A:Aの始末 終了
なんとなくBADENDな感じだったA編の別の終わり方を書いてみました。フレアしかでてこなったですが、これはこれでよかったと思っています。さて、次回はとうとう記念すべき第百回目!
十九、
行き着いた先、そこはきちんとしたフレアの世界だった。
「………ふぅ、戻ってこれたようだな」
「まぁ、零時さんにとってはそうなりますね。私だってそうなんですけど………」
俺はほっとしてその場にへたり込んだ。俺だけが冷や汗をかいていたところを見るとフレアは本当に俺のことを信じてくれていたのだろう。まったく、馬鹿な話だ。自分で自分を信用できないなんてな………
「零時さん、大丈夫ですか?やっぱり、ワープの魔法ってそんなに疲れるんですか?」
「ああ、結構疲れるぞ」
気苦労のほうでとは言わずに黙っておこう。せっかく戻ってこれたのだ、この世界にな………
「少し、お願いしたいことがあるんですけど……いいですか?」
へたり込んでいる俺の隣にフレアは座る。フレアはどこを見るでもなく、上空を見ているようだった。
「ああ、何だ?もう一度他の世界にいきたいとかぬかしたら逆さづりにしてやるぞ」
「いえ、そんなことは言いませんよ………以前、零時さんがこちらの世界にやってきてもとの世界に帰るときはちょっとした道具を使ったんです。ですけど、あの道具がもう壊れてしまって………今度は絶対に私が私自身の力で零時さんを元の世界に戻したいんです!だから、だから私が零時さんを戻せるようになるまでこの世界にいてくれませんか?」
「………」
俺は口を閉ざして亀のごとく黙っておくしかなかった。そしてふと、誰が出したかわからなかったあの手紙のことを思い出した。
「お願いします!この世界にいる間だけ、私だけを見てください!」
「…………」
そう、最後までその手紙を読んでいない俺は月並み言葉ながら私にとって………という部分がいまさらながら気になっていた。
「……フレア、お前にとって俺は何だ?」
たまらなくなって俺は自らその言葉を尋ねた。フレアは即座に答えることにしたらしい、口を開けて俺に告げる。
「私にとって零時さんは私が間違って召喚してしまった異世界の魔法使いです」
「………そうか」
「でも、今回もそうであるように、私は責任を持って零時さんをもとの世界に戻したい………そして、もっと、もっと零時さんに一緒にいてもらいたいし、わがままですけどもとの世界に還してしまった事を酷く後悔していました。だから、だから今度は後悔しないように零時さんと一緒にいたいんです!無くちゃならない人なんです!もう、体の一部なんですよぉ!!」
涙を流しながらそんなことを言う。むぅ、まったく、いつの間にフレアの中ではそこまで俺は崇高な存在になっていたんだ?
「………ふぅ、それなら一緒にいてやるよ。まさか、そこまでの存在になってるとは思わなかった」
「………ふぇ?」
「俺の中じゃフレア、お前は駄目な部分が多い奴だが………いつかはお前をすごい魔法使いにしてやるよ。だから、俺の弟子になってくれ!」
俺は頭を下げた。何故こんなことをしたのかわからないし、したかったのかもわからん。
「………勿論です」
フレアは顔を上げてそんなことを言ってくれた。だから、だから俺はありふれたことなのだがこれが一番あっているだろうという行動をとった。
「フレア、目、つぶってくれ」
「…………はい」
恥じらいながらも目をつぶったフレアの顔に俺は顔を近づけた。
そして―――
「痛いですよぉ!」
「ばーか、目つぶっても攻撃避けるぐらいにならなきゃすごい魔法使いにはなれないぞ」
俺はフレアのデコにデコピンをしてやったのだった。不意打ちを食らったフレアはしりもちをついておでこをさすっている。
俺はそんなフレアの手を掴んで立たせてやったのだった。
「すいません………けど、零時さんって空気読めませんよね?」
「………ああ、よめないねぇ〜ま、明日からしごいてやるからきちんと覚悟しとけよ?」
「………はいっ!!」
いずれ、もとの世界には戻ることが出来るだろう、だから、だからそれまでの間フレアをきちんとした魔法使いにしてやることが俺がやるべきことなのだろう。
明日から始まるであろう、フレアとの生活を俺は待ち遠しく思ったのだった。 〜END〜




