十杯目 占い師さんはあきらちゃんのことを占う
占いを今まで信じたことはなかった。
でも占いって結構当たるんだよね。
本日の土曜日のカフェは貸し切り日です。
貸し切り日というのはお客様が自由にカフェを貸しきれるものです。
カフェを使ってお茶会をしたり、美術を学んだり、料理教室を開いたりなど
しています。
本日は有名な占い師さんが来てくれるという事なので楽しみです。
「ママ、この席はここでいいんですか?」
「そうね。その位置でお願い!」
「分かりました」
朝、早めに来てママの手伝いをする。
今日は有名な占い師さんが来るので失礼のないようにしないとな。
私はそう思いながら準備をすすめるのだった。
そして開店時間になり、占い師さんがやって来た。
「いらっしゃいませ。本日は宜しくお願いします。」
「こちらこそ宜しくね。あなたと会うのは初めてよね?」
「はい」
「お名前は?」
「あきらと言います」
「そう。あきらちゃんね。私は氏神っていう者だけどここではマザーって呼ばれてるからマザーって呼んでね」
「分かりました。マザー」
「ママと私はね、幼馴染みなの!」
「そうなんですか?」
「だからね。なんでも分かっちゃうのよね」
「へぇー。凄いですね」
「長年、やってるからね」
話してみて感じのいい人だった。
喋りにくい人だと思っていたがよかった。
「あら!長話になっちゃったわね!ごめんなさいね!さっそく準備をしようかしら」
「はい」
マザーは準備をする。
私もマザーの準備を手伝う。
そして準備が整い、さっそく来ていたお客様を占うのだった。
カフェの外では話を聞き付け、お客様の列が出来ていた。
私は待ち時間のお客様を接客をする。
お話をしたり、無料のハーブティーを配るのだった。
マザーの様子を影から見ているとマザーは真剣な顔で占っていた。
「あなた、片付けが下手ね」
「なんで分かったんですか?」
お客様はマザーの言葉にびっくりする。
やっぱり当たるんだ。
私はマザーの占いの様子に興味津々だった。
どんどん休むことなく、マザーはお客様を占う。
疲れないのかな?
私は心配してしまうのだったがマザーはそんな雰囲気を出さずに真剣にお客様と向き合う。
その姿勢はとてもかっこよかった。
お客様の占いもひとどおり終わる。
私はマザーに紅茶を運ぶのだった。
「お疲れさまです。どうぞ」
「ありがとうね。あきらちゃん」
「いいえ」
「ちょうど紅茶を飲みたいって思ったところよ」
「そうなんですか!よかったです」
「美味しいわ」
「ありがとうございます」
「紅茶のお代はどうしたらいいかしら?」
「私のプレゼントです。」
「ありがとう!そうだわ!あきらちゃんのことも占ってあげる!」
「えっ?」
「私からのプレゼントよ!」
「いいんですか?」
「いいわよ」
「でも・・・・・」
するとママがひょこっと出てくる。
「あきらちゃん。せっかくだから占ってもらえば」
ママが言ってくれる。
「じゃあ。宜しくお願いします」
「決まりね!さぁ、座って」
私が座るとマザーはさっそく占いをする。
私は緊張する。
マザーは真剣な顔で私を見る。
そして私に言葉をかける。
「彼氏がいるわね!」
「えっ?」
「しかもママの知り合いで歳は上の方ね」
「・・・・・」
「しかもママには報告していない」
「そうでしょ?」
「・・・・・はい」
「なんで分かったんですか?」
「この水晶が教えてくれるの」
「見えるってことですか?」
「そうね。見える」
「はぁー」
私は驚いてしまう。
今まで占ってもらったことはないけどまさか当たるなんて思ってもなかった。
私はマザーの占いにビックリした。
「あとあきらちゃんは苦労人ね」
「えっ?」
「関係が複雑よね」
「あっ!」
「えっ!」
ママが今の言葉を聞いて遠くから聞いていた。
「マザー、どういうこと?」
「それが本人がよく分かってるから私からは何も言わない」
「あきらちゃんが辛くなるから」
「ここに来た本当の理由が・・・」
「そう」
「あきらちゃん。お節介かもしれないけどいつでもいいからママに話してあげてね。自分の過去となぜここに来たのか?を」
「・・・・・はい」
「ママならきっと力になってくれるから」
「占いはこれ以上にしておくわ。嫌な気持ちになったらごめんね」
「いいえ。大丈夫です」
私ははっきり答えた。
するとマザーはほっとした顔で私を見つめていた。
ママもほっとした顔をしていた。
マザーの占いも終わり、マザーは帰っていった。
私たちは今日の事をコーヒーを飲みながら振り返った。
「マザーの占い、すごかったわね」
「はい」
「あきらちゃん」
「はい」
「マザーが言っていた事なんだけど。あきらちゃんのタイミングでいいから話聞かせてね!もし嫌だったら話さなくていいからね!」
「心配かけてすみません」
「いいのよ」
「いつか話しますね!ママに!」
「待ってるわ」
「はい」
「せっかくのあきらちゃんのコーヒーが冷めちゃうから飲もう」
「はい」
私たちはコーヒーを飲むのだった。




