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十四杯目 獣医の小木先生は動物と心を通わせる事が出来る

心を通わせる事ってなかなか難しい。

動物も人も。

でも心を通わせる事が出来れば素敵な事が待っていると私は思う。


「ふぅー。さすがに秋だから少し寒いな」

私は掃除をしながら秋の寒さを感じるのだった。

季節は秋。

いちょうの葉は色をつけ始め、そこらじゅうに落ちている。

もうすっかり秋である。

私は秋を感じるのだった。

「あきらちゃん。掃除終わった?」

「今、終わりました」

「終わったら早くカフェに入った方がいいわよ。寒いから」

「確かに寒いですよね」

今日に限って風が冷たい。

私は寒さに耐えられずカフェに入るのだった。

カフェに入るとママが温かい紅茶を入れてくれた。

私は温まるのだった。

「こんなに寒いとお客様が来るのか心配になるわ」

「そうですよね」

私もママも心配になってくる。

そんなママと私にご主人が口を開く。

「こんな寒さだからここのカフェが必要なんだよ」

ご主人のポジティブの言葉に私たちは励まされる。

そうだ!こういうときこそポジティブな気持ちが大事なんだ。

私はそう自分に言い聞かせた。

午前の開店時間になる。

すると顔見知りの男性がやってくる。

「やってる?」

「あ!小木先生。いらっしゃいませ!

やってますよ!」

「良かった!やってて!お客様が珍しくいないからやってないのかなって思ったよ」

「お好きな席にどうぞ」

「ありがとう!あきらちゃん!」

この方は小木先生。

この街で獣医をやっている方でこのカフェの常連である。

モカちゃん&ルリちゃんの主治医でもある。

「なかなかカフェに来られなくてごめんね」

「いえいえ。お元気そうで何よりです」

「最近、忙しくて休みがなかなかとれないんだよ」

「そうなんですか?」

「最近、動物を飼う人が多くなって診察するのも人手が足りないし、相談も聞くのも大変なんだよ」

「獣医さん不足ですもんね!この街は」

「そうなんだよね。どうしたらいいのか」

「お疲れさまです」

「ごめんね。暗い話になっちゃったね

温かい紅茶をお願いします」

「はい」

小木先生は大変そうだな。

疲れきってる顔もしてるな。

私は小木先生の体調が心配になってきた。

「お待たせしました。温かい紅茶になります」

「ありがとう」

そう言って小木先生は温かい紅茶を飲む。

「あきらちゃん」

「いらっしゃいませ」

「あ!小木先生もいる!」

「こんにちは」

常連の女性のお客様が小木先生に近づく。

「先生!この前はありがとうございました。助かりました」

「いえいえ。どうですか?イブちゃんのお加減は?」

「それが最近は調子がよくて、散歩に行けています」

「それは良かったですね。またなにかあったら言ってください」

「はい。ありがとうございます」

「イブちゃん。調子が悪かったんですか?」

「そうなの!調子が悪くて何が原因なのか分からなかったの!でも小木先生が見てくれて原因がわかって今はすっかり元気になったのよ!小木先生には感謝でいっぱいだわ」

「良かったですね」

「小木先生は多分、動物と心を通わせる事が出来るのよ。うちの子、元気になってたら小木先生の事が大好きになっちゃって散歩しても小木先生のところに行こうとするのよ」

「へぇー」

「だから小木先生の所に行く動物は小木先生を大好きになる子が多いのよ!」

「凄い先生なんですね!小木先生は!」

「そんな凄いだなんて。私はただ動物の心に寄り添っているだけですよ」

「それが凄いですよ!」

「そうよね!あきらちゃん」

「はい」

「ちょっと恥ずかしいですけどありがとうございます」

「いえいえ」

「動物の気持ちってなかなか難しいのに小木先生は分かるんですね?」

「感じるものがあるからね」

「感じるもの?」

「動物の声で喜怒哀楽が分かるんだよ!私の場合はね」

「動物の声で?」

「たとえば唸っている声だったら苦しいのか?リラックスしていないのか?

色々考えて消去法にしていくんだ!そして1つの答えを見つける」

「難しいけど慣れてくれば動物が皆、教えてくれる」

「獣医に必要なのは動物の心に寄り添うことだからね!」

「深いですね!小木先生の話は」

「そうね!勉強になるわ」

「いえいえ」

「そんなに知りたいなら今度、うちの動物病院に来るといいよ。実際に見た方が早いからさ」

「いいんですか?」

「暇な時にでもいいからさ」

「はい」

「おっと!もうこんな時間だ!早いけどもう帰るね!」

「えっ?お仕事ですか?」

「そうだね」

「大変だと思いますけど無理しないでくださいね」

「ありがとう!慌ただしくてごめんね!また来るね!」

「はい!お待ちしております」

「お金ここに置いておくね!お釣りはいらないから」

「はい。ありがとうございました」

小木先生は慌ただしく行ってしまった。

「小木先生はお忙しいんですね」

「そうね」

「今度はゆっくり過ごしていただけるといいんですけど」

「そうね」

私はそう感じながら仕事に戻るのだった。







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