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客:最悪のレストランだね♪

さてまぁ、次でようやく十話目です。ここまでこれたのも皆さんのおかげです。評価してくださった方ありがとうございます。この小説を書く前にメッセージをくれた人、そして、この小説を見てくれた人に感謝します。これからもよろしくお願いしますね?

九、

 その採用試験を母さんはあっさりと承諾してくれた。理解のある・・・母親だな。目が金マークになってるぞ?そこまでしてお金が欲しいのだろうか?


「ま、しっかり働いてきなさいよ?勉学にも励んで、両立させるの!いやぁ、これで小遣いを与えなくて良くなったわ。いい、お金は計画的に使うのよ?」


 まぁ、本心は俺に対する嫌がらせだろうよ。ふん、それで別に構わんさ。

 その話を終えた後、俺は風呂に入って自分の部屋に上がった。今頃部屋ではセレネがソーラにその話をしているに違いない。まぁ、彼女なら承諾するだろうな。

 音質は悪そうだが、ちょっと立ち聞きしてみるか。犯罪ではないはずだ。


「・・・・わか・・・。ところで・・・瑞樹さ・・・時君の過・の・・。」


「嘘!あの・・・零・が!」


 音質悪くて何を言ってるかさっぱり分からんので入室させてもらうか。


「おーい、話はまとまったか?おい、二人とも何してるんだ?」


 セレネとソーラはそれぞれ・・・机の下とベッドの中に姿を消していた。おいおい、俺を化け物とでも思ってるのか?もしくは変質者?

 俺に気がついた二人は気まずそうに出てきた。


「あ、零時・・・もう話がついたんだ?どうだった?やっぱ、反対された?」


「いや、二つ返事で話は決まった。履歴書とかも用意されていたぞ?」


「・・・・そうですか・・・零時君はすでに魔法使いなんでレストランの従業員になるための裏の試験で受けてもらおうと思います。これには・・ちょっと手順がありますので覚えておいてくださいね?」


 俺はその後、二人にその試験の方法を教えてもらった。それは、実力試験(魔法を使い、店長を倒せばいいらしい。だが、時として変わるそうだ。)でどう考えてもウェイトレス(俺は因みに会計係らしい。)には関係ないだろうと思われる。


「じゃ、今日は明日に備えて早く寝ましょう?」


「そうだな。今日もいつもより無駄に疲れたからなぁ。ねじでも眺めたいな。」


「・・・・では、おやすみなさい。」


 誰かが魔法で大きくしてくれたベッドに三人で寝る。明日も早いからさっさと寝るか。夢の中ではガンダ○の整備士、もしくパイロットになりたいものだ。


「・・・って、なんで零時がこの部屋で寝るのよ?早くあっちで寝なさいよ!!」


 真っ暗になった部屋でセレネが大声をあげだした。うっさいな、タコ!!


「おい、うるさいぞ?大体ここは俺の部屋なんだから俺が寝たって構わないだろ?それに、ベッドは十分大きいんだから、場所は大丈夫だろう?」


「そういうことじゃなくて!何で私たちと零時がここで寝てるのよ?お馬鹿?」


 セレネは肩で息をしている。はて、俺は何か間違ったことをしたのだろうか?うぅむ、理解できんな。教えてもらいたいものだ。そして、誰がお馬鹿だって?


「なぁ、何でいけないんだ?あ、わかった!お前は寝相が悪いのか?」


「違う!私は寝相はいいほうなの!!やっぱりあんたは馬鹿よ!!」


 俺たちの話を聞いていて退屈していたのだろう。ソーラが助け舟を出してきた。


「・・・・零時君、悪いけど・・・あっちで寝よう?」


「ああ、やっぱりセレネは寝相が悪いんだな?うん、それじゃあ・・・あっちで寝るか?ソーラ?ちょっと埃っぽいかもしれないが、布団は綺麗だと思う。」


 俺とソーラが並んで隣の部屋の扉(過去に誰かのために準備されていたらしい。)を開けて中に入ろうとすると・・・セレネが大声で叫んできた。


「な、なんでソーラと零時が一緒に寝るのよ?それもおかしいでしょ!」


「?いや、だってお前が寝相が悪いんなら普通はセレネの事を考えて俺たちがあっちで寝たほうが良いんじゃないのか?お前、一人で寝るのは嫌なのか?」


「そうじゃないでしょ!大体、年頃の男と女が寝るのはおかしいことなの!!」


 暗がりなので分からないがよほど、怒っているのだろうな。その声には憤怒と驚き、その他もろもろが混ざっている。ちょっとばかり、悲しそうだ。

 俺の結論、これ以上・・・長引いてしまったら体力が持たん。


「一人で寝るのが怖いんだろ?ならやっぱ・・・」


「・・・零時君、先に寝てて。私がセレネに話をつけておくからさ・・・。」


「ソーラ、何を・・・」


 ソーラに押され、俺は部屋に入ってしまった。この部屋は防音対策されているらしく、中の音は外に漏れないし、外からの音も中には聞こえない。


「・・・何故セレネはあそこまで怒っているんだ?」


 俺は一人呟き、どうしたものだろうと窓から見える満月を眺める。一人、ロマンチックに浸るのもいいのだが・・・・まぁ、月明かりで部屋が幻想的になっているところなんてたまにはいいものだ。満月には騎士がいるかもしれん。冗談だ。

 一人でかっこいいことを考えていると、どうやらソーラが戻ってきたようだ。


「お、ソーラか?結局セレネは何で怒ってたかわかるか?」


「ただ単に、零時が信用できないだけよ。」


 入ってきたのはソーラではなく、不貞腐れたようなセレネであった。なにやら、服を着替えているようで、Yシャツだけを纏っているようだ。セレネはそのままこれまでほとんど使われることのなかったベッドに寝転がる。寒くないのか?


「・・・・・どう?何か感想は?」


「はぁ?何言ってんだ、セレネ?お前、やっぱりクビになったのがそんなにショックだったのか?頭の中のねじは足りているか?頭の中の整備不良か?」


 俺の返事に対してセレネはさらに不機嫌になったようだ。何故だ?


「零時、あんた私のこの格好を見てもなんとも思わないの?」


「ああ、確かに・・・Yシャツ一枚だな。・・・・寒そうだな?」


「そういうことじゃないでしょ!!」


 なんだ、こいつ?何をそんなに怒ってるのだろうか?俺が間違っているのか?


「ああ、もう!!良くも悪くも、ソーラの言うとおりだわ!!もう寝るわっ!!」


「まぁ、夜だから寝るのは当然だ。それと、やっぱりお前も疲れてるんだな。」


 俺もセレネの隣に寝転がり、目を閉じる。比較的、簡単に夢の世界へ俺は進行を開始。だが、俺の作戦、『夢の世界掌握作戦:指揮:剣山 零時』はあっけなく阻止されてしまった。

 阻止したのは近くにいた一人である。こちらを向いて恥ずかしそうにしている。


「・・ねぇ、何で零時は他の男と違うの?もしかして、女に興味がないとか?」


「はぁ?何言ってんだ、セレネは?俺だってドラ○ちゃんは好きだぞ?」


「いや、ロボットじゃなくてさ!!ソーラが言うにはどんなことをしても・・・振り向かないっていってたよ?本当に興味ないの?」


 む、そいつは失礼な思い込みだな。俺はちゃんとした目標というものを持っているぞ?大体だな、俺だってその昔はまともな神経をしていたと思うさ。


「ソーラが言ってたけどさ、中学一年までは普通に女の子と話してたっていってたけど本当?それに、中学のときの事件が問題でそうなったって・・・・」


「ああ、そうだな。それであってる。・・・その話はまた今度だ。俺はもう寝るからな。じゃ、おやすみ・・・もう、話しかけるなよ。」


 俺は耳を塞ぎ、相手に邪魔されないように・・・頭の中に広大な土地を買って何万頭という羊の群れを一匹一匹数え始めたのであった。そして俺は眠った。

 次の日、俺は朝日とともに目を覚ました。隣の部屋から不快な音が聞こえない。


「ああ、眠いな。まぁ、あの不快な音に起こされないだけましかもな。」


 目をこすりながら隣に寝ているセレネを起こそうとする。昨日怒られたからだ。


「・・・ちょっと寒そうだな。全く、そんな格好で寝るからだろうがよ。とりあえず、ソーラを起こしてくるか。ソーラならセレネを怒らせないだろうからな。」


 俺はソーラを起こしてきて、そのまま一階に降りていった。いつかのように二回からがたがたと音がしたのであった。そして、階段を誰かが落ちてくるような感じでどたばたと音がしている。はて、特殊部隊でも家に不法侵入したか?

 寝ぼけた頭でそんなことを考えていたら部屋の扉が勢いよく開いた。びびった。


「れ、零時!私に何かしなかった?その、具体的には表現できないけど・・・。」


「いや、起こそうとは考えたが・・・・俺が起こしたらなんとなく怒るだろうと思ったからやめておいたぞ?俺が起こしたほうが良かったか?」


 セレネの後ろにはソーラが立っている。はて、何か・・・・考えているようだ。


「・・・ほらね、零時君がセレネに何かするわけないよ。」


「な、何でソーラにそんなことが分かるのよ?」


「・・・・いつか、零時君と仲良くなって見て彼に聞くといい。」


「そんなことより、早くしないとおいて行っちまうぞ?今日なんだろ?」


 俺は無駄話に花を咲かせ、話し合っている二人に文句を言った。時間を守らないとだなぁ、色々と大変なことになるんだぞ?うん、俺はいいこといった!!


「俺ひとりで言っても意味ないんだし、セレネがいないとお話にもならないからな。」


「わかったわよ。」


「・・・わかりました。」


 今日はきちんと朝食が用意されていたのでそれぞれが自分の分と思しきものを前にして手を合わせて朝食が開始された。


「・・・零時君、昨日のセレネの格好はどうでしたか?」


「ああ、寒そうだったな。」


「・・・そうではなくて、可愛かったでしょうか?」


「いや、普通じゃないか?」


 こういった俺に対して・・・何と、セレネは未だに湯気が出ている熱々の味噌汁を俺に向かって掛けてきやがった!!まぁ、何とか避けれたがな・・・・。


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