お目覚め
うう・・・・・なんだか周りが真っ白だよ・・・・
なんかもやもやしててうごうごしてる・・・・・
・・・・ん?
これはゆ・・・め?
ああ、じゃあ起きなきゃ、早くしないとまたアクりちゃんに怒られちゃう
早く、早く――――――――――
「・・・ん」
まだ目をショボさせてとりあえず起きるリツ
いつもは真っ青な空の上にいるはずなのに・・・・・・
「ここは・・・・・」
どう見ても見慣れた場所ではない
空の上に存在する建物などはよく見たことがあるが、こんな空間は何一つとして無いはずだ
とすれば―――――
「下・・・・人間の・・・・・!」
言い終わる前に記憶がよみがえってきた
確か自分はアクリとともに下に落ちて行ったはずだ
地面に衝突する前に2人の人間を見たような気がする
とても印象に残ってる人―――その人に合うために―――――――
その人間は今川和輝―――――――――
「!?」
いきなり顔が沸騰したように熱くなる
いや、もしかしたら本当に沸騰しているのかもしれない
もしさっき思い出した自分の記憶が正しければ・・・・・・それを推測すればここは――――――
「今川和輝君の・・・・家?」
その言葉を呟いた瞬間、後ろのドアが開いた
「・・・・・・・・あ、起きた?」
心配していたように近付いて来る和輝
それによってリツの顔がさらに沸騰する
「あ! いや・・・その・・・・はい・・・・・」
それに安心したかのように和輝はにっこりと笑う
「そう それならいいんだ ・・・・ほんとに大丈夫?」
リツの隣に座って顔を覗き込む
リツの顔はこれ異常ないほどに真っ赤だ
「ほ、ほんとに大丈夫です!」
「よかった」
和輝の顔がきらきらと輝く
それに一瞬見とれていたリツが何かを言おうとしたところ
「キミ、天使なんだって? いや、正確にはキミたちかな?」
「!?」
「さっき聞いたよ もう一人の子、あの子を今預かってる奴に」
「ア、アクりちゃんは無事なんですか!?」
「ん? ああ、無事だよ んで、本題に入らせてもらうけど、君たちは何の為に来たの?」
「え? そ、それは・・・・・」
少々顔色が戻っていたリツの顔がまた紅く染まる
ごにょごにょと何かを呟いているようだったが和輝は
「いいずらいんなら、その・・・・アクりちゃんだっけ? またその子達に合うからその時でいいよ」
「あ、ありがとうございます!」
――――――――よ・・・・良かったあー! やさしい! やさしいよこの人アクリちゃん!
そんなことを思いながらリツはとても優しい笑顔を和輝に向けた