二十七杯目 あきらちゃんとゴジラの男の子
可愛いゴジラさんがカフェにやって来た。
寒い冬が続く中、今日は気温が上がって春の陽気になる。
「気持ちいいな!」
私は空に向かって伸びをする。
花壇の花達も嬉しそうだ。
最近、寒くて元気がなくて可哀想だったけど今日は大丈夫そうだ。
鼻歌を歌いながら水やりをしていると
買い出しを終えたママが帰って来た。
「あきらちゃん、ただいま」
「お疲れさまです。ママ」
「今日は暖かいわね」
「春が来たみたいですよね」
「いつもこんな天気ならいいんだけどね」
「はい」
「でも春になると花粉症がね・・・」
「ママ、花粉症なんですか?」
「かなりひどいのよ」
「そうなんですか!大変ですね」
「もし体調が悪くなったらあきらちゃんにこのカフェを任せるわ!」
「ママ、プレッシャーかけないで下さい」
「ごめんごめん。水やりが終わったら手伝ってくれる?色々、買いすぎちゃったから!」
「分かりました」
「お願いね」
そう言ってママはカフェに入る。
私は丁寧に水やりをするのだった。
ママの手伝いも終わり、開店時間を待つ。
私は鏡の前で笑顔を作ったり、身だしなみを確認する。
よし!今日も完璧!最高の笑顔で接客しよう!
「あきらちゃん、カフェ、開けるわよ」
「はーい」
そして私の一日が始まった。
今日はいつもと比べるとお客様は少ないが接客がしやすい。
なのでじっくりお客様と話せる。
「あきらちゃん!」
「はい。少々お待ち下さい」
「お待たせしました。ご注文は?」
「紅茶とあきらちゃんのコーヒーをお願いね」
「はい。かしこまりました」
「あきらちゃん、今日も最高の笑顔だね」
「ありがとうございます。」
「本当ね!あきらちゃんの笑顔は素敵よね」
「俺たちも見習わないとね」
私の笑顔を見て、笑顔になってくれるお客様がいる。
それはとても嬉しいことだ。
「こんにちは」
「はーい」
またカフェの扉が空く。
「いらっしゃいませ」
「あきらちゃん。お久しぶりね」
「舞子さん。お久しぶりです。もしかしてだっこしてる子って!」
「そう!私の子どもよ」
「無事に産まれたんですね!おめでとうございます」
「ありがとう!」
「うぅー」
「ゴジラの服、着てて可愛い!男の子ですか?」
「そう!リオって言うの!」
「リオくん、はじめまして」
「リオ、あきらちゃんよ」
「うぅー」
リオくんが私に手を伸ばす。
そして私の指に握ってくれた。
「リオなりの挨拶です」
「わぁー。ありがとう」
「何々?何を盛り上がっているの?」
ママがカウンターから出てくる。
「ママ!舞子さんとリオくん」
「あら!無事に産まれたのね!可愛い」
「ママとあきらちゃんには大変お世話になりました。色々教わって今日という日を迎えられました」
「本当に良かったわよね。母子ともに健康で」
「そうですね」
「ありがとうございます」
「うぅー」
リオくんが私を見つめる。
私がニコッと笑うとリオくんもキャッキャッと笑う。
「良かった!あきらちゃんを好きになったみたい」
「えっ?本当ですか?」
「普段はあまり人前で笑ったりしないのよ!人見知りだから泣いちゃうの!」
「あきらちゃんの笑顔には不思議な力があるのね」
「そうでしょうか?」
「きっとリオくんに優しい人だって伝わったのよ」
「嬉しいです」
「立ち話もなんだし、お茶でもどうぞ!」
「すみません。今日はこの後、用事があって」
「あら?残念!」
「でもあきらちゃんとママの元気そうな姿を見られて良かったです。ありがとうございました」
「こちらこそ。また来てね」
「それじゃ、失礼します」
「バイバイ!リオくん!」
「うぅー」
私たちは舞子さんとリオくんを見送った。
カフェも終了の時間になり、最後のお客様をお見送りして私の一日が終わった。
「それにしても舞子ちゃん、本当に良かったわね」
「そうですね!」
「母子ともに健康そうだし、笑顔が見られて良かったわ」
「リオくん、とっても可愛かったです」
「それにしてもあきらちゃんの笑顔の力は凄いわね」
「ありがとうございます。」
「これからもいい笑顔でいてね!」
「はい!」
私とママは笑い合う。
今日も素敵な一日でした。




