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二十三杯目 おしどり夫婦は愛を語る。

愛は語るものだ。


パステルアート講座をやって数日後。

私はすっかりパステルアートの魅力にはまり、本やネットで勉強するようになった。

上手くなったら雅人さんにもプレゼントしたいなと思いはじめたから。

だから密かに腕を磨いているのだった。

今日も空は晴天。

気持ちのいい太陽の光が降り注ぐ。

今日はどんな出会いがあるのだろうと心を踊らせるのだった。


「いらっしゃいませ」

私の元気な声がカフェに響く。

ちょっとうるさいかなって自分で思うこともあるけどお客様が元気があっていいと言ってくれる。

「あきらちゃんから元気をもらってるわ」

「ありがとうございます。」

「あきらちゃんみたいな子がこの街に来てくれて嬉しいよ」

「ありがとうございます。」

そんな言葉をくれるお客様がたくさんだ。

私はその言葉を嬉しく思うのだった。

今日もいつものように接客していると見慣れない夫婦のお客様がカフェの外をウロウロしていた。

入りたいけど入りづらいのかなと思い、私はママに断りを入れ、声をかけるのだった。

「何かお困りですか?」

私が声をかけると夫婦が私の顔をじーと見てくる。

なんだろう?と思ったが私は笑顔で待つ。

すると安心したのか話をしてくれた。

「あなたがあきらちゃん?」

「はい。そうですけど?」

「やっぱり。そうですよね!良かったわ。あなたのおかげね」

「な?俺の言ったとおりだろ?」

「あの?」

「あ、ごめんなさい。実はママから新しい子が入ったのを聞いてその子のいれるコーヒーが美味しいって噂で聞いてね!ぜひ今日、行ってみようって主人と話していたのよ!良かった!やっと会えた」

「それはありがとうございます。ママも喜びます」

「ごめんなさいね。不審者みたいだったでしょ?白石真子と言います。そして主人の・・・」

「和志と言います。宜しくお願いします」

「よくお越しくださいました。寒いので中にお入り下さい」

「ありがとうございます」

「空いてる席にどうぞ」

私は白石さん夫婦を案内する。

「何かご注文は?」

「あきらちゃんの入れてくれたコーヒーを頂こうかしら!あなたは?」

「俺も同じのを」

「かしこまりました。少々お待ち下さい」

そう言って私は白石さん夫婦の席を離れる。

「戻りました」

「あきらちゃん、おかえりなさい」

「ママ、白石さん夫婦が来ています」

「やっと来てくれたのね!あのおしどり夫婦!」

「おしどり夫婦?」

「この街では有名よ!とにかくとても仲がいい夫婦なのよ」

「そうなんですか!」

「何か頼んできた?」

「コーヒーの注文が入りました」

「それは良かったわね!」

「はい」

「美味しいコーヒー、お願いね」

「分かりました」

そう言われてコーヒーをいれるのだった。

「お待たせしました。コーヒーになります」

「ありがとう」

「どうぞ」

「いただきます」

白石さん夫婦がコーヒーを飲む。

私は固唾を飲んで見守る。

すると夫婦揃ってニコッと笑う。

「美味しいわ。ねぇ。あなた」

「美味しいね。」

「ありがとうございます」

「あきらちゃんはコーヒーをいれるのが上手いのね」

「こんな味、なかなか出せないよ」

「喜んでもらえて何よりです。仲がいいですね!」

「んっ?」

「すみません。ママから聞いたんですけどおしどり夫婦なんですね」

「あら!やだ!ママったら!恥ずかしいわ」

「恥ずかしいな」

「夫婦で来るお客様が少ないので」

「この人とはもう結婚して20年の仲なんだけど新婚みたいにラブラブよ」

「彼女は本当に天使みたいな人でね」

「秘訣はなんですか?」

「愛を語ることよ!」

「愛を語る?」

「そう!例えば好きって言ってあげたりとか!あとは誉める!」

「彼女はポジティブな人だからね」

「あとは恥ずかしがらずに言うことね」

「あきらちゃんは彼氏さんとかいるの?」

「はい」

「だったらまずは愛を語る事よ!そうすればその後も上手くいくわ」

「なるほど」

「最初は恥ずかしいけど誠意は伝わるわ」

「分かりました。彼には会ったら言ってみます」

「頑張ってね。応援してる!またここに来るわね」

「はい」

そう言って白石さん夫婦はカフェを後にした。

愛を語る!

それは恥ずかしいことだけど誠意が伝わる。

もうすぐバレンタイン。

私も雅人さんに誠意を伝えたいと感じるのだった。





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