四十八杯目 決着?幸司さんの本当の想い
ただ一人、君を想う。
「あきらさん。お話があります」
幸司さんが真剣な顔で私に言う。
幸司さんの真剣な顔は仕事以外見たことがなかった。
なにか言いたい彼に私は「はい」と言うしかなかった。
二人ともカフェの外に出て、側にあるベンチに座った。
「あきらさん」
「はい」
「香織さんのことなんですけど」
「はい」
「香織さんがカフェに来なくなったのは私のせいかもしれません」
「えっ?」
「実は・・・女性といるところを香織さんに見られてしまって」
「はい」
「その女性は私の姉なんです」
「えっ?」
「すぐに誤解を解こうと思って彼女を探していたんですけどもう香織さんがいなくて」
「・・・」
「香織さん、泣いてないかな」
「幸司さん」
「はい」
「香織、泣いてました」
「やっぱりそうでしたか。大切な妹さんを泣かせてすみません」
「謝らないで下さい。誤解だって分かったんですから」
「でも香織さんは分かってない。早く誤解を解きたいんです。そうじゃないと香織さんが実家に帰ってしまう。これ以上、香織さんを泣かせたり、悲しい気持ちにはさせたくないんです」
「幸司さん」
「香織さんに電話してもらってもいいですか?お願いします」
「分かりました。連絡してみますね」
「ありがとうございます」
「幸司さん」
「はい」
「ありがとうございます」
「えっ?」
「妹である香織をそこまで大切に思ってくれて」
「お礼を言われるほどではないです。私はただ・・・」
「ただ?」
「あ、いえ、でもこの先、はっきり言います」
「私は香織さんが好きです」
「えっ!?」
「実は一目惚れなんです。」
「そ、そうだったんですね。そんなことあるんだ」
「んっ?」
「あ、いえ。なんでもないです」
「私は香織さんにこの気持ちを伝えたいと思います」
「幸司さん。いい方向に進むといいですね」
「はい」
「応援してます」
「はい。そろそろ戻りましょう」
「あきらさん」
「んっ?」
「ありがとうございます」
そういって二人はママの待つカフェに戻る。
二人の運命が素敵なものになりますようにただ願うのだった。




