二十九杯目 陽子さん&雅樹さん&あきらちゃん
何かを取得するのは難しい!
今日は急な用事でママとご主人は出掛けているので急遽、カフェは夜に開ける事になった。
私はママに了承を得て、朝からポスターやチラシ作りに専念していた。
パソコン作業は疲れるがポスターやチラシの完成が楽しみだ。
そう思いながら作業に集中して取り組んでいるとカフェの扉を叩く音がする。
今日は夜からなのにと思い、扉を開けると陽子さんと雅樹さんの姿があった!
「陽子さん!雅樹さん!どうしたんですか?」
「ママから連絡もらって頑張るあきらちゃんに差し入れを持ってきたの!」
「ありがとうございます。朝からすみません!」
「いいんだよ!僕たちのほうこそごめんね!こんな時間に」
「寒いので中にお入りください」
「ありがとう」
「お邪魔します」
「やっぱり落ち着くわね!このカフェは!」
「そうだね。なんだか落ち着く」
「ありがとうございます。何か温かいお飲み物でも用意しますね!」
「本当?ありがとう!」
「生姜入りココアでもいいですか?」
「いいわよ!あきらちゃんがいれてくれるものならなんでもいいわ」
「僕もお願いします」
「はい」
「あきらちゃん、パソコン見てもいい?」
「どうぞ」
「ありがとう!」
私はカウンターに入って生姜入りココアを作る。
陽子さんと雅樹さんは真剣な顔でパソコンを見つめ、何かを話している。
「お待たせしました。生姜入りココアになります」
「ありがとう!いただきます。」
「いただきます」
「うーん。おいしいわ!」
「おいしい」
「ありがとうございます。」
「生姜入りココア、初めて飲んだんだけど身体と心が温まるわ!」
「本当だね」
「良かったです」
「あ、そうだ!これ、差し入れなんだけど良かったらママとご主人と食べて!」
袋を開けるとカップケーキが入っていた。
「ありがとうございます」
「いえいえ。私と雅樹さんで作ったの!」
「本当ですか?凄いです!」
「私たち、お菓子作りは得意だからね」
「私も大好きです」
「そうなの!今度、作って!」
「はい」
「あきらちゃん、パソコン見させてもらったけどよく出来ているわ!」
「本当ですか?ありがとうございます」
「イラストも可愛いし、うまくまとまってる。今日、配るの?」
「はい。出来れば」
「私たちも手伝うわ」
「今日は夜からですよ?時間は大丈夫ですか?」
「大丈夫よ!」
「雅樹さんも大丈夫よね?」
「僕も大丈夫!」
「宜しくお願いします」
「いえいえ」
「そうだ!あきらちゃん、読む絵本は決めた?」
「はい、白雪姫にしようと思っています」
「準備が早いのね!」
「陽子さんに聞きたいことがあって」
「んっ?」
「ここのシーンなんですが」
「どれどれ?」
「あー。このシーンはね。子ども達から反応があったらアドリブかな?」
「はい」
「一緒に考えよう!」
「僕も考えるよ!」
「ありがとうございます」
陽子さんと雅樹さんと話し合いをすすめるのだった。
すっかり夜になり、ママ達が帰って来て陽子さんや雅樹さんと共にカフェの準備をする。
そしてようやく準備が終わり、カフェを開く。
私はお客様にチラシを配ったり、ポスターを見せて宣伝する。
お客様も興味を持ってくれる。
特に子供連れのお客様が一番興味を持ってくれた。
「子どもフェアですって!」
「楽しみだわ!」
そんな声がカフェに響く。
良かったと思い、私は安堵する。
次々、来るお客様の相手をしながらチラシを配っていく。
そんな繰り返しだったけど私は嬉しい気持ちだ。
「私たちも子どもフェアに参加します」
「あら、陽子さん、雅樹さん、本当なの?」
「はい」
「何するの?」
「それは秘密です」
「えっー!もったいぶらないで教えてよ!」
「駄目ですよ!考えたのはあきらちゃんですから!」
陽子さんも雅樹さんも楽しく接客している。
良かったと遠くから見守るのだった。
カフェの時間も終わり、私たちはママの手作り鍋を囲みながら話をする。
「なんとか今日のチラシは配り終わったね」
「そうだね。お疲れさま」
「陽子さん、雅樹さん、ありがとうございました」
「いえいえ」
「それにしても接客がこんなに大変だとは思わなかったわ」
「そうだね。あきらちゃんが凄いって感じるよ」
「えへへ。ありがとうございます」
「でも正社員はあきらちゃんだけでしょ?もう一人、正社員を雇ってもいいんじゃない?」
「そうだね」
「そうすればあきらちゃんも楽だし、仕事仲間がいた方が楽しいでしょう」
「うんうん」
「実はね。近いうちに雇おうと思ってるの!」
「本当ですか!ママ!」
「うん。こどもフェアをやる前には決めようかなって思ってる!」
「実は何人か候補があがっているの!」
「さすがね!ママ!」
「あきらちゃんはどう思う?」
「ママの意思を尊重します」
「ありがとう!」
「明日には絞ろうかしら」
「こどもフェアは3月1日よね?」
「はい」
「明日、絞って、後日、あきらちゃんに紹介するわね!」
「はい!」
「さて話がまとまったので今日も鍋を食べましょう!」
「はーい!」
そう言って私たちは今日も鍋を食べるのだった。




