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終わりは終わりでグダグダに!

今回で第二部であるこの物語も終わりです。ですが、御注文は?〜魔法使いで!〜は終わりません。良ければ第二部の感想をよろしくお願いしたいと思います。

最後の仕上げ 卒業式

 進学先の大学も決まり、卒業式がやってきた。


「・・・・ああ、今日でこの校舎ともお別れなんだな・・・」


 哀愁を漂わせながら俺は学校の門をくぐる・・・いつもと違うシリアス展開・・・


「いや、派手にいきましょう、零時様!」


 そんな声が後ろから聞こえてきて隣にあった校門が見事に破壊・・・破片が俺にぶち当たる。


「・・・メルナか・・・・」


 吹き出る血をものともせずに俺はあくまでシリアス展開を続けることを宣言する!さぁ、誰でもいいから俺にかかってきなさい!



「む、零時様・・・ケチャップがついてますよ?」

「ああ、まぁ・・・この校舎との付き合いも長かったからな・・・血の涙も流したくなるもんだ」

「くぅ、まともに返しましたね・・・でも、まだ負けません!」

 ふ、残念だが俺も負ける気はないね・・・

「はい、零時様・・・トマトジュースです」

「悪いな・・ちょうど、のどが渇いていたんだ・・・・」

 俺はそのトマトジュースを一気飲みした。メルナの表情はこわばっている。

「う、嘘です!零時様が・・・零時様がそんな・・・・いつもだったら『お、サンキュ!これで輸血が出来るぜ・・・』って言うのに!」

「・・・ああ、今の俺はもう燃えた後なのさ・・・」

「うう・・・『んなことするかぁ!』って普段だったら突っ込むのに!うわぁ〜ん!」

 危なく突っ込みそうになったのだが、俺は今、シリアスモードさ。

 去っていった初めの危機、メルナを見事に退けた俺は校庭へと進む。さて、そろそろ奴が出てくるに違いない・・・・

「お、零時・・・頭から血が出てるぞ、このハンカチで拭けよ」

 やってきたのはソルだ。ふむ、メルナと違って落ち着いて行動を開始したか・・・俺たちとあって冷静になり始めたな。

「おお、サンキュ・・・」

 手渡されたハンカチ(いまどき古いフロッピーディスク)をあえて何も言わずにそれで血をぬぐった。

「・・・・・・」

 ソルはそれに対して何かを求めているようなのだが・・・ふ、甘いな・・・

「ああ、きちんと洗って返すから大丈夫だ」

「ちくしょ〜こいつ、気づいているくせに無視する気だ!」

「ああ、気がついてるって、きちんと除菌もしておくからな・・・この学校との思い出は洗い流すことは出来ないけどな・・・・」

「くそ!徹底的にとぼける気だ!ちくしょ〜覚えてろよ!」

 二人目の刺客も見事に撃退完了。


 さぁて、お次は誰が来るだろうかと予想をしていると教室にて、先生がやってきた。

「・・・にょほ♪二人きりだね?」

「先生、そういえば校長先生が呼んでましたよ?」

「またまた〜そうやって嘘を・・・」

ぴんぽんぱんぽーん!

『八重先生、至急校長室へと向かってください。校長先生がお呼びです・・・』

「え、本当だったの!?」

 先生は俺に何か仕掛けようとする前にさようなら〜だった。ちなみにこの放送は放送委員と校長先生にお願いをして仕上げたものである。どのようにして校長先生を説き伏せたかというものは後ほど教えたいと思う。放送委員はお金を握らしたら

「まかせておけ!」と胸を叩いてくれたから良かったものだなぁ。

 さて、卒業式が開始されるまで後十分。あとはこのまま式を順調にこなしていき、そうすれば俺は完璧なる勝利をこの手に収めることが出来るのである。ほら、たまにはシリアス展開とかを期待している人もいるだろうから、そのための練習をしておかないとやばいからなぁ・・・


 式場である体育館に俺は八重先生と共に入場した。既に先生は涙ぐんでいる。校長先生には

「八重先生にこれを渡しておいてください。あの、恥ずかしいので名前は伏せてもらえるとうれしいんですけど・・・」といって時計をプレゼントしたのだ。

「うう・・・先生間違ってた。無理やりコメディーに持っていこうとする自分が悪いことに気がついたよ・・・感動だね?感動系を目指しているんだね?」

 教室に戻ってくるなり、そういって俺に謝ってくれたのだった。よかったよかった。

 式は厳かに始まり・・・

「兄さん!兄さん!ほら、私空飛べるんだよ!」

「・・・」

「兄さん?」

「ぐぅ〜」

「シリアス目指してるのに眠ってるよ・・・」

 雅が仕掛けてきても寝たふりをしてしのいだ。

「零時、よだれが垂れてるぞ・・・八重先生がハンカチをまわしてくれた」

「あ、すまん、瑞樹・・・・」

 手渡されたハンカチでよだれをぬぐう。決して寝ていたわけではない。これは“りありてぃ〜”を出すためにわざと垂れたよだれである。重ねて言うが、夢まで見ていたわけではないのだ。

「・・・って、瑞樹、お前は何で俺の隣にいるんだ?俺のクラスは俺一人だぞ?」

「まぁ、そう怒るなよ。寂しいだろうと思ってほかのみんなも君と同じクラスということで行こうじゃないか?」

「はっ、わかったよ・・・・」

 どうやら俺にはシリアス展開が似合っていないようだったのであきらめることにした。一同が俺の近くに座っているのだが・・・・二人の影を見ていなかった。

「え〜それでは、これで式典を終了したいと思います」

 きょろきょろしていた俺の耳に校長先生の言葉が入ってきて・・・

「零時、前を向いておきなよ?」

 隣からそんな声が聞こえてきたのでおとなしく前を見る。

「・・・・さて、ここで生徒代表のメルナさんから一言あるそうなので代わります」

「!」

 メルナが現れてなにやら手にスイッチを持っている。

「・・・え〜皆さん、ご卒業おめでとうございます。今回、この卒業にあたって、皆さんにプレゼントがあります。後十分で爆発するように校舎に爆発物を仕掛けてきました。命が惜しい人たちは今すぐ、校庭に出て逃げてくださいね♪」

 そういって真っ先に逃げ出すメルナ。言った本人がそんな行動をとり始めたもんだから卒業式どころではなくなってしまった。

「零時、ぼーっとしてるけど丸焼けになりたいのかい?きっと彼女たちが仕掛けた爆弾はすごいと思うけど?」

「いや、跡形すら残らないんじゃないのか?」

 そんなことを言いながら俺たちも外へと出て行く。


そして、十分後・・・・

「あれ?何も起こらないな?」

「あ、すいません、零時様・・・スイッチを押すのを忘れてました。これ、十分たったら自分で押さないと発火しないようなんで・・・」

「手動かよ!?」

「ていっ!」

カチッ!


 屋上が七色の光に光った。

「ん?誰かいる?」

「はい、双眼鏡です」

「あ、サンキュ・・・・」

 双眼鏡に飛び込んできたのは『着火係』という札をつけたソルの姿だった。そして、彼女は上空に向かって何かを発射した。


『卒業おめでとう!時柱れい時!!』


 俺はそれを見てなんとなく、そう、なんとなく突っ込みたかったのだが・・・・あえて何も言わないようにした。なぜなら、今回はシリアスに話をまとめようと思ったからだ。結局、いつもと同じようにグダグダになってしまったことを否めないのだが・・・・これも俺ららしくていいとしよう!  御注文は?〜機械と魔法使いで!〜


―――楽屋裏的な話――――

「さぁ、第二部が終わってしまいましたが・・・瑞樹、既に次の話の準備は出来ているのだろうね?」

「・・・いや、わかんないな零時。あとがきとかで色々いってたんだが結局、どうなったんだろうね?」

「やっぱりぐだぐだじゃんか?」

「次は予定的に師匠となって弟子を持つ話にしようかなぁと思ったらしいだが・・・まぁ、どっちかというと異世界にいくって話も捨てきれないらしいんだよねぇ・・・」

「いや、ほんとどうなるんだろ?」

「何か希望は?」

「そりゃ、あれだ・・・ロボットのパイロットになって戦う奴なんてどうだ?」

「既にそれは魔法使いじゃないからね♪・・・却下だよ」

「やっぱり駄目か・・・・」

「さて、今後どのような展開が予定されているのか僕たちも知りませんが、期待して待っていてください!」

「では、また今度!」




「・・・ところで、この楽屋裏的な話って続くの?」

「さぁ?要望あったらまたあるんじゃないのか?」

「ああ、なるほど・・・・」


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