様子がおかしい
BL小説です。短め。
雨だ、冷たい。雨って冷たいと思う。悲しいという俺の心を表しているような…まるで情景描写だ。
そんなことは、いいとして…振られた。まじで。振られたぁ…。「びぇぇぇ~…」みたいな。はは…笑えねー。悲しい。
え?だってよ?好きな先輩に告白して…振られた。まじで、見事にスパッと。
…あーくそ!演劇部に遊びに行くか!こんな落ちもくらいなら!
__
「遊びに来ました~振られて悲しい尊さんでーす」
「梶!お前、なに呑気に本番近い稽古場に来てんだよ帰れ」
「嫌ぁ~だ~…振られたんだもん!」
冷たい!泣きてぇ…。あーあ暇暇!なんか読むか。
「ねぇ、ここら辺で今回のやつの台本読んでいーい?」
タイトルは、「椿が落ちる頃に」かぁ…かゆそーな恋愛ものっぽいな。あんま、好きなやつじゃないかも。
まぁ、いいさ。いまは、悲撃のヒロインやりたいもんね。
「いいけど…ほら、俺の紙の台本貸してやるから大人しくしとけよ。」
「やった。サンキュ」
紙はいいね。頭に入りやすくて、やりやすい。
今台本を貸してくれたのは、神木命。すげぇ、神聖そうな名前してんの。しかもな、俺と名前一緒!あ、読み方がね?
俺は、尊で神木は命。どっちも、みことなんだよ!これには勝手に運命感じてるから。ま、もうこの話はいいか。
「えーっと、最初は…?」
台本を開いて、最初の文を見る。よし、読むか。あ、因みに小さめの声でね。
「『さっむ!こんな寒いの耐えれねー
』『てかさ、昨日のやばかったよな?』『あーあれ?風上が転びながら遅れて教室登場の?』『そうそう!しかも、雪まみれ!教室中が笑って先生はすみっこに座り始めたやつ』『あれは、面白かったな~。でも、一部引いてたやついたけどな…」
…脚本書いた人にゃ悪いけど…あんま、面白くねーな。てか、面白さゼロ。うーん、話してる内容もいまいちだし。まぁ、高校だし。てか、これ書いたの誰だ?
台本を閉じて、表紙を見て作者の名前を探す。書かれてないな…神木に聞くか。
「神木~これ書いたの誰?」
「あ?書いた人?綾瀬だけど…」
「あー、綾瀬ね。おけおけ、せんきゅー」
綾瀬か~…どおりでなんかつまらない感があったんだ。綾瀬が書いたやつは何回か読んだことあるけどいつも、つまんねーって思うんだよな。
……綾瀬にゃ申し訳ないけど、神木の読みたかったな……返そ。
「返すよ命。なんか振られたことを忘れた気分になったし、帰るわ」
「あぁ、そう。じゃあな。」
「んー」
俺は、適当な返事を残し演劇部を出た。
__
帰るか…。自転車はー…あれ?どこだ?
周りどれだけを見渡しても、自分の自転車は見当たらない。
「無い…無い、無ーい!!」
一人で叫んだ。近くにいた人に冷やかな目で見られていることにも気付かいくらいに、焦っていた。
無いんだけど!自転車!帰れねぇ、の前に窃盗されたぁ~。え?今日なに?十年に一度の不運な日?もうどうすれば……。
「あれ?梶。どうした?まだ帰ってなかったのか?」
「先輩~!」
もう、どうしようもなくなって泣きついた。普段はこんなことはしない。
この人は佐久川緑鳥先輩だ。中学の時からお世話になっている先輩。優しくてしっかりしている、頼れる先輩だ。
そんな先輩に今日の事を愚痴った。
「先輩聞いてくださいよ~俺ここ来る前、実月先輩に告白したら振られて~!
そして、仕方なく帰ろうと思ってここ来たら自転車なくて~!盗られたかも~って~!」
「おうおう、可哀相だったな。じゃあ、神田の代わりに付き合ってやろうか?自転車は諦めてもらって…」
先輩は優しく撫でてくれた。俺は犬か。励ますためにきっと言ってくれているんだろう。
「先輩と付き合ってどうするんすか~佐久川先輩に恋愛感情無いのに~」
「おいおい、ひでーよ。折角人が励まそうと思って言ってやってんのによ。」
「え~?」
迷ってる訳じゃないけど、今はあほみてぇなことやってたい。そんぐらい傷付いてんの!
そうしていると、佐久川先輩は撫でる手を止め、にまにまと笑いながらこっちを見つめて、言った。
「…冗談じゃなくて、梶のこと本気で好きなんだけど。……って言ったら付き合ってくれる?」
「え?」
「梶、好き。」
_熱い視線だった。
§ § §
ズズズ…とお茶をすする。目の前には佐久川先輩…ここは、ファミレス……。全てを疑いたくなる。
うーん、理解しがたいかも。え?先輩に告白されて…え?いやいやいやいや…先輩は男で俺が好きなのは実月先輩、振られたけど。
「なーあー?返事はどうなんだよ。」
「えっと……。」
見つめられてしまうと、つい、顔が熱くなってしまう。いつもは、こんなことにはならないのに……。
「そんなすぐに返事できないといいますか……。」
「え~?酷いなぁ、そういうとこが駄目なんだよ~?まぁ、そこが好きっていうかさ。」
え、何?惚気?俺にしてどうすんですか。信じられないけど、俺のこと好きなんですよね?
というか、佐久川先輩の様子がおかしい…いつもの先輩は面倒見が良くて、ぐいぐいくる感じじゃなくて、俺の話を聞いてくれて甘やかしてくれる親戚みたいな感じで。それと、話し方も粘っこい伸ばす感じじゃないし…。
こんなの、佐久川先輩じゃない。
「なぁ、聞いてる?」
「先輩…振っていいですか?」
「それ聞く?うーん…駄目、振らないで。」
……もう、どうしようもねぇ。あ~自転車無いのに…関係ないか。いやいや、関係なくても困ってるけど!交番行くかな。
先輩は俺のことをにまにまとずっと見つめている。どうしよう、どんどん顔が熱くなっていく。
先輩、見ないで~!
「先輩見ないでください…。」
「嫌かな~。」
先輩はそう言いながらストローを回してカラカラと音を立てる。今の先輩はどことなく余裕が感じられるのと、ずっとにまにましている。たまにこちらを見てにまっとする。くそっ…なんか負けてる。
「あれ、お前帰ってなかったのかよ。」
「お~神木。なんでここに?」
あぁ、神は味方したのですね。俺の助けを呼んできてくれるなんて、ありがたやありがたや……。
てか、こいつ本番近いのに…こんな余裕あるんだ。
「いや、流石に腹減ったしもう部活終わったし。」
「一人なのか?」
「あや、演劇部のやつと来たけど…」
神木が耳に近づいた。そして、小声で_
「なぁ、なんで佐久川先輩といるんだ?お前なんで顔赤いわけ?あ?」
「えっと…」
なに?こいつもなに?神木急に怖いし、その、その……なんか、束縛感じる。身の危険を察知したんだけど。
そんなことを思っていると、先輩が間に入った。
「ごめん、神木くん。梶は俺のなんだ。」
いや先輩、違うんスけど…。
そう言われると、神木は分が悪そうな顔をしてまたな、といって去っていった。
佐久川先輩はこっちを見てにまにましながら言った。
「梶は俺のだよね?」
顔が近い…徐々に顔が熱くなっていくのが分かった。
こんなの、こんなの…なんか絆されちまうだろ!くそ~!先輩も神木もなんなんだよ!
endかも。
梶 尊
好きな先輩(神田 実月)に告白し振られて、自転車を盗まれて泣いていたところを告白された。部活には入っていない暇人。
・一年生
・フレンドリー
神木 命
梶のことが好きだが、ツンデレ過ぎて伝わっていない。
佐久川先輩のことはあまり気にしていなかったが、ファミレスにて梶と佐久川先輩にであってしまったばっかりに、最近は警戒しているが、本番が近いのでだんだん忘れていっている。
・一年生
・あだ名はかみことさん
佐久川 緑鳥
三年の先輩。梶のことが前から好きで告白したが、今のとこ振られそう。梶が告白した神田の唯一の友達。
・部活無所属・優しい
おまけ※神木重い、小説ではない。
神木 命の愛
俺は、梶のことが好きだ。他人から見れば重いと言われるくらいに。
始めてあったのは中3の卒業式で、まさに一目惚れだった。思いきって話しかけると、「え~、卒業式なのに?」と言われてしまったが、好きになってしまったから仕方がない。
たまたま、受かった高校が同じだったから、今もこうして一緒にいれている。
梶とよく一緒にいる、佐久川先輩より会ってからの日は浅いが、俺の愛の方が大きいからあまり気にしていない。
私が、質問してみた。
Q 梶のどんなところが好きですか?
A 顔と笑ったときの顔と声と言動、行動。
Q 梶とはクラスは一緒ですか?
A あぁ。初日、クラスの名簿見たとき、心の中で舞い上がったな。
Q 脈はあると思いますか?
A 思ってない。あの言動であると思うか?普通。
Q 最後に、梶と付き合ったら何をしたいですか?
A ピーピー…
え?駄目?じゃあ、ピー これも?じゃあ、ピュアにデートしたいかな。
終わり。
読んでいただきありがとうございました!
つづくかもしれません。




