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ルイスくんのためだけに作るのです

厨房で、今後のルイスくん対策をしたので、今度はルイスくんの食器類の改善です。


「あとは、ルイスくん用にスプーンとフォークを小さくしようと思うの。食器とか持ってきてくださる?あと、木材を使いたいのですが、どこか場所がありませんか」


「アイリ嬢、何をするのだね?ルイスのフォークとスプーン、お皿の他に木材なんて、一体何を作るのだ?」

辺境伯さまが訝しんだ。確かに木材で何するの?というのは誰もが思うよね。


私は辺境伯さまに小声で伝えた。

「辺境伯さま、どこか別の部屋で、私のスキルを使いたいです。まだ、自分でもどんな風に使えるのかよくわからないので、信頼できる少人数で行いたいので、どこかお部屋を用意していただけませんでしょうか。特に木材を使うので、少し広いところで、ゴミが出ても大丈夫なところをお願いします」


「わかった、そうだな。木材を使うところで,秘匿できるところか。そうだ、庭のガゼボにしよう。あそこは、お茶会を開くスペースの他に、裏が鍛錬場になっているのだ。そこで木材を使えば良い。しかし、いったい何をするのかい、ホワイティス嬢」


「ルイスくんの食事をするための椅子を作ってあげようと思ったのです。見ていて、テーブルと椅子の高さが合っていなく、クッションでなんとか調節しているようですが、安定しなく食べにくそうだったので、子供椅子を作ってあげたいなぁと思いました」


「子供椅子?私が小さい頃も、クッションで調節していたが、安定性はなかったな。確かに食べにくかった。そうだな、自分がしてきたことだから、と思っていたが、あの時はもう少しグラグラをなくして欲しいと思っていたなぁ。なるほど。しかし、ホワイトティス嬢は子供椅子?を作れるのか⁈」


「私のスキルで作れればいいなぁと思っていますが、ダメなら、自力で作ります」


「えっ?自力?」


「私、椅子作れます。任せてください。とりあえず、スキルを使ってやってみます。材料が木材、自力の場合を考えて、道具はノコギリ、やすり、トンカチ、クギ、寸法を図る道具の用意もお願いします」


「そ、そうだな、材料と道具も用意しておこう。準備ができたら、ガゼボの方に行こうではないか」

「辺境伯さまもいらっしゃるのですか?お仕事は?」


「いや、ホワイティス嬢が怪我をしては、申し訳ないので、もし自力で作るなら私も一緒に作ってみようと思ったのだよ。楽しそうだ」


「父上,それなら、私も手伝いますよ」

ウィリアム様まで手伝うことになった。

とりあえず、辺境伯さま、ウィリアムさま、メイサ様,執事のアドルフと一緒にガゼボに行った。


ガゼボには、お茶の用意もされており、休憩することも可能だ。鍛錬場にはルイスくんが今まで使っていたフォークとナイフとお皿、子供椅子用の木材と道具が用意されていた。


「ホワイティス嬢、ここにいるのは信頼できる者たちだ。アドルフ、ルイスの今まで使っていた食器を全部持ってきてくれないか」


「かしこまりました。ルイス様の食器をこちらに持ってまいります。少々お待ちください」


「お願いします」

大人用のスプーンとフォーク、お皿は使いにくいから、スプーンとフォークは小さくして、お皿よね?魔力を流して、割れない食器と念じればできるかしら?ね?それともお皿自体を強化すればよいのかしら?


あとは、子供椅子ね。今のテーブルに合わせて椅子を作れないかしら。もしくは、椅子にテーブルを備え付けてしまう、あれよ。椅子は作ったことがあるから、大丈夫。あれ?魔法で作れるのかしらね?


「ホワイティス、フォークとスプーンを小さくするのか?お皿は何をするんだ?」

ウィリアムがおさらのことを聞いてきた。お皿の方はできるかどうかわからない。


「スプーンとフォークはルイスくんの手に合うように小さくするよ。お皿はできるかわからないから、内緒」


さてと、スプーンを小さい子供用のスプーンのイメージして魔力を流していく。光った。おー、子供用のスプーン出来上がり。

次フォーク。子供用は三つ山の鋭くない先端をイメージして魔力を流す。光った。できたが、肉とかこの先端で刺さるかしら。


光れば出来上がり合図なの、便利。


「ホワイティス嬢。それは、ルイスのスプーンとフォークかな」

辺境伯様が、びっくりして聞いてきた。


「そうです。あまりにも食べにくそうだったので、イメージして作ってみました。だだ、フォークの方は、肉が刺さるかなぁ先端が、口とかに刺さらないように、丸みを作ってみました。どうでしょうか?」


「ホワイティス、すごくいいよ。スプーンは、ルイスの小さいお口にピッタリだよ。フォークも、先端が丸みがあって、安全性を考えているよ」

ウィリアム様、興奮気味です。


「あとは、食器か。割れない食器はメラミン食器なのよな。イメージしてできるかな。それとも食器を強化すればいいのかな。メラミン食器の方が軽くて、熱につよく、丈夫、そんなイメージね。お皿の強化の方が簡単かな。とりあえずやってみよう」

まず、お皿の強化。お皿が割れないイメージ。お皿は強い、強い。光った。

どうだろう。


「ウィリアム様、これをどこか危なくないところで割ってみてください」


「ホワイティス、皿を壊せばいいのか?

父上、鞘に入った剣を貸してください。みんな下がってください」

ウィリアム様が、鞘を力一杯下ろした。

ガシャ。壊れたか。強化してもダメか。


「えっ!壊れていない。ほんとか。え?」


おー、壊れていない。強化で良いか?でもお皿は重い。やはりメラミン食器か。

イメージは軽くて、割れない、熱に強いお皿をイメージ。また光った。


「これはどうかしら?」

またウィリアム様に渡して、強度を試してもらう。


「さっきより軽い。手では割れない。では、また,離れて欲しい」


また剣を力一杯おろした。ガキッ。


割れなかった。成功だ。

「こういう割れないお皿をルイスくんの食器にしましょう」


「ホワイティス嬢。これは画期的なお皿やスプーンだと思うがこれからどうするか計画を立てているかな」


「えっ、ルイスくんのお皿作りですよ。これ商売にしたら私疲れてしまいますから、内緒です。内密にしてください。個人的に作るかもしれないですが、大々的な商売はちょっと嫌ですね」


みんなの前で披露してはダメだったのかな?

「そうだよね、こんなすごいお皿は、身内だけにした方がいいな」

ウィリアムさまが念押ししてきた。


「はぁ、ホワイティス嬢、ほどほどに頼むよ」

「はい、辺境伯様、任せてください」

辺境伯さまがそうじゃないって,ボソボソ言っていた。

私、空気読めない子になっているかも。


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