第12話 要は普通の女の子
第12話です
話がなかなか進んでいないような…
「あ、あのっ…大丈夫ですか…?」
いつまでも動かないエリアに葉月が心配そうに問いかけた
身長のせいで自然と上目遣い+困り顔
そんな顔で覗きこまれちゃひと溜まりもない、男なら
「っ……そんな顔で見るなぁぁぁ!!」
…女にも効果絶大だったようだ
一方の葉月は頭に?をたくさん浮かべていた
「あのー…大丈夫ですか?」
俺がエリアに声をかけるとあぁと力のない返事が返ってきた
「よくも私をこんなにしてくれたな…ユリア!」
調子が戻ったご様子
と、思ったら振り返ったエリアの鼻からは鼻血が垂れていた
「エリア様から鼻血がっ!!」
「え?」
荷物の中から慌ててティッシュを取り出す葉月
エリアは自分が鼻血を出していたことに気づいていなかったようだ
原因は葉月…しかいないな
「どうして鼻血が…熱中症とか?人が密集してて熱いから」
「いや…ちが…」
「とにかく一回どこかで休みましょう!」
いつもながら自覚がまったくない葉月
エリアも苦笑しつつ葉月に会場の隅に連れて行かれた
ユリアに優しく誘導されるエリア
またも奇妙な光景
コスフェスならではというかなんというか
すれ違う人がみんなちょっとビックリしてるじゃないか
そりゃあんなの見ればそうなるよな
「ここで一回休みましょう」
「ありがとうございます…」
エリアももうキャラとか気にしてられなくなったみたいだ
鼻血出して休んでるときまでなりきってられないよなさすがに
葉月はこうやってる方がユリアっぽいかも知れないけど
もしかしたら、アニメのユリアもエリアが非常事態になったりしたら助けちゃったりするのかな…なんて思ったり
「もう大丈夫…ありがとう」
エリアは鼻血をきれいに拭き取り、ちゃんと美少女に戻っていた
それにしても、美少女が二人並ぶと絵になるなぁ…
そう思っていたのは俺だけではなかったらしく、カメラを持った人達がぞろぞろとやってくる
これじゃあ休憩もろくにできないじゃないか…
「写真いいですか?ユリアちゃんとエリア様のツーショットで!」
「えっと…あの…」
エリアも葉月もどう返答するべきか困っていた
さすがにもう少し休ませてあげないと…
「すいません。今、休憩中なんでよかったらまた後ででもいいですか?」
「あぁ、そうでしたか。では、また後で来ますね」
俺が断りを入れるとすんなり受け入れてくれた
いい人ばっかりで助かる
「ありがとう、タカちゃん!さっすがタクト!!」
葉月になんだか微妙な誉め方をされた
タクト…は俺のことでいんだよな?今は
「ありがとう…助かったわ」
エリアは俺に向かって優しく微笑んだ
やっぱり可愛いよなぁ
本物のエリアそっくりな状態で微笑まれると、また新鮮な感じだ
エリアが笑うというと不敵な笑みか高笑いだ
こんなに優しく微笑むことなんてまずない
そう考えるとこの子も普通の女の子なのだと改めて実感する
「どういたしまして」
俺もエリアに向かって微笑みを返した
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