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第五章 日常と言う何とか。

新しい章です。どこが新しいかと聞かれたら困ります。

三十四、

 とある日の放課後、俺は久しぶりに一人で帰宅していた。他の三人は先生に呼び出されてしまった。(セレネ補習、ソーラ委員会、ノワル部活の事)俺は特に何も用事が無かったのでそのまま帰っていたのだがそれが問題だった。ちなみに俺の問題ではなく、あの三人の問題だった・・・・まぁ、防げるか否かと聞かれたら自信が無い。

 家に帰り着き、一人でベッドに寝転がっていると玄関の扉が開く音が聞こえてきたので誰かが帰ってきたようだったのだが、母さんはもうちょっと遅い時間帯に帰ってくるのでさしずめセレネたちだと思って一階に確かめに行ったのだが扉は開いていなかった。どうやら勘違いだったようだ。もしかしたら泥棒だったかもしれない。


「マスター、遊びに来ましたよ?どこにいるんですかぁ?トイレですか?ぶりぶり?」


 二階から今度はローザの声が聞こえてきた。なんとなく、下ネタだ。


「・・・・?」


 ローザはいつも二階の窓から侵入しており、玄関から来たことなど一度も無い。俺は思い過ごしだったとしてローザの相手をすべく、ローザの元へと向かったのであった。


「ローザ、お前も暇なんだな?毎日俺の家に来てるし・・・。」


「はい!マスターのためならたとえお使いを命じられていても暇を作りますよ。」


 ニコニコしながらそういうローザを見て俺はちょっとだけため息をついた。


「・・・ところで、あの三人組は今日はいないんですか?珍しいですね?」


 部屋をきょろきょろしながらローザは俺に尋ねてきた。


「ああ、今日は三人とも用事があるそうだ。そうだなぁ、まだ帰ってこないんじゃないかな?」


「ふーん、そうなんですか。」


 自分から聞いてきたくせにどうでもよさそうな感じでローザは呟いた。


「二人きりですね♪」


「ま、そうだな。でも、それがどうかしたか?」


「・・はぁ、もういいですよ。ところで私のほかにも誰かこの家にいたのですか?この家に侵入したときにセンサーに生体反応をマスターのほかにもう一人感じ取ったのですが?」


 やっぱり自分でも侵入したって自覚があるんだな・・・・それはいいとして、機械のローザがそういうのならやっぱりだれかいたのだろうか?


「今、この家の中にいるか?」


「・・・いないみたいです。既にこのエリア・・・マスターの家の中にはいませんね。」


 俺が持ってきたオレンジジュースを飲みながらそんなことを呟いた。ちょっと心配になった俺はローザに告げた。


「ちょっと気になるから外見てくる。」


「そうですか?まぁ、泥棒さんだったら確かに大変ですからね。私も同行しますよ。」


 こうして俺は形態移行したローザ(重武装)とともに階段を下りていったのであった。玄関付近でローザは砲撃姿勢をとり始めたのであった。


「・・・扉の前に何かがいます。」


「お客じゃないのか?」


「・・・わかりません。マスターがあけてお客さんじゃなければ撃ちます!!」


 そうしたらお客ではない者の前にいる俺も撃たれるのではないのだろうか・・・・そう思いながらもローザを信じて俺は扉を開けた。


「・・・・やぁっと出てきた!!零時、何度も扉を叩いたんだから出てきてもいいでしょ!」


 俺の目の前にいたのはセレネによく似た女の子であった。


「・・・ええと、君はもしかしてセレネの妹さんかな?」


 俺はそのこの目の視線にあわせ、尋ねる。


「ちがうよぉ!!」


「マスター、妹じゃなくて従姉妹ではないのでしょうか?もしくはセレネさんの隠し子とか?」


「・・・へぇ、そうなのか?」


「そ、そんなことあるわけ無いじゃない!!!私は・・・・」


「ええと、マスター・・・今の冗談だったんですけど・・・本当の事を言うとセレネさん本人です。」


「・・・・セレネ、お前牛乳を取らなくなったのか?牛乳の仕返しかもしれん。ちなみに言っておくが牛乳だけを飲んでも大きくならないんだぞ?カルシウムは骨を硬くしたりイライラを押さえたりするんだ。俺の知識では身長が伸びるとは聞かない。」


「うんちくはいいから、助けてよぉ!身長が急に小さくなったんだから歩きにくいの何の・・・・」


 俺はセレネをひょいと持ち上げてやった。


「これでいいか?」


「・・・・うん。」


 まるで借りてきた猫のように大人しなったセレネにローザは尋ねた。


「あの、どうしてそのような文字通り幼児体型になってしまったんですか?」


「・・・・ええとね、補習をうけてたらいきなり後ろから魔法をかけられて慌てて追いかけてたんだけどこの家の近くで見失ったのよ。」


「ふぅんそれで・・・・」


「まてーい!!」


 俺が何かを言おうとするとどこかで聞いたことのある誰かの声なのだがあまりろれつが回っていない声が聞こえてきた。ああ、ノワルの声に似てるな・・・。


「・・・今の声、ノワルにそっくりだったな?」


「・・・そうですね、どうやらこの付近にいるようです。」


 俺の家の前で黒い衣服を纏った女の子がこけた。だが、そのこは再び立ち上がって目に闘志を燃やしていた。


「くーっ!こけたぐらいで泣かないわ!!明日、待ってなさいよ!!」


 どう見たって涙を流している強がりそうで元気そうな少女は立ち上がらなかった。俺はセレネを下ろしてそのこに近づいた。


「・・・あ、零ちゃん!」


「・・・ノワルか?」


「さすが零ちゃん!小さくなっても私とわかるんだね?それはいいとして、悪いけど起こしてくれないかな?なんだか、体があんまり言うこと聞いてくれなくて・・・。」


 俺はとりあえずすりむけているノワルのひざ小僧を治療して立たせてやった。


「ふぅ、ありがとう。」


「ところで誰を追いかけてたんだ?」


「ええとね、部活してて先生を探しに行ってたら廊下の途中で不意打ち食らっちゃって・・」


 そこまでノワルが言うと今度は空から声が聞こえてきた。


「・・・・どうやら零時君は無事だったようですね。安心しました。」


 上にはかばんに乗って浮いているソーラがいた。ふよふよと降りてくるとちょうど俺と同じ目線のところでとまる。


「ああ、魔法で最初から飛べばよかったんだね。」


 ノワルもソーラを真似てもとの自分の身長ぐらいのところに飛び上がる。(セレネもやろうとしたが無理だったため俺が抱えてやることとなった。)とりあえず家の中に入り、緊急会議が行われた。


「ええ、議長をやらせてもらうのはこのソーラです。本日、私たちは学校に残っていたら襲われました。」


「誰に?」


「紫色の羽をもつ天使のような感じの奴です。どうやらセレネとノワルは背後からの奇襲だったようでしたが私のときはふと振り返ったときに顔が見えたので姿を見ることが出来ました。」


「ふぅん?それで、知り合いだったの?」


 ちなみに俺の知り合いに紫の羽を持つ天使のような奴は一人もいないことを言っておこう。


「いえ、学生服を着ていましたがこの学校のものではないようです。その後、私も小さくされてしまいました。無念です。」


 そういってソーラはため息をついた。他の二人も同様にため息をつく。


「ノワルが追いかけていたのは?」


「近所の犬。私にいたずらしようとしたから魔法で追いかけてたの・・・あれ?なんでみんながっくり来たような顔しているの?」


さてさて、今回の話はどうだったでしょうか?小さくなった三名の未来はいかに・・・・と、それはいいとして次回はいつもより次数が増えると思います。では、忙しいのでまた・・・・。

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