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ルートP LAST 愛とはなんだ? 

前回のルートPで言っておくのを忘れてました。今回の話でルートPは終了です。なんだかほかのルートと話が混同してきた!という人はもう一度ルートPを読み直していただくとわかるかと思います。

ルートPの三

 雑草に後ろ髪を引かれつつ、俺はやってきたお客様を迎えるために玄関の前に立つ。相手が押し売りだったり強盗だったら的外れもいいところを選んだものだな。


ぴんぽーん


「はいはい、今あけますからね」

 俺はドアノブに触れた・・・

ぼきっ

「・・・・・」

 ドアノブが音を立てて俺の手からすり落ちたのだった。ああ、そういや壊れてたんだったかな?


びんぼーん


 チャイムもどこかおかしくなったのか、濁音が混ざってなんだか貧乏な感じがしてきたのだった。まぁ、実際のところは貧乏なのでしょうがないな。

「ちょっとそこをどいてください。ドアノブが壊れたのでドアを押しますんで・・・・」

 片手をドアにつけて俺は思い切りドアを押した。ドアはぎーっと悲鳴をたてながらそのまま倒れたのだった。どうやらここにはもう住めそうに無いな・・・

「あ〜ドアが壊れたのは気にしないでどうぞ姿を見せて下さ・・・・」

 俺は固まった。外は吹雪が降っているから寒くて固まった・・・からではなく・・・・

「どなたでしょう?場所を間違えたんじゃないんですか?」

 そういわざるおえない相手がいたからだ。その女性はダークスーツを着ており、伊達メガネをしている。一言で言うならやり手の社長といったところだろうか?

 その女性はにこりと笑うと俺に手を差し伸べてきた。

「お久しぶりですね?」

「・・・失礼ながら・・・俺の知り合いに残念ながらあなたのような知り合いはいませんよ?人違いじゃないんですか?」

「むぅ、それはありません。あなたの名前は時柱零時でしょう?」

 驚いた、いつの間に俺はここまで有名になったのだろうか?

「・・・小学校の頃のお友達でしょうか?」

「違います」

 あれ?違うのか・・・

「・・・それなら幼稚園?」

「何でそっちのほうに行くんですか!大体、零時さんはまだ幼稚園の頃の友達を覚えているんですか!」

「・・・花組のときの隣の席の子はラーディッシュ・ブング―レ君だったかなぁ?」

「適当に言わないでください!」

 ちっ、押し通せると思ったんだが駄目だったか?しかし、この女性は誰だろう?

「・・・・パトリシアです。パトリシア・T・ロードウェルです!」

「あ〜パトリシアか・・・いや、知ってたよ、うん。俺は初めからお前のことをパトリシアとわかってたよ?ちょっと冗談を言っただけさ」

「・・・・その割には冷や汗が出てますけど?」

「こ、これはほら・・・寒いから・・」

 何故寒いのに汗が出るのか知らないが、とりあえず俺の体は特殊なんだ。一般的な人は暑いときに汗をかくけど俺は寒いときに汗が出るの♪

「ま、いいですけどね・・・・それより、何で家出なんてしたんですか?」

 睨むように俺を見てくるパトリシアに俺は

「やっぱりそう来たか・・・」と思ったのだった。

 俺はパトリシアの卒業式の日、家を出た。お金?お金なんてものは持たずにそのまま所持金でいけるところまでいって山暮らしさ。近所に住んでいる人には黙ってもらって俺は小さくてぼろいアパート勝手に根城にしているだけだ。勿論、黙ってもらうために色々と裏工作もしたもんだ。今の今まで、昔の知り合いに会うことは無かった。

「・・・・ちょっとやることがあってな。それで、パトリシアはこんな家出した男に何のようだ?見たところできる女社長に見えるんだが?」

「確かにそうですけど・・・・私のことより零時さんのことを先に教えてください!私、ずっとずっと、眠れなかった日もあったんです!あ、そんなに心配そうな顔しなくても今は眠れてますよ?」

 あ〜そうなんだ。不謹慎だが俺の存在もそんなもんなのね・・・・

「パトリシア、男にもてるようになったのか?」

「それは・・・あの時と一緒ですよ。何をしようと変わりません」

「そうか・・・そりゃよかった。せっかく作ったものが無駄にならなくてよかったぜ」

 俺は奥の部屋から一つのフラスコを持ってきた。なんだか科学者のような感じだが、大目に見てもらいたい。ちなみにこのフラスコは近くの学校に忍び込んで失敬してきたものだ。

「・・・・これは?」

 蛍光ピンクの中身をまじまじと眺めながらパトリシアはたずねてくる。

「・・・・これか?ああ、そういえば俺が家出した理由を教えてなかったな?これを作るためさ・・・合法でこれを作ることなんて出来ないし、どこかで作ってたら一発でばれちまう。馬鹿な考えだと思ったが・・・まぁ、それを飲めばお前は男にもてるようになるだろうよ。お前のように男にもてない美女に使用したところ効果はあったからな。さ、それもってここから出たほうがいいぜ?最近じゃ俺のこともばれてるみたいだし・・・」

 俺はそういってパトリシアの背中を押した。ようやく、肩の荷が下りたような気がする。俺は振り返らなかった。

「・・・・・じゃ、じゃあ・・・あの時約束したことは?」

「・・・さぁな?何のことか忘れちまった」

 とたんに背後から泣き声が聞こえてきたのだが、俺は振り返らない。

「・・・・わ、私のことを好きだって言ったじゃないですか!」

「・・・言った・・けど、今の俺に出来ることなんてそれぐらいなんだ。お前に迷惑をかけることなんて俺には出来ないんだよ・・・・わかって欲しいなんていわない・・・・」

 俺はそこまで言って黙った。これから、二度とパトリシアには会わないことにしたからだ。会えば決心はいずれ鈍ってしまうに違いない。

 涙をこらえている俺にパトリシアは同じように泣きながら聞いてきた。

「・・・・零時さん、この薬って作るの大変なんですよね?」

「ああ、試験的に作ったものもあげちまったからな、もう作れないんじゃないか・・・」



後ろのほうで何かが割れる音がした。



「・・・・・」

 俺は振り向くのが怖かった。流れていた涙も止まった。

「まさか!」という気持ちがあふれてきた。

「・・・・零時さん、私は・・・私はわがままなんです。昔はお嬢様で今は社長です。手に入れたいものはすべて手に入れてきましたが・・・・昔と今は違うんです。昔はお金の力で何でも手に入れましたが、それが出来ないことを知ったある日、私は出来る限り努力をして欲しいものを手に入れてきたんです。今だって、そうです。私が欲しいものはこんな薬じゃなくて、あなたなんです。これでも・・・・これでも駄目なら私はあなたをあきらめます!」

 俺はどうするべきだろうか?この数年間は何のためにあったんだろう?俺はこの責任を取ってもらうべく・・・

「・・・パトリシア!お前のせいだぞ!この数年間は何のためにあったんだ?」

 恥ずかしい顔を見られたくないので俺はパトリシアの手を一気に掴んだ。

「・・・零時さん?」

「ほら、今からデートに行くぞ!あ〜あ、まさかこんなことになるとは思わなかった!ったく、こんなことなら犯罪覚悟で手を出しときゃよかったかな?」

「それって・・・」

「お前は俺の彼女なんだろ?それならさっさと遊びにいくぞ!」

 顔を伏せたまま、俺はパトリシアと走り出す・・・・

「・・・ちょっと待って、零時さん!」

「?」

 立ち止まって俺はパトリシアのほうを見て・・・・

「実はね、割ったのは私の鏡なんだ♪」

 勝ち誇ったような顔のパトリシアに俺は固まった。俺の心を満たしていくものは別の感情だった。

「・・・・ほぉ、先輩をからかったのか・・・・別に年上を敬えなんていわないが、そんな嘘をつくなんて・・・・・」

「あ、そ、そんなに怒んないでほしいんだけど・・・・ええと、堅苦しいって思われてたかなぁ〜と思って冗談のわかる女になったんだけど?」

「問答無用じゃ〜!」

 チョップを振り落とすとき、パトリシアは目を瞑った。その仕草を可愛いと思ってしまった俺は・・・

「・・・ま、今回はでこぴんで許してやるよ」

 かる〜く、でこぴんをしたのだった。

「へ?」

「さ、行くぞ」

 俺は再びパトリシアの手をとって歩き出したのだった。

「あ〜お詫びの言葉を一言・・・」

「何だ?」



「零時さん、愛してます!」


〜END〜

ルートP、どうだったでしょうか?ルートPの感想をくれるとうれしいです。少々、短かった気がしますが、あまり長引かせると話がわからなくなってしまうと思って短くしてみました。読者の方にもパトリシアが好きな方がいるようで、うれしいですね。さて、次はルート零のラストを書く予定だったと思います。ルート零が好きだ!という人がいましたら感想などにかいてください。よろしくお願いします!

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