二十二杯目 あきらちゃん、新たな芸術に触れる!
夜が終わり、新しい朝がやってくる。
太陽が昇ると同時に私は目が覚めた。
カーテンを開け、太陽の光を浴びながら伸びをする。
「いい天気だな。今日も一日頑張ろう!」
そう言って準備をして元気よく出かけた。
小さな港の海はいつもより輝いて見えた。
私の今日の気持ちの表れかもしれない。
私はしばらく海を眺めていた。
カフェに着くとママが忙しそうに準備をしていた。
「ママ、おはようございます。」
「あきらちゃん、おはよう!今日は早いのね」
ママは少し疲れた声で私を出迎える。
「ママ、大丈夫ですか?何か手伝いましょうか?」
「ありがとうね。準備はほとんど終わってるから休憩しようかしら」
「そうしましょう。私、紅茶入れますね」
「ありがとう」
私は急いで紅茶をいれてママのところまで運んだ。
「どうぞ」
「ありがとう」
「いただきます」
そう言って私とママは同じタイミングで紅茶を一口飲んだ。
「今日が楽しみで昨日は眠れなかったわ」
「そうだったんですね」
「ごめんね。心配させちゃって」
「いいえ。ママはパステルアートは初めてですか?」
「三回目かしらね。初めてでも大丈夫だからね」
「はい」
「レイは優しいし、教え方も上手いから大丈夫よ」
「はい」
「あと何人か来るから宜しくね。皆、いい人だから」
「分かりました」
「さてそろそろかしらね。今日は貸切だからのんびりできるわ」
「うふふ。そうですね」
私とママはカフェの扉を開ける。
しばらく待っているとレイ先生と何人か生徒さんがやってきた。
「おはよう。あきら。ママ」
「おはよう。レイ」
「おはようございます」
「今日は宜しくね」
「はい」
「おはよう。あきらちゃん」
「おはようございます。高塚さん」
知っている常連さんも来てくれて安心し、初めて会うお客様に対してはママが紹介してくれた。
そしてお互いに和気あいあいと話をした。
それからレイ先生からパステルアートの説明があり、真剣に話を聞いた。
作業に入り、私はレイ先生と一緒に進めた。
レイ先生は一つ一つ丁寧に教えてくれた。
「あきらは器用ですね」
「ありがとうございます」
「性格が作品に出ていますね。楽しみです」
「はい」
レイ先生は必ず褒めてくれる。
その人の個性を大切にしてくれる。
私は初めて教わるがそれをすごく感じた。
作品が出来るとレイ先生は真剣な顔で作品を見て、満足そうに笑うのだった。
私は今回、バレンタインをテーマに大きいハートとバラを表現してみた。
レイ先生に見せるとニコッと笑い、「美しい」と言ってくれた。
「初めて作ったのにこのクオリティーがすごい」とも言ってくれた。
すると全員、集まってきて、私の作品を見て「素敵」と言ってくれた。
とても恥ずかしかったが嬉しかった。
全員の作品をレイ先生は写真に撮った。
そして額縁を一人一人プレゼントしてくれた。
そしてみんなで集合写真を撮り、パステルアート講座は終了した。
ママはウサギのパステルアート。高塚さんはクローバと鳥のパステルアート。
他の人の作品もどれも素晴らしくて素敵なパステルアートが出来た。
レイ先生は何度何度も写真を眺めていた。
私達は紅茶を飲みながら作品について語った。
「あきらちゃん、初めてなのに素敵な作品ね」
「ありがとうございます」
「私もそう思ったわ」
「ありがとうございます」
「手先が器用だよね」
全員、相手の作品を褒め合うのだった。
レイ先生は全員の話に耳を傾けて満足に聞いていた。
「またやろうね!あきらちゃん」
ママが笑顔で言う。
私も笑顔で答える。
するとレイ先生も笑顔で「はい」と答えるのだった。
レイ先生の発言に全員が笑顔になるのだった。




