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八本の朱色、その先の空白
森の奥へ進むと、
そこにはあの廃神社にあったものと同じ、
いや、それよりも遥かに巨大な
**「八本の朱色の鳥居」**が、等間隔で霧の中から姿を現した。
鳥居の朱色は、塗り直されたばかりのように鮮やかで、
滴るような湿り気を帯びている。
蓮がその下をくぐるたびに、右腕の石が共鳴するように熱を帯び、
刻まれた「呪詛の文字」が赤く発光した。
一本、二本……。
鳥居を抜けるたびに、蓮の記憶から「現代」の知識が削り取られていく。
スマホの使い方も、金の価値も、テレビの仕組みも、
すべてがどうでもいい塵のように思えてくる。
八本目を抜けた時、そこには道も、木々も、空もなかった。
ただ、真っ白な霧の海の中に、漆黒の巨大な穴のような村が口を開けていた。
「クチナシの村」。
かつて地図から抹消され、歴史の裏側に隠蔽された、生贄たちの終着駅___。




