二十五杯目 素敵なバレンタイン
大好きって伝えよう!
今日はいよいよバレンタイン。
それは大好きを伝える日。
私も昨日、夜遅くまでカップケーキーとクッキーを作っていた。
久しぶりの手作りバレンタイン。
喜んでくれるといいなぁー。
「おはようございます」
「あきらちゃん、おはよう」
「おはよう」
今日はママとご主人が揃っている。
これはナイスタイミング。
「お二人が揃っていて嬉しいです」
「んっ?」
「これ、カップケーキとクッキーなんですがママとご主人に」
「まぁー。ありがとう!あきらちゃん」
「美味しそうだね。手作り?」
「はい」
「それは楽しみだ。あとで食べるね」
「あきらちゃん、本当にありがとう」
「いいえ」
「あきらちゃん」
ママが突然小声になる
「んっ?」
「まーくんとうまくいくといいね。」
私はその言葉に顔が真っ赤になる。
「は、はい。頑張ります!」
私は必死で顔のほてりを冷ますのだった。
「ホワイトデー、楽しみにしててね」
「は、はい」
「掃除はしておいたからあとは開店だけだからゆっくりしていてね」
「はい」
そう言われて私は深く深呼吸する。
雅人さんにはメールしてある。
いつ来るかわからないけど「来る」って言ってくれているから!
なんだか緊張しちゃうな!
初彼氏に初手作りバレンタイン。
ママの言うとおり、うまくいくといいな。
「あきらちゃん、開けるわね」
「はーい。よし今日も頑張ろう」
長い一日になりそうだ。
「いらっしゃいませ」
カフェには続々とお客様がやってくる。
常連のお客様、初めてのお客様。
子どもからお年寄りまでの幅広い年代の人達がこのカフェを愛してくれる。
それはとても幸せな事だ。
「あきらお姉ちゃん!」
「はーい」
今日もいつもの子ども達がやってくる。
「どうしたの?」
「あきらお姉ちゃん!これあげる!」
「僕も」
「私も」
「ありがとう!ちょっと待っててね!」
私はバックから手作りクッキーを出す。
「あきらお姉さんからみんなにハッピーバレンタイン!」
「ありがとう!」
子ども達はクッキーを貰って喜んでくれる。
その笑顔が何よりの活力だ。
一人のご婦人が私に声をかける。
「あきらちゃんは本当に子どもから好かれるのね」
「嬉しいことです」
「そんなあきらちゃんだから自然に寄ってくるのね」
「ありがとうございます。」
「うふふ」
「あきらちゃん」
「はい。少々お待ち下さい」
「では失礼します」
「はい」
私は接客を再開するのだった。
空がすっかり青色からオレンジ色に変わる。
もうすぐかな?雅人さんが来るの
私は緊張しながら時間が過ぎるのを待った。
そして最後のお客様のお見送りが終わり、カフェは終わった。
しばらく待っていると雅人さんがやって来た。
「こんばんは。あきらさん」
「こ、こんばんは」
「あれ?雅人くん。どうしたの?こんな時間に?なにか用事?」
「あきらさんに会いに来ました」
「えっ?どういうこと?」
「あなたも邪魔だから私達は買い物に行きましょう!ほら、早く!」
「え?ちょ、ちょっと待ってよ!ママ!」
ご主人はママに引きずられてカフェを後にするのだった。
ママがウィンクする。
私は頷くとママは安心してカフェを後にするのだった。
「来てくれて嬉しいです」
「俺もだよ。会いたかった。」
「あの、これ良かったら受け取って下さい」
私はラッピングしたカップケーキとクッキーを渡す。
「ありがとう!凄く嬉しいよ」
「あの」
「んっ?」
「大好きです。雅人さんの事」
「あきらさん」
「ずっと好きでいさせてください」
私は雅人さんに抱きつく。
すると雅人さんは優しく抱きしめてくれる。
「ありがとう。幸せにするよ」
私の目から涙が溢れる。
「はい」
「泣かないで。あきらさん」
雅人さんは涙をぬぐってくれる。
「それにしても大胆なんだね。あきらさん」
「えっ?」
「いきなり抱きついてくるから」
「嫌でしたか?」
「ううん。むしろ嬉しいかな」
「ホワイトデーは楽しみにしてて」
そう言うと私のほっぺにキスをしてくれた。
「これからもよろしくね。あきらさん」
「は、はい。こちらこそ」
彼のキスは優しくて温かくて気持ちが落ち着くのだった。
彼とグッと距離が縮まった素敵なバレンタインでした。




