第10話 リアルユリアとリアルタクト
第10話です!
ついに二桁になりました~
会場に入り、着替えを済ませると、葉月との待ち合わせ場所に向かった
待ち合わせ場所に近づくと、なにやら人だかりが見えてきた
辺りに葉月の姿はない
まさか…
「ユリアちゃん次目線こっちでお願いしまーす」
「はーい」
人だかりの中心にいたのは案の定、葉月だ
葉月はカメラに向かってノリノリでポーズを決めている
時には、周りの人の要望に答えて、決め台詞なんかを言ってみたりと大忙しの様子
まるでアイドルにでもなったかのような人気っぷりだ
まぁ、あんなリアルユリアがいたら撮りたくなる気持ちもわかるが
しかし、まだコスフェスが始まって30分ほど
葉月が着替えて出てきた時間を考えると、まだ10分ほどしか経っていない
そんな短時間でこれだけの人だかりができたのか…
「ユリアちゃん、こっちも写真いいですか?」
「喜んで!!」
「ユリアちゃん、祈りのポーズして貰ってもいいですか?」
「はーい」
葉月のサービス精神の旺盛さが余計に人を惹き付けるのだろう
葉月は言われた通りのポーズ、表情、台詞、全てを淡々とこなしていた
それも楽しそうに
たくさんの人に求められ、心から楽しんでいる
このときの葉月は今まで俺が見てきた中で一番輝いていた
人だかりへと近づいていくと葉月が俺に気づいたようだ
「タカちゃーん!こっちこっち!」
葉月が俺を呼ぶと、葉月に向けられていたたくさんの人の視線が一気に俺へと向けられる
「悪い。遅くな「タクトキターーーーー」
「え?」
俺が驚いている一瞬の間に、たくさんの人が俺に向かって走ってくる
あっという間に囲まれてしまった
先程までの葉月状態だ
「写真いいですか?」
「剣を構えて貰ってもいいですか?」
「あ、あぁ…はい」
急にたくさんの人に求められ、返事をするのがやっとだった
言われた通りに剣を体の前で構えて見せる
タクトのようにしっかりと両手で剣を握る
「ありがとうございます!!」
こんなに喜んでくれるんだ…
俺はただ言われた通りにポーズをとっただけなのに
こんなにも喜んでくれる人達がいるんだ
そう考えると何だか嬉しくなってきた
こんなにもたくさんの人に求められている
初めての体験だ
まるでスターにでもなったような気分になる
『俺を求めてくれる人達を喜ばせたい』
向けられるカメラね数が増えるにつれ、俺の頭の中はその思いでいっぱいになっていった
そのあともたくさんのシャッターが俺に向かってきられた
葉月とのツーショットを頼まれることも多かった
「タカちゃんもっとくっついて。今はユリアとタクトなんだから」
「お、おぅ…」
葉月と密着するようなポーズを頼まれることもあった
そのたびにドキドキしてしまう
それが葉月にバレないように
俺は必死にタクトになりきっていた
バレても大丈夫な気もするが…
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