下に下に
〜落下中〜
「んでよ〜、アイツあの後なんて言ったと思う? それがさ・・・・」
楽しそうに自分に話し掛けてくる清次郎をよそに和輝は空を見上げていた
――――どうして女子はそんなに恋がしたい? いいことでもあるのか?
自分には分からない疑問を浮かべながら和輝は清次郎と歩いていた
「・・・なぁー、お前俺の話し聞いてる?」
「んー? 聞いてない」
「・・・・・・・泣いていい?」
「どうぞご勝手に」
本当に涙を流している清次郎に少々ビビリながらも和輝はまた空を見上げる
見上げた上には白と黒の鳥が落ちてきていた
―――――――いいよな、鳥は頭が悪いから変なこと考えずにすんでよ・・・・
ん?
?トリガオチテキテイル?
『・・・――――――――ぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ!』
二つの声が重なりながら、それは落ちてきたのだった
『どわっ!?』
ドゴゴッ
清次郎と同じ事を言ったと思うと清次郎と同じように地面に頭をぶつけていた
「っいって〜なんか無駄にでかい鳥が落ち・・・」
―――――鳥じゃない――――――――――――――
ソコには女の子が自分に抱えられていた
清次郎のほうも同じように女の子が顔をうずめている
清次郎も和輝の方に気付いたのか問い掛ける
「・・・この子達何?」
「・・・・・・・知らん」
「上から落ちてきたよ」
どこかで聞いたような台詞を言い上を見上げる
自分もつられて空を見上げる
いつも道理ののどかな青空だ
「ん?」
何か彼女の背中に違和感があったのかソコを見てみると
羽が生えていた しかも直に
「なんだよ・・・これ・・・・」
――――――天使?
愕然の言葉を吐き出していた時
「ううぅ・・・・ん・・」
清次郎に抱えられていた女の子が目を開く
「あれ・・・・俺ら・・・・」
寝ぼけているように薄く開いた目で回りを見渡す
そこで自分がやっと誰かに抱えられているのに気付く
飛び跳ねるように清次郎の腕から離れる
「わ・・・わりぃ 重かったな・・・・・」
「いや全然軽かったんだけど・・・・お前ら・・・」
「あああああぁぁぁぁ!」
清次郎が言い終るよりも早く黒い天使(?)は白い天使と和輝を交互に見つめる
そして何かを考えたあげく
「確か・・・・・お前和輝とかいった名前だよな?」
「そうだけど・・・」
「そいつ頼む!」
と、大きな声でわけのわからない頼み事をした後
「清次郎・・・立て」
「へ?」
わけのわからないまま清次郎を起こすと手を引っ張ってどこかへ走って行った