幽霊:ふ、他愛の無い青二才だな・・・。
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十五、
さて、良い子の皆はお化けって知ってるかなぁ?簡単に説明するけど、幽霊は人間で・・・お化けは妖怪の事を指すんだよ。じゃ、人影のようなものはどっちに入ると思う?俺としてはどっちでもいいんだけどね。似たようなもんだし。
「れ、零ちゃん・・・あれって・・・何?ま、まさか・・・」
「さ、さぁな?お前のお友達じゃないのか?俺には黒いフードを被っているように見えるぞ?魔法使いか?」
そう、俺たちの前に姿を現したのは黒い・・・フードを被っているように見える幽霊だかお化けだか知らないが・・・そのどっちかだ。雨が散々降っているのではっきりと姿を確認することは出来ない。だが、その腕に持つものだけは確認できる。光り輝いていてその部分だけは明るい。
「おいおい、近頃のお化けは人を呪い殺すだけじゃ飽き足らず、惨殺趣味でも出来たのか?」
「し、知らないよ!!」
そのお化けが手に持っていたものは長く、鋭い・・・幅広の細剣だった。そして、その顔がついにこちらを向き始めた。どきどきするね、この感触・・・・。
「・・・なぁ、魔法ってあの化け物に通用すると思うか?」
「ふぇ?れ、零ちゃんまさか・・・やめときなよ!この学校に伝わってる噂、知らないの?七不思議のひとつなんだよ!!」
そんなもの、俺が知るわけ無いだろう・・・部活動にも何も入っていないから、先輩とかと話していないのだ。これまでひとりで学校生活をほとんど送ってこれたし、先輩友達は必要ないと思っていたからだ。べ、別に友達が出来ないってわけじゃないぞ!!俺の趣味に理解を示す奴が一人もいなかっただけだ。
「その噂、後で聞かせてくれ。今聞いても笑い飛ばせる自信が無い!じゃあな!」
「ちょ、零ちゃん!!おばか?」
先日、ソーラから教えてもらった方法で剣を作成!俺の今の気分はブルーなので水で構成されている。まぁ、これだけ雨がふっていれば俺のイメージだけでなく、簡単に作ることが出来るわけなのだが・・・・。基本的に固めるだけ。
「アァァァアァァアァ!!」
「ま、マジでこえぇぇぇ!」
虚無感漂うその目つきに心底ビビリながら俺は一歩一歩を踏み出して一刀両断にしてみた。その化け物を・・・・あっさりと・・・。
「ァァァァァァァ!!」
「うわぁぁぁ!!まじこえぇぇぇ!!」
剣の重さはほとんど無い。重さはきっと、ひよこ三匹分ってところか?まぁ、それだったら軽くていいがな。
「零ちゃん!後ろ!!」
「ァァァァァァァ!!」
落とされた剣を無様に避けて俺は近くにしりもちをついてそのまま相手に剣を突き立てる。くそ、こいつには何が有効なんだ?お経か?不意打ちはだめだな。
「そして、いつから・・・ホラーになったんだ?」
「零ちゃん、今助けるよ!!」
そういってノワルは鍔迫り合いを行っている俺と化け物(一方的に俺が押されている。)に圧縮されて威力を増している高密度の雷をぶつけた。
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」
「ご、御免!!」
その一撃は見事俺に直撃。盾を作るのが遅かったため・・・からだが感電したような感じを受ける。だが、これで・・・相手も多少のダメージは追ったはずだ。
気がついたら空は明るくなっており、雨なんてどこにも振っていなかった。濡れいているはずの俺たちの服もどこにも雨の後など残っておらず。これは・・・学校の七不思議って奴なのだろうな。学校で死ななくてよかった。
「ふぅ、零ちゃん・・・大丈夫?」
「あ、ああ・・・ところで、さっきの奴は何なんだ?あいつ、かなり強いぞ?そもそも、化け物なら・・・俺たちをさっさと呪い殺しているだろうからな。どうやら、仮面をつけてボイスチェンジャーまでしているようだったから、ただの化け物じゃないと思うぞ?だけど・・・斬っても手ごたえ無いからなぁ。」
不思議な化け物だった。それに剣は・・・心なしか、黄金に輝きを放っていたような感じがする。単なる怨霊じゃなさそうだ。
「実はね、この高校に言い伝えられていることなんだけど・・・・満月の日・・・あ、これは満月が出ている間じゃなくて、お昼でもいいだけど・・・・屋上で暗い雰囲気を出しているとさっきの化け物が姿を現すんだって。」
「へぇ、それで?その後はそのお化けに憑かれたりするのか?」
その答えにノワルは首をぶんぶん振った。どうやら違うようだ。
「その場で逃げることなく・・・生き残ったら何もしてこないそうだよ。何でも、ここの生徒だった人がそうなったんだって。その人自体も幽霊に憑かれていたって先輩が言ってたよ。あ、結構前の話らしいよ。」
「ふぅん?その人も呪われてそうなったのかな?まぁ、いいや。そろそろ・・・教室に戻ったほうがいいじゃないのか?時間だろ?」
そこまでたっていないと思われていた時間は既にお昼休みを終わらせるチャイムがなる数分前だった。高校生は常に時間をチェックせねばならないのさ。
「あ、そうだね。で・・・さっきの怪談の名前なんだけど、教えて欲しい?」
「ああ、念のために聞いておこう。」
「えっとね、確か『満月の時雨』だったかな?この学校にも他にいくつか怪談があるんだってさ。今度、一緒に肝試ししよう?」
俺は別に構わないが…と言おうとしたら再びノワルが口を開いた。目を見せないようにして俺を見ている。
「・・・ねぇ、零ちゃん・・・私、セレネのチームに入るのに条件があるんだ。」
「ん?何だ?」
そう尋ねたが、ノワルは黙ったままだ。そして、昼休みを終わらせるチャイムがその場に鳴り響く。そして、暗くなる雰囲気を感じたのか・・・・空が曇ってきている。まさかとは思うが・・・・さっきの化け物がもう一度姿を現そうとしているのだろうか?
「・・・零ちゃん家に私も住んでいい?勿論、下宿代はきちんと払うからさ?駄目かな?」
「・・・ああ、俺が別に構わないが?一応、母さんに聞いておくぞ。良かったら連絡するから、連絡先を教えてくれないか?」
「うん、いいよ・・・・私の番号はね・・・・」
気のせいか、俺の後ろに誰かいるような気がする。そして・・・その人物は俺たちを穴が開くような感じで見ている気がする・・・・ここで振り返ってしまえば何かが再び起きそうだ。俺は耐えられなくなってノワルを押し倒すような感じで扉を閉めて校内の階段の踊り場にノワルと二人でその場に伏せたのであった。
「ど、どうしちゃったの、零ちゃん!」
「いる、奴が・・・出てきたんだよ。とりあえず、教室に戻ろう。」
こうして俺は自分の学校の怪談を一つ知り、いつもより恐怖感を多く手に入れてその場を顔を真っ赤にしたノワルとともに後にしたのだった。勿論、授業を遅れて出席したのでノワルとそろって放課後、罰を受けることになったのだが・・・・そこで、ノワルとともに罰である補修を受けているとノワルが話しかけてきた。
「で、あの黒い影・・・なんだと思う?」
「うぅん、正直、わかんないなぁ?俺たちに敵意を向けているような感じを受けなかったし、只者じゃないってのは分かったけど・・・今日の夜、確かめに行ってみるか?」
「そうだね!!勿論、二人で行くんだよね?」
そのノワルの提案に俺はちょっと考えたのだが・・・考えていた途中で先生に再び怒られてしまい、家に帰れるようになったのは既に満月がお空にぽっかり浮かんでいる状態であったのだった。
補習室から二人して出てくると・・・・校内には一人も残っていなかった。かろうじて、校庭から人の姿がちらほらと確認できる。
「零ちゃん、他の怪談も教えてあげようか?この学校には七つあってね、さっきのが一つだね。」
俺は思うのだが、どこの学校にも確かに、七不思議はあるだろうな。だが、高校にもあるものだろうか?トイレの○○さんだとか二宮金次郎の像が動くとか・・そういうのはどうかと思うぞ?それに、深夜の学校に行ったら誰もいないはずの音楽室からピアノを弾く音が聞こえるとか・・・全部数えたら七つ超えているのではないかと思うぞ?
「なぁ、七つ目って何だ?」
「え?七つ目は知らないよ。七つ目知ったら幽霊に連れて行かれるって放し知らないの?」
俺は前々から思っていたのだが、それ自体が七つ目なのではないだろうか?そして、何故・・・俺はこのような話をしながら怪談スポットに行かなくてはいけないのだろうかと、目の前(既に屋上の扉)を気にしながら思うのだった。
「じゃ、開けるぞ?覚悟はいいな?」
「う、うん!!」
ガチャリ!!
ドアノブをひねってみたが、開かない。内に引くタイプの扉なのだが、一向に開かない。外から嗅ぎでもかかっているのかと思ったが、それは無いだろうな。第一、この扉に鍵はかけられないはずだ。
「・・・・ねぇ、屋上から何か聞こえない?」
「あ、ああ・・・何か聞こえてくるな。」
『・・・・・ドーナツ!ドーナツ!ドォーナッッツ!!』
「・・・・ノワル、帰ろうか?」
「そ、そうだね・・・・それが一番だと私も思うよ。ええとね、零ちゃん・・・今日ここに行ったことは二人だけの秘密だよ?じゃ、帰ろう、手をつないでさ?」
あ〜二章は比較的に短いのでそろそろ終わりが近付いてきました。早いですね・・・・。まぁ、それは置いといて、お化けっぽいものが出てきてしまったのはまぁ、ご愛嬌。読み直してみるとめちゃくちゃホラーな話になっていました。慌てて書き直しましたが・・・・。とりあえず怖いところは特に無いですね。これからもよろしくお願いします。




