四十四杯目 突然の再会!あきらちゃんの義妹!
再会は苦くて甘い。
実家とさよならして何年経つだろう?
実家とさよならした事を後悔してない。
でも家族の事を考えると胸が苦しくなる。
私は家族よりもこの街を選んだ。
許してもらおうとは思ってもいない。
この街に中途半端な気持ちで来たわけじゃない。
この街なら生きていけると確信したから。
私はこの街で生きていく。
でももし許してもらえるなら会いたいという気持ちもある。
もし、家族が会いに来てくれたら。
なんてそんなはずないか
もうあれから何年か経っているんだから。
私はそんな事を考えながら花壇をいじっていると後ろから声が聞こえた。
「やっと会えた」
その声は懐かしい声だった。
私が振り返るとそこには義妹が立っていた。
「香織?」
「お久しぶりです。姉さん」
私は突然の事で義妹を見つめることしかできなかった。
義妹はそんな私を見て黙って微笑むのだった。
「どうぞ」
ママが二人分の紅茶をいれてくれた。
「ありがとうございます」
義妹はお礼を言うと紅茶を飲む。
私もお礼を言い、紅茶を飲むのだった。
久しぶりの再会で何を話せばいいのか分からない私にママが助け船を出してくれた。
「あなたがあきらちゃんの御家族の方?」
「はい。義妹の香織と言います。姉がいつもお世話になっております」
「こちらこそあきらちゃんにはお世話になっているわ」
「姉がよくしてもらってるみたいで」
「いえいえ。こちらこそ。かわいらしい義妹さんね!ねぇ、あきらちゃん!」
「え?はい、そうですね」
「もう!姉さんったらそんなに他人行儀にならなくてもいいのに。私達は姉妹なんだから遠慮することないの!」
強気な義妹の発言に私は困り果ててしまう。
ママは嬉しそうに笑うのだった。
「あ、すみません。興奮してしまって」
「いいのよ。今日は旅行で?」
「はい」
「いつまで滞在するの?」
「一週間ぐらい滞在しようと思っています。姉の顔が見たくなって来たんです」
「長旅で疲れたでしょ?ゆっくりしていってね」
「はい。ありがとうございます」
「お互いに話したいことがあるでしょ?私は一旦席をはすずけど何かあったらカウンターにいるから声をかけてね」
「分かりました」
「それではごゆっくり」
そう言うとママは気を遣って席を外す。
「優しい方ね」
「うん、あの優しさにいっぱい助けられたよ」
「そっか」
「香織」
「ん?」
「来てくれてありがとう」
「えっ?」
「来てくれないと思った」
「どうして?」
「私は家族よりもこの街とママを選んだからさ」
「姉さん」
「私を許さないで」
私は深々と頭を下げる。
私の行動に義妹は黙ってしまう。
しばらく経って義妹は口を開く。
「私達の本当の関係はママは知ってるの?」
「うん、知ってる。私から話した」
「そっか・・・姉さん」
「ん?」
「パパもママも姉さんを許してると思う」
「えっ?」
「だって姉さんはちゃんとこの街で自立してる」
「香織?」
「姉さんは許されないと思ってるけどそれは間違いだよ!」
「パパもママも姉さんの成長に泣いてたよ」
「どういう事?」
「だってパパとママが言ってたよ!姉さんを自由にしてあげたいって」
「姉さんにとってはおじさん、おばさんかもしれないけどパパやママにとっても姉さんは本当の家族なんだよ!」
「私も姉さんの事、義姉と思った事ないよ!本当の姉さんみたいに接してきたつもりだけど」
「香織」
「会いに来られなくてごめんね。一人にしてごめんね」
その言葉に私は救われたような気持ちになり、涙がこぼれた。
私の泣き顔を見て「辛かったよね」「悲しかったよね」と言葉を繰り返す。
そんな事を思ってくれているなんて知らなかった。
自分は許されないと思っていたから。
でも許してくれていたんだ。
そんな家族にもう一度会いたい。
会って感謝しよう!
そう思いながら私は泣くのをやめた。
泣き止んだ私に義妹はニコッと笑いかけてくれる。
姉妹っていいなと感じるのだった。
「もう行くね」
「えっ?もうこんな時間か!」
「うん。だから行くね」
「今日は来てくれてありがとう」
「また来てもいい?」
「いいよ」
「ありがとう。じゃあね」
「うん。気を付けて」
そう言うと義妹は行ってしまった。
私は義妹が見えなくなるまで見送るのだった。




