三十五杯目 皆で乾杯!
多いほうが楽しい。
今日はカフェはお休みして急遽、お披露目会成功のお祝いをすることになった。
料理やデザートは各自、持ち寄ることになった。
ママ達が喜んでくれるといいなと思い、私は心を込めて手巻き寿司とアップルケーキを作った。
集合まで時間があったので可愛くラッピングする。
そして紙袋に入れ、準備をし、自宅を出るのだった。
外に出ると掃除をしている大家さんに出会う。
「あきらちゃん、おはよう」
「おはようございます。大家さん」
「気をつけてね」
「はい。行ってきます」
大家さんにお辞儀をしてカフェに向かうのだった。
カフェに着き、扉を開ける。
「おはようございます。」
私は元気に挨拶すると全員振り返る。
「おはよう!あきらちゃん!」
ママにご主人に皇本さんにマスターに雅樹さんに洋子さん。
いつも通りの人達が集まっていた。
「ママ。手巻き寿司とアップルパイになります」
「ありがとう!大変だったでしょ?」
「いいえ」
「そう?盛り付け、楽しみにしてて」
「はい」
「あきらちゃん!」
陽子さんが呼んでいる。
「はーい。ではお願いします」
「陽子さん」
「久しぶりね。元気だった?」
「はい」
「元気そうでなによりだよ」
雅樹さんも会話に入ってくる。
「あきらちゃん、飲み物は紅茶にする?」
「紅茶でお願いします」
「はーい!ちょっと待っててね」
陽子さんが紅茶をいれにいく。
「昨日のお披露目会はうまくいってよかったね!」
「はい。おかげさまで」
「俺たちも行けば良かった。皇本さんのラテアート飲みたかった!」
「後でお出ししますよ」
「皇本さん」
「あきらさん。雅樹さん。来ていただけて嬉しいです」
「本当に昨日はお疲れ様!」
「ありがとうございます」
「良かったです」
「はい」
「おまたせ!あきらちゃんの紅茶持ってきたよ!」
「ありがとうございます」
「何を話していたの?」
「ラテアートの話と昨日のお披露目会の話だよ」
「皇本さんのラテアートね!私も飲みたかったな!」
「後でお出ししますよ」
「本当?ありがとう」
そんな感じで話が盛り上がっているとマスターが咳払いする。
なんだろうと振り返るとマスターが子犬のような瞳で私達を見つめる。
寂しかったんだなと全員一致でそう感じるのだった。
「みんな、ひどい!俺の事を忘れてたでしょ!」
「そんなことないわよね」
「はい」
「マスターも会話の中に入ればいいのに」
「そうそう!」
「マスター!そんなところにいないで一緒に話しましょう!」
「マスター!」
陽子さんがマスターを強引に連れてきて私達の輪の中にいれるのだった。
するとマスターの態度が一変し、話を盛り上げるのだった。
マスターの話は面白い。
全員一致でそう感じるのだった。
「みんなー!料理とデザートの準備が出来ましたよ!」
「はーい」
みんなで料理とデザートのあるテーブルに向かい、囲む。
そしてご主人からノンアルコールカクテルをもらい、ママが挨拶する。
「それではお披露目会の成功をお祝いして乾杯!」
「乾杯!」
全員でノンアルコールカクテルを飲んで、料理やデザートを食べる。
「お待たせしました。ラテアートになります」
皇本さんが全員分のラテアートを持ってくる。
そのラテアートを見た陽子さんや雅樹さんはビックリして、じっと見つめていた。
「素敵なラテアートね」
「本当だね」
「ありがとうございます」
「飲むのがもったいない」
「たしかにもったいない」
「そう言うなら俺がもらうよ!」
「マスター!それはダメ!」
「冗談だよ」
「もう」
「息がぴったりですね!陽子さんと雅樹さん」
「よく言われる!」
「皇本さん、素敵なラテアートをありがとう」
「こちらこそ」
全員がその会話に笑顔になるのだった。
そして全員でラテアートの写真を撮ったり、おいしく飲んだ。
皇本さんのラテアートは心も体も温かくなるのだった。




