今度来るときはこの町に住み着くかもしれないと私は感じるのだった。
「香織ちゃん、元気でね!」
ママが涙を流す。
「本当にありがとうございました。ママ」
泣いているママを優しく抱き締める香織。
「姉さん。本当に色々とありがとう」
「ううん。私こそ色々とありがとうね」
「実家にたまにでいいから帰ってきてくれると嬉しいなぁ」
「うん。そのときは宜しくね」
「分かった。待ってるね」
「幸司さん」
「本当に帰ってしまうんだね」
「ごめんなさい」
「謝ることないよ。仕方のないことだから」
「ご理解、ありがとうございます」
「あ、そうだ。香織にこれ」
「うわぁ。素敵な花束」
「香織が好きな花を選んだんだ」
「ありがとうございます。とっても嬉しい」
「あと、もう一つなんだけど開けてみて」
「えっ?こ、これって指輪?」
「悪い虫がつかないお守りだよ」
「幸司さん」
「会いに行くよ。必ず」
「は、はい!待ってますね」
「お客さーん。そろそろ」
「は、はーい。じゃ。もういかないと。本当にありがとうございました。また来ますね」
「待ってるわ!香織ちゃん」
「待ってるね!香織」
「待ってる」
「はい」
こうして香織を乗せたフェリーがこの町から離れていった。
私たちはそのフェリーが見えなくなるまで見送るのだった。
フェリーが見えなくなり、私達はしばらく海を眺める。
「なんだか寂しいわね」
「そうですね」
「でもまた素敵な出会いはありますよ」
「そうね」
「素敵な思い出になったらいいんですけど」
「きっとなりましたよ。あきらさん」
「ありがとうございます。幸司さん」
「さて、あきらちゃん。こうちゃん。カフェに戻りましょう」
「はい」
「また忙しくなるわよ」
「はい」
私達はカフェのほうに歩きだすのだった。
また会おうね!この町で!




