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青谷サイド エピソード1

 中村 哲太が殺された事件により、捜査本部が結成された。会議室の席には警察官が押し入っている。会議室の一番右の前の席に、二十七歳の若き警部補――青谷 辰哉は座った。

(さて、と。忙しくなりそうだぜ)

 今回起こったのは凄惨な殺人事件だ。被害者の遺体を生で見たが、骨と血と魔法痕しか残っていないとは、目も当てられない。心なしか会議室は剣呑とした雰囲気に包まれている。上座に署長、本部の課長が揃った所で、捜査一課の課長がマイクをとった。

「捜査一課の川村だ。これより会議を始める。まずは科捜研、報告を頼む」

 科捜研の三村は報告書を手にとり、報告を始める。

「被害者は腕と足以外の骨と多量の血を残して亡くなっています。腕と足には赤い魔法痕が残っていることから、魔法による攻撃によって切断されたものと考えられます。残虐な殺し方をすることから、犯人は被害者に対して強い嗜虐性、あるいは恨みが現れています。

また、肉体が綺麗に無くなっていることは、クリーチャーによる被害を受けたものと見て間違いないです。実際、今までのクリーチャーの被害者は、骨以外の肉を綺麗に食べられる傾向があります。今回の被害者は魔法使いによる攻撃、及びクリーチャーに襲われ亡くなったものと考えられます。どちらが直接の死因なのかは、今の段階では断言出来ないです」

 魔法使いによる攻撃を受けた後にクリーチャーに食べられたのか、クリーチャーに食べられた後、魔法使いによる攻撃を受けたのか。

 普通に考えれば、前者だろう。後者は動機が想像つかない、という消去法だ。奴らが死体を食べるのかどうかは不明だが、そもそもなにかと正体が不明な連中なのだ。その辺りの理由を考えても仕方がないだろう。

 科捜研の三村が座ると、進行の川村が再び口を開いた。

「魔法連盟に問い合わせ、赤い魔法を使える者の名簿を提出してもらった。しかし魔法を使えるにも関わらず、国が推薦している報告義務を無視するアウトローは多い。とりわけこのような犯罪を行う者はその傾向が強い。が、この線での調査は当然、捨てられない。名簿を元にした聞き込みも今回は行うこととする。

また、捜査メンバーには腕に覚えのある魔法使いを導入している。あまり考えたくはない事態だが、有事の際は犯人との魔法戦も考えられる。その時は魔法使いに前線を任せ、互いに連携をし、ホシ(犯人のこと)の逮捕に努めてもらいたい」

 警察官の中には魔法使いが何人かいる。魔法関連の事件、クリーチャーの対処などは魔法使いの警察官に処理を任される。青谷も魔法を使える警察官の一人だ。

「では、次」

 川村の言葉を受け、鑑識の課長である右田が立ち上がる。

「鑑識から報告を。現場には被害者のものと思われる私物が散乱しており、免許証などから身元が判明しました。被害者は中村 哲太、四十九歳、独身。遺伝子の研究を行っている研究員です。犯罪歴はなし。金銭の類がとられている形跡はなく、物取りの線はないと思われます」

 加害者側の痕跡に関してはこれといった情報を挙げられなかったようだが、赤い魔術痕がある時点で、大きな手掛かりが残っているといえる。魔法使いは全体で一割程度。その中で赤色の魔法を使う者。これだけでも、かなりの人数が絞り込めるだろう。

 魔力の色、魔術痕は五つあるといわれている。赤、青、緑、黒、そして白だ。色によってなにか特性がある、というわけではない。あくまでもその魔力の見た目であり、個性に関しては術者によって分かれる。

例えば、氷を操る魔術師だから青色の魔力になる、というわけではない。黒い氷を操る者もいるし、赤い氷を操る者もいる。

「聞き込み、丹治」

 捜査一課の丹治が立ち上がった。

「捜査一課です。発見者は複数、第一発見者は近隣住民とします。昨晩から大きな物音が聞こえ、廃墟の駐車場から赤い血が見えたことから、近隣住民が不安から通報しております。男の悲鳴と獣のうなり声のようなものを聞いたとのことです。周辺で不審者の目撃情報はこれといってなく、それまで近隣で変わったことはなかったようです」

 捜査報告が一通り出た後、司会の川村を中心に今後の捜査方針が立てられる。

 鑑識、科捜研など各々の方針が決まっていく。青谷は刑事課であるため、聞き込みを担当することとなる。ざっと上げるだけでもやらなければならないことは多い。職場への聞き込み、被害者の交友関係、そして赤い魔力を持つ、魔法使いへの聞き込み……。決定的な証拠が挙がっていない現状、一つずつ可能性を潰していくことで、犯人検挙に努めなければならない。



 会議が終わり、警察官は各々の持ち場へと戻っていく。青谷は職場への聞き込みを行うことになった。

 だが、その前にやらなければいけないことがあって――。

「青谷警部捕! 挨拶が遅れました! 本日づけで、警視庁捜査一課、青谷班へ配属になりました、如月 明奈巡査です! よろしくお願いします!」

 わざわざこちらの席にまで駆け寄り、ビシッ! と敬礼をする如月。生真面目さがにじみ出ている。だが、その様子を見た警視庁捜査一課の警部、丹治が「おいおい、青谷警部捕。会議室でナンパかい? 優秀な出世頭様は出世も早ければ、手も早いんだな」などと、嫌みを口にした。警察官は手柄の取り合い、出世争いといったものが避けられない。青谷は丹治より二十も歳が若いのに、もう一個下の階級にまで上り詰め、自身の班を持っている。ようするに手強い競争相手、ライバルなのだ。嫌な言い方をすると生意気な後輩、といったところか。なので、小競り合いは挨拶のようなもの。この程度の冷やかしは慣れていた。

 それにナンパと言われるのも、わからないわけでもない。

 というのも、実はこの如月という女性。齢十九歳という若手刑事なのだ。見た目も可愛らしく、歳のいった社会人が集まる職場から見れば、キャピキャピしたギャルみたいなものである。というかオッサンから見れば十九歳なんて、若手を通り越して「子供」として扱われてしまうだろう。

 この年頃で警視庁の捜査一課に加わるのは異例のことだ。ましてや現場へ出る捜査一課ともなれば尚更。しかも不思議なことにこの少女、なにか大きな手柄を上げたとか、本部へ出世する人脈があるわけでもない。キャリアと準キャリアはいきなり上の階級からスタートするが、彼女はノンキャリアだ。つまり経歴で上がったわけでもない。仮にキャリアか準キャリアだとしても、その手合いの人材は現場へ出ることは原則、あまりない。つまり、この年で異例のスピード出世した、謎の多い女の子なのだ。ちなみに青谷が捜査一課へ加わったのは二十三の時。出世頭などと冷やかされた彼と比べても、四年も早い計算になる。優秀を通り越して不気味だ。

 そんな正体不明な期待(?)の少女が、今日から部下。

 しかも殺人事件が起きたという、忙しい時に。

(やれやれ。こんな時に新人のお守り、か)

 内心でそう毒づきながらも、こればかりは上が決めたことだ。仕方がない。それに謎が多かろうと、今日から彼女は仲間なのだ。このタイミングで新人の面倒を見るのはキツイが、無碍には出来ない。

「ああ、よろしく。面倒を見るように、と無茶ぶりをされている」

 やや皮肉な言葉をしたが、彼女には通じなかったようで「未熟者ですが、頑張ります! それと、ナンパではありません!」などと、無視すればいいのに、丹治の皮肉の方に反応を示した。これは洗礼を受けるぞ、と青谷は内心で肩をすくめた。

「こいつ、独身だからなあ。良いケツをしている女を見たら、今日にでもホテルへ連れていかれるぞ?」

 案の定、丹治はあっけからんとそんなことを言った。男女平等が世界的に掲げられているこのご時世、録音でもしたら一発でセクハラ認定、訴えることが出来るだろう。しかしそんな強かさはまだ彼女にはないようで「ほほほ、ホテル⁉」などと顔を真っ赤にし、少女らしい初心な反応を見せた。やはりまだ子供だ。先が思いやられる。そして丹治も丹治だ。おそらく今の彼女ならセクハラしても、どうせロクな反撃はしてこない、と舐めてかかっているのだろう。完全に見下している。そしてその目論見は的中し、彼女はなにも言い返すことは出来なかった。

「ま、避妊はちゃんとすることだ。中出しセックスはやめろよ、会議室が精子臭くなったら敵わねえからな」

 丹治はそんなことを言いながら、その場を無責任に離れる。青谷はため息をついた。よくもまあ初対面の女の子に向けて中出しだの、精子だのと言えるものだ。

「相手にするな、如月巡査。この程度のセクハラでいちいち顔を真っ赤にしていたら、焼きリンゴにでもなっちまうぜ」

「そ、そうですか……焼きリンゴ???」

 ユニーク(?)な冗談に如月は目を丸くした。これは青谷が悪い。彼はアメリカのハードボイルド小説の主人公「フィリップ・マーロウ」に感化されているところがあるため、時々そのテイストをまねた喋り方をすることがある。が、あの独特な雰囲気を出せるはずもなく、毎回微妙な感じになっているのだが、本人は気づいていない。

「丹治警部はなにかとオレに突っかかるんだ。そしてそれは、オレの班員も例外ではない。小競り合いには慣れることだ。挨拶みたいなもの、みんな経験するぜ」

「なるほど! これが刑事ドラマなどで聞く、縄張り争いというものなんですねっ!」

 目をキラキラと輝かせる如月。

 まるで純粋な妹を持った気分になる。可愛らしい女の子だ。が、これから二人は仲良くラブコメをするわけではない。殺人事件の調査。命が一つ失われた、責任のある仕事をするのだ。青谷は厳然と、彼女を女の子としてではなく、一人の警察官として扱わなければならない。

「ま、そんなところだ。それよりも、オレ達も早く行くぞ」

「は、はいっ。あの、ところで、わたしはなにをすればよろしいのですか……?」

「今回の事件は、オレとお前で組んで聞き込みをする。班員への挨拶はその後だ。おい、立ち止まるな。話は歩きながらでも出来るぜ」

「は、はい! すいません!」

 せかせかと早歩きをする青谷に、如月は慌てて追随をした。



 仕事の区分けは出来ていた。青谷班は被害者の職場と赤い魔力の魔法使いを片っ端から当たること。そして丹治の班は近隣住民と交友関係の洗い出しになった。

 昼の十二時。青谷と如月は研究所へと向かう。都内にあるその研究所は、三階建ての長く真っ白な建物だ。閉じた門の前にいる警備員に、車内から警察手帳を見せ、中に入る。かなり広い場所で、駐車場は車が百台以上は止められそうな場所であった。来客用のエリアへと車を走らせ、停車。職員用のエリアはほとんど車で埋められており、ここの従業員数は少なくともざっと五、六十人以上はいるものだろう。

 近年、魔術は遺伝が影響しているという一説がささやかれているが、その具体的な断定には至れていない。あくまでも統計上の問題で、魔法使いは遺伝の可能性が高い、と言われているだけなのだ。そもそも魔術で起こす現象事態が科学で解明不能のため、研究を進めるのは無駄なのではないか、という意見も上がっている。

 研究所へ青谷と如月は車を降り、入っていった。受付を済ませ、中村と仕事の絡みのある人物から洗い出していった。

 まずは、一人目。中村と同じ分野で研究をしていた、同僚の乾という男からだ。九人くらいが定員の小さな会議室を借り、机を一つ挟み、向かい合わせで話合った。彼がどういった人物なのか、仕事ではどういった立場であったか、と聞くと彼は粛然とその質問に答えた。

「中村は……そうですね、ぱっと見はいい加減そうな奴ですし、実際、私生活はそういうところがある男なんですけど。仕事は、研究に対しては真摯に取り組む奴でした。まあ、こういう仕事に就く人って、みんな好きでやっているから、真摯で熱心なのは当たり前なんですけどね」

 中村は職場では当たり障りなく人と接し、研究に没頭する人物であったそうだ。仲の悪い者がいるだとか、なにか恨みを買うようなことはしない、というのが同僚の乾の印象のようである。

 いい加減なところがある、というのはプライベートのことのようだが、正直、他愛のないことであった。風呂嫌いのせいで匂うことがある、などといったよくあるずぼらな性格、程度のものだ。事件性を彷彿とさせるものではない。どこかに借金があるだとか、酒癖とか女癖が悪いだとか、そういう類のものが一切出てこなかった。怨恨の線などは浮かび上がらず、有益な情報が出そうにない。今のところは、ずぼらなだけの勤勉なエリート研究員、といったところだろうか。

 このままでは、ただの世間話で終わってしまう。なんでもいいから、なにか一つ手掛かりになる情報を手にしなくては。

「なにかここ最近、変わったことなど、気になっていることはないでしょうか? 些細なことで結構です、なにかありませんか?」

青谷の質問に、中村は眉を顰めた。

「どうしました?」

「あ、いえ、その……」

「なにか言いづらいことでしょうか?」

「まあ、はい、そうですね」

「捜査のため、なんとか話していただけるでしょうか」

「その、ですね……残念ながら最近のことじゃなくて、昔の話。若い頃、なんですけどね。変な宗教にハマっていたんじゃないかって、そう思える時期がありまして」

「宗教、ですか。具体的にいつ頃のことで?」

「二十年以上前のことだったかなあ。まだ大学院を出て学士を得たばかりの、研究者になりたての頃の話ですよ。一緒に酒を飲みに行った時です。酔った勢いなのか、なんかあいつ、この世界には神様がいるんだー、俺は神様を見たんだー、とか言い出して。挙句の果てには、「神様の家族」を作るだなんて、言い出して」

「神様の家族を作る、ですか」

 酔っ払いが勢いで口走るにしては具体的で、妙なキーワードだ。

「それだけだったら、まあまだ酔っただけなのかな、と思うんですけど。ちょうどその時期のあいつは付き合いが悪かったし、研究所にも顔を出さない時があったんですよね。表面上はいつものあいつと変わらなかったんですけど……長い付き合いだからですかね、私の目には、どこかいつもと様子が違っていた時期のように思えるんですよ」

「なるほど。それで、宗教にハマっていたんじゃないかと?」

「そうです、そうです。付き合いが悪かったり、研究所に顔を出さないのは、その分の時間を宗教のミサかなにかに使っていたんじゃないかなーって」

横をちらりと見ると、如月が熱心にカリカリとメモをとっている。要点だけ書けばいいものを、わざわざ全部書いているのだろう。もちろん、最初から期待していないので、メモがめちゃくちゃでもなにも支障はない。彼女はまだまだこれからだ。聞き込みは場数をこなして、慣れていけばいい。

「その宗教での友人や知り合いなどに、心当たりは?」

「それが全くないんですよ。宗教にハマっていたってこと自体、私の予想でしかないですし。それに研究所や大学以外での交友関係は、知らないので」

 現状、その話と事件を結びつけるのは困難だろう。その後は念のため乾のアリバイを聞き、次の人物の面会へと移った。

 しかしどの研究員も事件に関係しそうな話を聞くことは出来なかった。どの人間も同じような情報しか引き出せない。

 結論から言うと、有益なネタを見つけることが出来なかったのである。



 車を所轄に返した後、青谷は如月を連れて都内の個室のあるカフェへと向かった。これから班のみんなを集め、彼女の歓迎会をするのだ。

 もちろん、そこは飲み屋へ行くのが普通なのだが、如月は未成年だ。飲酒をさせるわけにはいかない。というか、連れて行くだけでもアウトだ。

 新人の歓迎会をオシャレなカフェでやるという凄まじい違和感を覚えつつ、青谷と如月は店の扉を開ける。

 白を基調としている、落ち着いた雰囲気の場所だ。BGMはエルガーの「愛のあいさつ」が流れている。白と赤の制服を着た若い女の子の店員が「いらっしゃいませ。二名様ですか?」と聞いてきた。

 人形のように精緻とした、幻想的な愛らしさのある店員だ。前髪が左目を隠しているのも、また特徴的であり、彼女には似合っている。

代表で予約した部下の中條の名前を出した。店員に奥の部屋へ案内され、二人は扉を開けた。

「あ、お疲れッス」

 右の座席に座る男、中條が会釈した。如月が来る前までは、青谷班で一番若い男だ。年齢は二十四歳。細身の人当たりの良さそうな顔立ちをしている。この中だと年齢だけは如月と近いから、彼女とは仲良くなれるかもしれない。それにこの班に入ってからの、初めての後輩ということにもなる。彼に面倒を見させるのも、成長の出来る良い機会になるだろう。

「どうもー」

 ラフな返事をした、左の座席に座るのは茨木であった。班の中で最年長の男だ。年齢は三十五歳。顎鬚を生やし、ヘラヘラと軽薄そうな笑顔を浮かべるのが特徴的な人物だ。青崎の部下にはなるが、歴は向こうのが先輩という少し厄介な間柄である。が、そういうのを気にしない性格なのか、少なくとも表向きは気さくに話しかけてくる。

「お疲れ様です! 本日づけで、警視庁捜査一課、青谷班へ配属になりました、如月 明奈巡査です! よろしくお願いします!」

 またもビシッ! と敬礼する如月。挨拶の練習でもしたのか、と思えるほど青谷が見たのとほぼ同じの挨拶であった。中條が「よろしくッス」と返事をしたが、茨木はにやあ、と笑みを浮かべた。スケベ心を感じさせる、嫌な表情だ。

「へへへ、いいねいいね。若い女の子が入るってのは。ねえ、青谷班長?」

「鼻の下がキノピオみたいに伸びているぜ、茨木さん」

「へへへ、いやあ、若い女の子が好きなのでねえ。とりわけ如月ちゃんみたいにおっぱいの大きい子――って、痛い⁉」

 青谷が茨木の隣に座り、メニューで彼の頭を叩いた。

「悪いな、初日からセクハラのオンパレードで」

「い、いえ!」

 如月はまたも顔を赤くする。青谷は肩をすくめた。

「気の毒だが、見ての通り男が多い職場だ。まずはしっかりして、男共に舐められないようにしないと、この先は生きていけないぜ」

「は、はい」

 中條がなだめるように「まあまあ、新人さんですし、いいじゃないッスか。如月さん、とりあえず座ってください」と言ったので、如月が中條の隣に座った。茨木は「えー、このくらいでセクハラなんてぇ。住みづらい世の中だあ」などとほざいていた。その女性と見知った仲なら、話の流れで下ネタを言うことはいくらでもあるが、初対面でいきなりおっぱいの話はさすがに失礼である。

聞き込みで茨木と如月は組ませないようにしよう、と青谷は決心した。

 青谷がホットコーヒーを頼み、如月はホットのカフェラテを頼んだ。先ほどと同じ店員が注文通りの品を持ってきて、「それでは、ごゆっくりどうぞ」と慇懃に挨拶をして個室の扉を閉めた。「あの店員さん、可愛いねえ」と言う茨木に「ああ」と適当な返事をした。「でも、おっぱいはちょっと小さめだねえ。残念」などという言葉には、当然無視をした。

「ていうか、十九歳で捜査一課なんてすごいッスね。これは期待の星ッスよ。俺なんかあっという間に追い抜かれちゃうかもしれないッス」

 中條は露骨に如月を持ち上げるように、そんなことを言った。後輩が出来たことを喜んでいるのかもしれない。

「わ、私なんてたいしたことないですよ……きっと、魔法の力が評価されただけです」

 猫舌なのか、カフェラテをふーふーする如月。

「お、魔法使いなんッスね。青谷班長と同じッス」

「え。そうなんですか⁉」

「はいッス。まあ、魔法戦になることなんて、ほとんどないッスけどね。でも、もしそうなったら、魔法使いは一般人じゃ立ち向かえないくらい強いのがいますし、いざとなったら頼むッスよ、如月さん」

「あ……えっと、ですね」

 如月は申し訳なさそうにうつむいた。

「私の魔法、というか能力は、戦闘じゃ全く役に立たなくて。すいません」

「そうなんッスか? ってか、超能力の類ッスか?」

「はい。そうです」

現在の青谷班の三人の中で、唯一魔法を使えるのが青谷であった。一割の確率でしか生まれない魔法使いは、当然、警察官全体で見ても多い方ではない。事件の内容によっては魔法使いとの戦闘も考えられるため、有事の際の対魔法使いの戦闘が可能な魔法使いは重宝される。

また、魔法使いには副産物として特殊な「超能力」を扱える者もごくわずかにいる。少し先の未来が見える、とか瞬間記憶能力、だとか。確率としては低いらしいが、一定数存在するのは事実。なにか捜査に使えそうな能力を持っている者は当然、そこは評価の対象となるだろう。そして口ぶりからするに、如月が使えるのはこちらの方なのだろう。

内容によってはかなりの影響力がある代物なので「魔法の力が評価されただけ」という言い分はあながち間違いではないし、ありえない話ではない。もっとも、その場合は如月の身に宿る超能力が現場向きで、なおかつ優秀であることが前提となるが。

「それで、調査の方はどうだったんだ?」

 青谷が少し声を潜めて、中條と茨木の二人に問いかけた。個室とはいえ、捜査のことは基本的には機密情報だ。仕事の話をする時は、多少声は小さくしないといけない。

早い出世を達成させた如月の超能力は気になるが、まだ新人だ。彼女を活躍させるのは、もう少し先の話にしたい、というのが青谷の本音。捜査というものを理解し、立ち回りを覚えさせて地力を固めてから、その素晴らしい能力を発揮させた方がいい。それまでは研修と勉強だ。焦る必要はない。

「上からの指示通り、魔法連盟日本支部へ行ってみたッスよ。そうしたら、中々興味深い話を聞き出せたッス」

 中條はメモ帳を取り出し、捜査の結果を語り出した。



 魔法連盟。それはアメリカを中心に設立された、魔法使いのための連盟だ。

 魔法使いは登場と同時に、たくさんの悪意によって悪用させられた。犯罪に利用する者。戦場に利用した者。挙句の果てには、魔法解明のために人体実験させられた者も現れてしまった。

 強大かつ、非科学的な超常現象を起こせるからこそ、生まれた悲劇。

 そんな過酷な状況に置かれた魔法使いのため、作られたのが魔法連盟だ。

 まず、魔法連盟は全世界の魔法使いへ向けてメッセージを発信した。つまり、仲間を集めたのだ。

 その中心人物はアメリカの男、ゼータ・クラーク。齢五十にして魔法の力に目覚め、その後なんと大統領選挙に勝利。歴史上初、魔法使いの大統領となった男だ。彼は選挙の時から「魔法使いとそうでない人間も、共存出来る国を、世界を作る!」というメッセージを発信した。彼はそれを実行したのだ。

 魔法連盟は以下のスローガンを掲げた。

・魔法は、暴力として利用してはならない。

・魔法使いは争いのために、己の力を使ってはならない。

・魔法使いは人間と同様、人体実験の道具にしてはならない。

・魔法は、正義を執行する時と人の役に立つ時のみ、例外として使うべきである。

・この四つのルールを破った者は、厳しく罰する。

・そして最後に。万が一、人類が魔法使いの人権を踏みにじり、利用するというのならば、人類と我々は対立するだろう。

 簡単にいえば、魔法連盟は魔法使いが己の力を無為に振るわない、ということを約束する代わりに、悪意のある人類から保護しましょうね、仲良く共存しましょうね、という条約を作ったのだ。破れば魔法による反撃を行う、そしてアメリカの大統領が背景にいる、という強い抑止力がその発言を確固たるものにした。

 ただし、ここには一つ例外がある。

魔法連盟が保護するのは、あくまでも加入した魔法使いだ。つまり、連盟に加入していない魔法使いは原則、連盟の加護を受けられない。

そのため魔法連盟は魔法使いの加入を強く推薦しており、影響力がすっかり強くなった今では報告が義務、という風にされている国もある。

そして、ここからは魔法連盟による問題点だ。

一見するとこれで世界中の魔法使いは、安全な身になったと思われるが、残念ながら世界というものはそう簡単にいかないもの。

まず、魔法連盟は外交のカードとして利用されている、というのが現状だ。

アメリカはゼータ・クラーク大統領と魔法連盟、そして魔法使いに対して好意的な国であることから、魔法関連の法律の整備がしっかりと行き届いているし、罰則もはっきりと定められている。が、他国は別だ。それに追随するか、しないかの二択を迫られている。

ようするに、魔法使いに対していい加減なことをすれば、アメリカを怒らせることが出来る。逆に友好的になりたければ、魔法使いに対してなにか良いことをすればいい、という構図が完成してしまったのだ。

アメリカと友好関係にある日本は、魔法使いに対して極めて友好的だ。魔法関連の法の整備を素早く整え、魔法連盟への支援にも積極的。日本にある支部はアメリカと同じくらい、大きな貢献と活動をしている。

しかし、問題はアメリカと友好的でない場合だ。

実際に起きたのはまさに現代版の「魔女狩り」であった。魔法使いの疑いのある者をさらしあげ、処刑する映像を流し、アメリカを挑発したのだ。

――我々はあなた達の要求には応じない!

――ゼータ大統領はペテン師だ! 魔法連盟だと? ふざけるな!

――魔法使いを独占するただの口実だ! 奴らは、魔法使いの力で世界を侵略するつもりなのだ!

――魔法使いに死を! 魔法使いに死を!

――魔法連盟を解体せよ!

過激派が行った「魔法使い狩り」は歴史に深く刻まれ、魔法使いの誕生以来、最悪の出来事として人類に認知された。

これらの問題に対し、ゼータ大統領は断固として「我々は魔法使い狩りに、テロ行為には屈しない!」と強く発言。魔法連盟の解体を望む声、体制の見直しなどの声も上がったが、これに対しても否定の声を上げた。魔法連盟の主催は変わらずアメリカが行い、その在り方は変えないと言いきった。

「魔法連盟は魔法使いを独占するため、作られたものではない! 魔法使いが平和に暮らせるように、人々と共存出来るように作られたものだ! そして我が国は、新たな世界を作るための先陣を切らなければならない!」

説明のあとは、はっきりとした怒りの声を上げた。

「魔法使いのため、今後の人類のため、そしてこの国のために。私は戦い続ける。そして魔法使いを脅かす国・人物に対しては、極めて厳しい制裁を加えるだろう!」

つまり、魔法使い狩りを行う国に対して武力を行使する、と宣告してしまったのだ。

この瞬間、魔法使いを巡り、世界情勢は緊迫した。第三次世界大戦の開幕ではないか、という懸念の声も多く上がっている。魔法連盟の設立が十年。現在、ゼータ大統領は任期を終え、連盟長として在籍。しかし別の者が大統領になっても、アメリカが中心になって魔法使いを保護する考えは引き継がれているため、こういった社会問題が解決することはなく、予断を許さない状況が続いている。



 そして今回、茨木と中條が向かったのは、そんな魔法連盟の日本支部であった。都内にあるそれは、意外にもこじんまりとした施設の中にある。広々とした公園の中に、ぽつんと小さな小屋があるのだが、意外にもそこが話題の渦中にある魔法連盟の日本支部であった。

 主な業務内容は、魔法使いのデータ管理といったところだろう。新規の魔法使いの登録。そして登録者へ向けて、メンバーズカードの発行と誓約書を送るなど。また今回のような事件が起きれば、そのデータを警察へ提示する義務が定められている。魔法連盟は魔法使いが力を悪用しないようにすることを表明しているため、これに違反した者には厳しい処罰を与えるルールがあるのだ。そのため、魔法使いが起こした事件に対し、積極的に協力しなくてはならない。必要に応じて魔法使いの個人データを提示するのも、重要な仕事の一つだ。

「へー。こういうところなんだねえ、魔法連盟日本支部ってのは」

 茨木が物珍し気な声を上げた。

「小さいッスね」

「知ってる? 職員は七名しかいないらしいよ?」

「だからこんなに小さいんッスね」

「きっと、暇なんだろうねえ。羨ましいねえ」

「じゃあ、中條さんもここの職員さんになればいいんじゃないッスか」

「バカだねえ、君は。魔法使いじゃないと採用してくれないってえ」

「あ、そうなんッスね」

「日本はアメリカと同じで、魔法使いに対しての差別は少ない方だからねえ。魔法使い狩りなんてないわけだし。正直、日本支部がやることって、そんなにないんじゃないかなあ??? 支援活動ったって、普通の人間として生活出来るなら問題ないし???」

「でもそれって、魔法連盟にとっては良いことッスよね」

「まあ、そうだねえ」

 そんな世間話を交わしつつ、二人は自動ドアを潜り抜けた。内装は市役所を凝縮したようなものであった。受付のところで座る女性の所へ向かい、警察手帳を見せる。連絡は事前に通してあるため、話はスムーズに進んだ。女性は机の下から鍵を取り出し、二人を二階にある応接室へと通した。

 中はせいぜい六人が座れる程度の、簡素な机と椅子が並べられているだけの場所であった。どこか質素ではあるが、清潔感はあり管理が丁寧にされていることが伺える。無駄がない、と評した方がいいだろう。

 実はここ、普段は政治家やその秘書がやって来て、魔法連盟の人間と面会し、今後の魔法使いへの境遇・法の改善・問題点などを話し合うことに使われる。茨木は職員の少なさから暇そうだなどと抜かしたが、そんなことはない。連盟加入の象徴であるここは、しっかりと重要な役割を担っているのだ。

「失礼します。お待たせしました」

 控えめなノックの後、スーツ姿の職員がそう言って入室した。連盟長、というわりにはまだ若い。三十代後半といったところだろうか。中條と茨木が席を立つ。二人へ向けて、職員は名刺を渡した。

「日本支部連盟長、武田 勝です。よろしくお願いします」

「あ、どうもどうも。警視庁捜査一課、茨木です」

 茨木がへらへらした笑みを浮かべながら受け取る。中條は「同じく捜査一課、中條ッス」と言って名刺を受け取った。「では、どうぞ。おかけなさってください」と武田に促され、二人は席に座りなおす。武田はその後で、上品な所作で対面の席へと座った。

「この度は魔法による殺人事件が起きた、とお聞きしました。連盟として、同じ魔法使いとして、誠に遺憾でございます。一刻も早い事件の解決を願うばかりです。また、我々にできることがございましたら、全力でサポート致します」

 などと改めて言われ、頭を下げられた。二人は思わず、目を丸くした。まさかここまでかしこまれるとは思わなかったのだ。だが、それも仕方のないことなのかもしれない。

 魔法使いが魔法によって法を犯すことは、魔法連盟の条約違反なのだ。そもそも魔法連盟による加護は、魔法使いが魔法を使って悪さをしない、という約束の上で成り立っているもの。仮にその魔法使いが連盟加入者でないとしても、責任が全くないとは言いきれないのだろう。

(魔法連盟とやらも、楽な仕事じゃないねえ)

 茨木は早くも手のひらを返し、そんなことを思った。

「今回聞きたいのは、魔術痕についてッス」

 中條がさっそく話を切り出す。

武田はこくりとうなずいた。

「赤い魔術痕、ですよね。該当者をピックアップした名簿は提出したはずですが。まだなにか、不足があったのでしょうか?」

「そうじゃないッスけど。今回は念のため、連盟長に実物の写真で魔術痕を見てもらおうと思ったんッスよ」

「はあ……実物を、ですが」

 武田は懸念な表情を浮かべる。もっともなリアクションだろう。警察には守秘義務がある。聞き込みで民間人に遺体の写真を見せるなど、ご法度である。

「ああ、許可は出ているんで大丈夫ですよー。違法捜査とかじゃないんで。協力、お願い出来るッスかね?」

 茨木がそう言うと武田は「わかりました」とやや納得いっていないものの、こくりと頷いた。

 もちろんこの行動を許可したからには、警察側にもそれなりの意図がある。

 二人はあえて黙っているが、実はこの武田という職員。十数年前は魔法を使って様々な悪さをしていたのだ。

 魔法使いが出てきた当初、武闘派の不良同士では小競り合いで魔法を使うのは当たり前であった。今ではこんな上品になった武田だが、若い頃にはそんな過去があったのである。しかし人の命を奪うようなことはしていなかったし、せいぜい警察に連行されて厳しい注意をうけた、という不良にありがちな過去があるだけ。

 が、だからこそ、赤い魔術痕を見ればなにかわかるかもしれない。当時の不良の中に、こういう魔術痕、光を放つ者がいた、とか。もちろん、そんな偶然はわずかな可能性ではあるものの、それでも武田に写真を見せてみよう、という話になったのだ。

 犯罪をする魔法使いは、大抵が魔法連盟に加入していない。

なので、正当に名簿を当たるよりも、こういった切り口から捜査する方が、思わぬ手掛かりを入手することが稀にあるのだ。

「わかりました。私でよければ、協力します」

「どうもー。では、これが写真になります。血まみれなので、キツいと思いますが」

「――っ」

 肉を食いつくされた凄惨な遺体のせいか、武田は一瞬顔をしかめた。しかしそのすぐあと、はっとした表情を浮かべて写真を食い入るように見ている。

 ――これは、なにか釣れたッスか?

 正直、あまり期待していなかったが、心当たりがあるのなら話は変わってくる。

「なにか、わかりましたかねえ?」

 茨木が問うと、武田は難しそうな表情を浮かべた。

「……刑事さんは、原初の魔法使いをご存じでしょうか」

「原初の魔法使い?」

 中條が反芻し、茨木の方へ視線をやる。彼は首を横に振った。二人とも聞いたことがないようだ。

「二十年前。突如として、魔法使いが誕生しました。私もその内の一人でした。その時、魔法使いの間でとある都市伝説みたいなものが、流行りました」

「それが原初の魔法使い?」

 茨木が言うと、武田はこくりと頷いた。

「はい。実は魔法使いが誕生したのは二十年前ではなく、もっと前なのだと。そして世界で最初に魔法使いとして目覚めた人物。それが男で通称「アダム」と呼ばれたんです」

「アダム? えーっと、旧約聖書のッスか?」

 中條がうろ覚えの知識でそう言うと、武田は「そうです」と相槌を打った。

「アダムは神様が土で作った最初の人間、と聖書に記されています。魔法使いを新しい人類かなにかと考えた者が、原初の魔法使いを「アダム」と呼んだのでしょうね。そして、それが広まったのだと思います」

「ええー。そのアダムが、この魔術痕の正体だって言うんですかあ?」

 ついつい、茨木はどこかバカにしたような口調で言ってしまう。

 が、無理もないだろう。

 武田が話したのは、眉唾物の都市伝説だ。原初の魔法使いだが、アダムなどという中二病じみた通り名だがなんだか知らないが、信憑性がなさすぎる。

「アダムは赤い魔術を使い、あらゆる物質を消し去ることが出来たそうです。この遺体……腕と足の骨が、消えているんですよね?」

「犯人がその部分だけ別の所に埋めた、隠した、とかではない限りそうと考えられるッスね」

「ならば、もし仮にこれが消し去られたのだとしたら。その時は、断言します。人体をさっぱり消し去るほどの強力な魔術は、そう簡単に出来るわけではありません。そうですね……例えるなら、人体を合理的に殺す兵器がたくさん開発されても、人体を骨まできれいさっぱり消し去る武器が、この世に存在するでしょうか?」

 問われて、二人は思わず息を飲んだ。

 思わぬ落とし穴であった。

体をバラバラにするくらいなら容易に出来るが、骨まで綺麗に消し去る兵器は、中々存在することはないだろう。そうでなければ、戦場に「死体」は残らない。

「それと同じです。これほどまでに骨をきれいに消し去る力は、極めて強大な証なんです。そしてその強大な力に心当たりがあるとするのならば……都市伝説で伝わる「アダム」と一致します。今も残っているかはわかりませんが、当時のアングラサイトでも名前が挙がっているので、調べてみたらなにかわかるかもしれません」

「アダム……原初の魔法使い……」

 茨木は茫然と呟き、小さく唸り声を上げた。

 ただの都市伝説、と唾棄すれば簡単だ。

 しかし彼の言うことには一理ある。

 こんな切り口で捜査をした背景はもう一つある。名簿の中の魔術師だと、遺体のように骨を消すことが難しいのではないか、という意見が挙がったからだ。そもそも体を「切断」出来そうな魔術師自体が存在しなかった。つまり、彼と同意見なのだ。魔術連盟は登録時、入念に魔術の威力・性質を測定して記録する。その記録と遺体の状態が一致するものが、一人としていなかった。そしてこの威力が異常であることは、この状況から警察としても把握していたのだ。

 もちろん、登録時に誤魔化したという可能性もある。あるいは、登録後に進化したという可能性も。しかしいずしれにしても、ここまでの力を持つ者は珍しい、という事実には代わりがないだろう。

 ――あながち、的外れな話ではないかもねえ。

 茨木はそう考えて、難しそうな表情を浮かべた。

 アダムと原初の魔法使い。このキーワードが当たっているかはともかく、犯人が強大な力を持っている可能性が上がる。早くも、この事件に不穏な影が差し込み始めた。

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