第6話 2次元からこんにちは
第6話です!
「タカちゃんなら似合うと思ってたけど…。ここまでとは…」
確かにタクトは黒髪短髪キャラなので割と俺の髪型と似ているかもしれない
けど、自分で言うのは悲しいが俺はあんなにイケメンじゃない
所詮2次元には敵わないのさ
「なんかタクトのセリフ言ってみてよ!はい、これ剣」
葉月から剣を渡されセリフをせがまれる
タクトのセリフと言ったら…
「俺は戦う。もう誰も悲しまないために」
真剣でどこか優しさを感じさせる表情
首にかけられたペンダントを強く握り胸に当てる
タクトがユリアを助け出しもう誰も悲しませないと誓うクライマックスの名シーン
俺はいつからこんなに演技派になったのだろう
「あんた天才だよ!」
葉月は感動で目に涙を滲ませていた
そんなに良かったのか俺の演技が
「泣かなくてもいいだろ…」
「いや、泣くさ!だって目の前にタクトがいて、あの名シーンが見れたんだもん!」
だから俺はタクトじゃないって
葉月はそんな俺はお構い無しで余韻に浸って一人で感動していた
「葉月はユリアの服着ないのか?せっかく持ってきたのに」
「おぉ!タカちゃんのせいですっかり忘れてたよ」
俺のせいってなんだよ
葉月のユリアか
是非とも見てみたいもんだ
「お前も着ろよ。俺だけじゃ不公平だ」
「あらあら、そんなにわたしのユリア姿が見たいのか~」
その通りだよバカ野郎
見たいよ
確実に可愛いだろうし
「俺は部屋の外で待ってるから。さっさと着替えろ」
「は~い」
俺は葉月を残し部屋を出る
待ってる時間というのは暇なものだ
暇で何もすることがなくなるとつい余計なことが頭をよぎる
仮にも好きな女の子と部屋に二人きりなのだ
こんな格好だし、全く意識されてないみたいだけど
今の今まで変な気が起きなかったほうが不思議なくらいだ
俺だって思春期男子なんだ
妄想の一つや二つくらいしたって構わないはずだ
そんな思いを巡らせている間に葉月の着替えは終わってしまったようだ
今いいとこだったのに…
「入るぞ~」
「どう…かな?」
そこにいたのはユリアそのもの
天使という表現が合うかもしれない
上品で美しく、何か神秘的なものを秘めている
姫、ユリアがそこには立っていた
「ユリア…」
「似合いすぎててユリアにしか見えない…」
「本当!?やったぁ!」
ユリア(葉月)が微笑みかけてくる
ユリアの微笑みはまるで天使のようだとアニメの中では言っているが、葉月を見ていると本当にそうなのだと心から思える
「タクト…あなたが来てくれるって信じてた」
この葉月のセリフが引き金となり俺にも妙なスイッチが入る
「ユリア…」
ここは二人のキスシーンのセリフだ
愛しそうに見つめ合う
だんだんと顔を近づき目を閉じる
あと少しで二人の唇が触れ合う
「高良ー!」
触れるか触れないかくらいのところで母親に呼ばれた
その声に驚き二人とも我に帰る
俺、今葉月とキスしそうに…
「わたし、今タカちゃんと…」
「ご、ごめん葉月!母さん呼んでるからちょっと行ってくるわ!」
気まづくて俺はその場を逃げ出した
バタバタと急いで階段を降りる
どうしちまったんだろ俺…
「どうしちゃったんだろ…わたし…」
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