ルートS LAST ある日の夕食
これにて、ルートS終了です。ルートSをごらんの方、ありがとうございました。
四、
「零時、夕食が出来たぞ」
「へ〜い」
ソルが俺を呼びにやってくる。今ではすっかりエプロン姿も板についてきている。
「今日は魚だ」
「・・・・・いらね」
それが見た目だけではなく、ソルの料理の腕前はコックさん並なのである。
「む、私が作ったものが食えないと?味は保障するぞ?」
「・・・・いや、それは知ってるんだが・・・というより、俺の嫌いなものぐらい知ってるだろ?」
俺がそういうとソルはにやりと笑いながら料理をわざわざ俺の元へと持ってきてくれる。
「ああ、知ってるさ。私が何年零時と一緒にいると思うんだ?それこそ、知らないものなんてないぞ?」
「ま、まぁ・・・お互い様なんだろうけどよ・・・・でも、魚なんてぜってぇ、くわねぇ!」
俺が魚を隣の第三の席に魚をよこす。
「「ただいま〜」」
「ほら、帰ってきちまったぞ〜零時、親父として子供の前では苦手なものも食べるべきじゃないのか?」
「く・・・それが狙いか・・・」
俺たちのところへ、泥だらけになって一人の男の子と一人の女の子がやってくる。
「ソル、先にこいつら風呂に入れたほうがいいんじゃないか?」
「そうだなぁ・・・よし、お前ら父ちゃんと風呂にはいって来い!」
「「は〜い」」
子供たちは先に風呂場へと向かう。
「零時、可愛いもんだな」
「そうだな、誰に似たんだろうか・・・まず、ソルじゃないだろうがな。きっと、あのけなげなところは大部分が俺に似たんだろうな」
ソルはちょっと考えて呟いた。
「・・・・そうか?」
「おいおい、冗談だ。あいつらの素直なところはお前に似たんだよ。素直でいい子・・・これからが楽しみじゃないか?」
俺はソルの肩に手を回してそう呟いた。
「・・・・手を回すのは構わないけどその裏で魚を子供たちの皿に入れるのはやめてくれよ?」
「・・・了解、俺は今後魚をきちんと食べますんで・・・」
「お父さん、まだ〜?」
「おうっ、今行く!」
俺はソルに右手を上げてその場を後にしたのだった。
俺は今・・・・いや、隣にソルがいたときから幸せだったのだろう。
〜END〜
さてさて、どうだったでしょうか?若干少なめな感じだったと思いますが綺麗におえることが出来たと自負しています。さて、次回はルートシリーズ最後の最後・・・ルートRの最後の話です。




