ロビーで 5人の会話
「ふ〜ん じゃあ、単に足を滑らして落ちてきたんだな?」
「お、おう 偶然落ちてきただけだ」
主に和輝とアクリが会話を進めていき、つまらなそうに話を聞いている清次郎と目を輝かせて聞いている寧夜と申し訳なさそうな顔をしているリツで話は進んでいっている
「じゃあお前ら帰れないのか?」
「さっきも言ったとおり、このバカのおかげで俺は行けてもこいつが行けん 追いてってやれっか・・・」
少し恥ずかしそうな顔で最後の言葉を小さく呟く
隣でニヤニヤしている清次郎には平手打ちを繰り出していたが
「他に帰れる方法は?」
「ちょっとした奴等が見に来るかもしれんが・・・奴等にそれ程の力は持っていない」
「使えない奴等だな」 「御もっとも」
訝しげな表情をしている和輝にリツが口を開き
「ああ! で、でもサンジェルマンさんが来るかもしれません!」
突然話し出したリツに目を向け和輝が問う
「誰だそれ?」
「上にいる唯一の男性です! 普段はあまり顔を出しませんが、とっても優しいんですよ!」
――――――――――こんなかわいい子を独り占めとはうザイ奴だ・・・
和輝のサンジェルマンへの好運度ダウン↓
そこにアクリも口をはさみ
「でも優しいのはほぼお前だけじゃねえか・・・ そりゃ他の子にも優しいが・・・なんか違う」
和輝のサンジェルマンへの好運度更にダウン↓
あまり良いイメージが湧かないそのサンジェルマンという男に和輝は苛立っていく
ソレを気にせずアクリは
「でも・・・約束とか決まり後と破った奴にゃ結構厳しいよな」
「そういえば・・・ この前もミントちゃんがあの人に連れて行かれて戻ってきた時、大泣きしてやつれてたもんね」
そこにさっきまで全然しゃべっていなかった清次郎が話しに混ざる
「じゃあお前ら・・・おしまいだな」
「いーーーーやーーーーーー!」
「バカッ! そんなこと言うなっ!」
いきなり泣き出したリツを見て和輝が清次郎の頭を叩く
リツの隣ではアクリが顔を青ざめて何かブツブツと呟いている
「あああ! 悪い悪い! 安心しろ! そんときゃ俺等が守ってやっさ!」
「・・・お前等なんかに・・・・あんな奴手におえるか・・・ハハハ」
アクリが青ざめたまま笑いながら涙を流している
「まあ、ソレはこれから考えることにしようや」
話をそらせようとする清次郎に寧夜もさっきまで閉じていた口を開く
「そーだよ 下にも怖いモンはいんだからさ ほら、結構前からこの辺うろついてる通り魔とか、目の前にだってマフィアがいるし・・・ 言っちゃお終いだけど、こんな女だって居るんだしさ・・・・」
それから思い出したのかまた口を開き
「学校にも居んじゃん あの眼鏡とか、中学の頃あれやこれやの噂の人とか・・・」
思い当たる節を他にもどんどんと話していく寧夜に4人の顔が青ざめていく
「そーだな・・・・ 危険なのは上だけじゃないんだよな・・・・・・・」
「こここ・・・・・怖いですね・・・・・」
青ざめた顔で呟いている和輝と涙を目にためて苦笑いをしているリツ他2名を気にせずに寧夜は淡々と言葉を紡いでいった