三十九杯目 あきらちゃんは子ども達の人気者!
明日はいよいよ子どもフェアが開催される。
今日はいつもと比べて親子連れのお客様が多く、カフェはいつもより賑やかだった。
「おまたせしました。かいじゅうのラテアートになります」
「すげー。ありがとう。おにいちゃん」
「ちゃんとお礼が言えて偉いね」
「うん」
「熱いから気を付けて飲むんだよ」
「はーい」
皇本さんもすっかりこの雰囲気に溶け込んでいる。
とてもいい感じ。
「あきらおねえちゃん」
常連客である星野さんの孫である由香ちゃんが私を呼ぶ。
「どうしたの?由香ちゃん」
「うん。あのね・・・・・」
「んっ?」
「あきらおねえちゃんが読み聞かせをやるってばーばから聞いたの」
「うん。やるよ」
「本当?由香、ばーば連れて聞きに行くね」
「ありがとう」
「由香ちゃん、どこ行ったの?」
「あ、ばーばだ!またね」
「またね。由香ちゃん」
そう言って由香ちゃんを見送る。
「あきらさん」
「はい。どうしたの?皇本さん」
「可愛いお客さんがお待ちです」
「分かりました。行ってきます」
「はい」
そう言ってお客様のもとへ急ぐのだった。
「ほら、あきらちゃんよ」
「あきらおねえちゃん!」
「蓮見さん!琴ちゃん!こんにちは」
「お仕事中、ごめんなさいね!どうしてもあきらちゃんに会いたいって聞かなくて」
「いいえ。ありがとうね」
「うん」
「明日、子どもフェアをやるみたいね」
「はい。ぜひお越し下さい」
「もちろん!琴も行くわよね?」
「うん」
「ありがとうございます」
「あきらちゃんの活躍、楽しみにしてるわ」
「はい」
「あきらちゃんの邪魔をしてはいけないから今日はこの辺にしておくわ。またね。あきらちゃん」
「あきらおねえちゃん。バイバイ!」
「バイバイ!」
私は二人を見送ると仕事に戻るのだった。
「戻りました」
「あ、あきらさん!助けてください!」
「どうしたんですか?」
「この子たちが・・・・」
「こら!みんな!お兄さんを困らせてはダメよ!」
「だってあきらおねえちゃんがなかなか帰ってこないから」
「それはごめんね。他のお客様の相手をしていたの」
「子どもフェアについてこのお兄さんに聞きたいことがあったんだけど話してくれないの」
「そうだったんだ」
ちらっと皇本さんを見る。
皇本さんは私を見て「すみませんでした」と言う。
「なんで謝るんですか?」
「ベラベラ喋ったらあきらさんに怒られると思っていて」
「怒りませんよ」
「みんな、ごめんね!明日来れば分かることだから明日来てね」
「えぇーーー!」
「あきらおねえさんは何をしてくれるの?」
「それだけなら教えてあげる!読み聞かせやるよ」
「本当?見に行ってもいい?」
「いいよ。これで満足かな?」
「うん。仕方ないけど明日見に行くよ!」
「よかった」
「明日は何時から?」
「11時からだよ」
「分かった!見に行くね」
「ありがとう」
「俺たち帰るね!」
「またね」
「またね」
嵐のように去っていった。
「ありがとうございました。あきらさん」
「いいえ」
「あきらさんは子ども達の人気者なんですね」
「ありがとうございます」
「子ども達がいっぱい来てくれるといいですね」
「はい。あ、もうあと少しで閉店ですね。頑張りましょう!」
「はい」
そういって私と皇本さんは仕事に戻るのだった。
ようやく仕事が終わり、私達は息抜きをするのだった。
「二人ともお疲れ様!紅茶でも飲みましょう!」
「はい。いただきます」
「明日がいよいよ子どもフェアね」
「はい」
「いい思い出にしましょう!」
「はい」
そういって紅茶を飲む。
その紅茶はとても優しい味だった。




