この出会いは永遠に
2週間後、俺は相変わらず剣術と魔法の修行に励んでいた。
しかし、一向に上達せず魔法は未だフレアしか使えず・・・・
自分は強くなれないのではないか?これ以上修行しても意味がないんじゃないか?
半ば修行することを俺は諦めていた・・・・
そんなことを思っていた時、近くにあった巨岩から声が聞こえた
「そんな修行してたら、一生うまくならないよっ」
その巨岩を見上げたら、そこに座っている女性がいた。
髪は黒主体で少し紫の色がかかっており、ロングヘアーで、目は真っ黒、肌の色は白肌。
全体的に簡潔に言えば美しい。
正直、こんなに美しい女性を見たのは初めてだ。
・・・・・てか、
初対面でその言いぐされ、ひどくない!?
「だったら・・・どんな修行すればいいんだよ?」
そう聞くと、その女性は巨岩から飛び降りた。その姿もとても美しかった。
「そうね・・・・・・どんな魔法が使えるの?
「そうだなぁ・・・・・・・はぁ~~~~!」
手に力を込め、近くにあった木に手を差し伸べる。
「フレア!」
そう唱えた瞬間、手から小さな、火の玉がでてきて、木にぶつかる。
木に火が燃え移る。しかしそれはすぐに消えた。
「どうだ!」
「どうだじゃないわよっ!!!」
十分後・・・・俺はまだ叱られていた。
「なんなのよあれ!?一体どんな修行してきたのよっ!」
「すいません・・・・」
なぜ俺は謝っている?
「あなた、どこまで魔法について知ってるの?」
疲れた顔で俺に問いかける女性。疲れた顔も美しかった。
「魔法には様々な種類がある?」
「わ、わかった・・・・この人は子供・・・・幼い子供・・・・何も知らない子供・・・・よしっ!」
暗い顔になったと思いきや、今度は明るい顔で
「じゃあ、今から魔法を一から教えます!」
「は、は~い」
一瞬鋭い目が俺に向けられていたような・・・・気のせいだろう。
「ごほん!まず、魔法には極性があります!わかりますねぇ」
「わかりません」
一瞬、女性の顔が引きつった。
「ごほん!極性とは、魔法の強弱を表します。
一番弱い魔法は第一極魔法。一番強い魔法は第六極魔法。
あなたの使っていた、フレア・・・・・いや、あれはファイヤね・・・・あれは第一極魔法。フレアは第2極魔法。」
「そして、魔法は分類される。つまり、ファイヤやフレアなどは炎魔法。ウォターなどの水攻撃系は水魔法。ヒールなどの傷を癒すのは治癒魔法。
何かを操る魔法や、攻撃、防御を特化させる魔法など・・・
他にもいろんな魔法がある!ユニークな魔法もあるわ!」
「それらを覚えるにはどうしたら?」
あれ、この質問めっちゃバカげてね?
「修行に決まっているでしょ!」
「ですよねぇ・・・・・」
「修行の仕方っての・・・教えてくれないか?」
「言われなくても教えるわよ」
や、優しい!
「修行の仕方一つ変えれば魔法なんて普通に使えるようになるわ!
まあ、使えるまで時間がかかるし、苦しくなるけどね・・・・」
時間がかかるのか・・・・苦しいのは別に構わないが・・・・時間を割くのはあまり好きではない。俺の言えたことではないが。
「それにあなた・・・・魔法の修行全然してないでしょ?」
「鋭い!!!」
「・・・・・口に出てるわよ」
その通りである。やろうと思っているだけで全然修行していない。
剣術の修行はめちゃくちゃしているが・・・
「まあ、これから頑張りましょっ」
や、優しい!
「そういえば、前友達と?木刀で一騎打ちしてたでしょ?あれを見て思ったんだけどさ」
「ああ、あれか。なんだ?」
「あなたを見て思ったんだけど、私は剣術に関してはあまり知らないんだけど・・・多分だけど、あの剣さばき、動き・・・・・達人レベルとは言えないけど、達人になるにはそう遠くないくらいうまい」
「あ、あ、ありがとう」
て、照れる・・・・・冗談きつすぎ・・・・・と思って彼女の顔を伺うと、本気の顔だった。
「あ!そうそう!もう一つ教えることがあった!」
いきなり閃いたように手をパンと叩き彼女は言った。
「なんだ?」
「自身の魔力の大きさは、その人の素質にもよるし、鍛錬してきた量にもよるけど」
風が吹き、彼女の髪はなびいていた。なびいている髪はとても綺麗だった。
「一番、自身の魔力に大きな力を与え、生き方に大きな影響を与えるといわれているもの・・・・それは・・・悟り。悟りの力。」