帰り道
「なっなんだよロリコンてっ!?」
和輝は清次郎と寧夜に言われた言葉に顔を赤くする
その隅では、
「ね〜アクりちゃん ロリコンってなぁに?」
「それはね、ちっちゃ・・・」
「ああああ!!言うな言うな!!」
更に顔を赤くして少女等の会話を阻止する
周りの人等が和輝の事を変な目で見ていた時、リツは思い出したように、
「あ・・・あの・・・おか・・・えりなさいっ!」
その言葉を聞いて和輝はまだ顔を赤らめながらも調子を取り戻し、
「た・・・・ただいま」
戸惑うように、頭を掻きながらそう返事を返すのだった
「おっちゃん! 今日いくつパン残ってる?」
「今日は・・・いつもの3倍ほどかな・・・」
「OK! じゃぁ、いつもんくらいで!」
「ハイ、3千円ね」
パンを売っているワゴンの運転手、おっちゃんと呼ばれている男と仲がよいのか、寧夜はいつもの調子でそのおっちゃんという男と会話をしていた
向こうも寧夜の態度に慣れているようで、常連のように扱っていた
袋一杯にパンを入れ、その中から1つ、リツの食べていると同じクリームパンを取り出して頬張る
「あ〜 やっぱコレ甘いわぁ・・・ リツちゃんこれよく平気で食べるね」
「え! 美味しいですけど・・・不味いですか?」
「そーゆー意味じゃないけど・・・あ、和輝んたぁも食う?」
「俺貰って良い? 一番でかいフランスくれ」
「あいよ」
そう言いながら、清次郎にフランスパンを丸ごと手渡す
それを見ていたアクリは
「そ、そんなの食えるのか?」
「おお、楽勝楽勝 ・・・もしかして心配してくれたの?」
「ベ、別にそんなんじゃねえぞ!」
あからさまに目をそむけて反論する
―――――――――――――ツンデレ属性かっ!?
その光景を見ていた寧夜は真剣にこう思ったのだった
そして帰り道を歩く
「いや〜だからさ、あそこの小学校の子があまりにも可愛くって・・・えへ、写真一杯撮っちゃった」
「・・・・・・お前、よく捕まんないよな・・・」
「うふ、ロリコンのアンちゃんには言われたくなか」
「・・・どこの言葉だよ・・・」
和輝は寧夜の変態話につき合わさており、前には清次郎と天使2人が普通の楽しい話をしている
その光景を和輝は羨ましそうに眺めていた
「・・・やっぱリツちゃんと話したいのね?」
「は?」
寧夜の顔を見ると彼女は、口に手をあて「うふふ」と言いながらニヤニヤと笑っていた
その後和輝の方をポンと叩き、
「悪ぃ悪ぃ なんかもう、いとおしそうにリツちゃんを見ている和輝がいかにもキモくてねそれで・・・」
「お前はまた訳の分からん事を・・・」
拳を硬く握ってみせる和輝に「ご免ご免」と寧夜が即座に謝る
「じゃ、僕もう行くわ バイババーイ」
「お前、そっちじゃねえだろ?」
駆け足に走っていこうとする寧夜に和輝が問い掛けると、女の子らしい表情をして寧夜が振り返った
まるで、好きな人を待っているような顔をして―――――
そして、彼女の口が開き、和輝に答えを返す
「さっき言ってた子! 丁度この時間あっちの道通るんだ!」
顔をピンク色に染めながら、リツ達にも別れの挨拶をしながら、小走りで走っていった
「・・・・あの変態め」
額に血管を浮かばせながら、和輝は寧夜の背中を見送った