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今後のことを話し合う

食事が終わり、ルイスくんと後で遊ぶことを約束して、メイサ様と辺境伯様の執務室に移動した。


「ホワイティス様,ありがとうございます。昨日のことがきっかけで、ルイスとの関係が戻りつつあります。今まで、どうしていいのか、わからなかったのです。そして、自分自身を追い込んでいたわ。昨日言われて,ハッとしたの。旦那様にも相談したわ。旦那さまも、辛い思いを共有できなくてすまないと言っていただいたのです。これからは1人で抱え込まずになんでも言って欲しいと言われましたの。打ち明けて良かったです」

頬を染めて言っている。仲がいいのはいいことよ。うんうん。


「よかったです。小さい子は、親とのスキンシップが大事ですよ」


「すきんしっぷ?」


「ごめんなさい、また難語ですね。スキンシップは、抱っこしたり、一緒に遊んだり、会話したり、小さい時というのは、あっという間です。そこで、愛情いっぱい育てられたか、されないかで、将来的な性格が変わると思うのです。愛情いっぱいと言っても、甘やかして、なんでも言うことを聞くのではなく,ダメなものはダメ、それはなぜダメなのか、そしてダメならどうやって、いい方向に持っていくかを一緒に考えていくことが大事だと思うのです」


「小さい時はあっという間、一緒に考え、行動する。そうね、本当に子供はあっという間に大きくなってしまうわ。一緒にいる時間が大切ね。ありがとう、ホワイティス様」


執務室に着き、中へ入った。鍛錬を終わったウィリアム様もいた。


「ホワイティス嬢、記憶がないと言うことで、改めて、ウィリアムの父、アーサーだ。コンフォート辺境伯領主だ。今日も、記憶は戻らなかったのか。メイサやウィリアムにどんな状況か話しただろうが、もう一度私にも教えてもらえないだろうか」

ここで、ウィリアム様とメイサ様に話したことをそのままそっくり伝えた。


「うん,いろいろツッコミどころ満載な話だね。えどっこ?みこし?ふーてん?いけめんあいどる?ほいくし?言葉が全くわからない。それに以前のホワイティス嬢と全く性格が違うことがわかるよ。君はどうしたい?両親のもとに帰るかい?」


「そうですね、もう、ありのままを見てもらって,説明して理解してもらいます。その方が早いので」


「うん、そうか、潔いな」


「隠していてもしょうがないので、気持ち悪がられたら、理解してもらえなかった場合、うーん、こちらにお世話になっていいですか?もう、花嫁修行です。それか、ここで働きます。私、働くことが好きなので。乳母でもいいですね。ルイスくんと赤ちゃんの面倒をメイサ様とみます。メイサ様を補助します」


「ぶふっ、ゴホゴホ、ホワイティス、は,花嫁修行?け、決断がはやいよ」

ウィリアム様、真っ赤になって咽せている。背中叩いてあげようかな。


「ふふっ、そうね。ライザック侯爵家が、理解できないならうちで引き取ってもいいわね」

「メイちゃん」

「「ゴホゴホ、メイちゃんって」」

辺境伯様とウィリアム様2人で咽せている。


「コホ、ホワイティス嬢、それでは明日か明後日、ライザック侯爵家へ行こう。そこで話をしよう。今日は、メイサの相談にのって欲しい。昨日、メイサの悩みを聞いた。わたしも協力する。ただ、もう少し助言が欲しい。どうか、頼む。メイサが殻に閉じこもっているのは分かっていたのだが、私はどうして良いのかわからなかった。だけど悩みを相談され、一緒に解決していきたい。家族みんなで楽しく過ごしたい、そう願うのだ。お願いだ、もう少し助言や助力が欲しい。頼む。もしかしたら、明日など記憶が戻ってくるかもしれないしな。明後日あたりライザック家に行こう。先ぶれを出しておく」


すごくいい旦那さんだ。メイサ様を愛しているのがわかる。そしてこの家族は温かい。


「ありがとうございます。明後日までに記憶が少しぐらい戻って欲しいです。両親と弟の顔が思い出せないので困ります」


「そうね、執事をお父さまと呼んではダメよ。フフッ」

「メイサ様、あれは例えです、たとえ」


それから、執事と侍女長を呼び、今後のメイサ様の回復のための方向性と、子育てについて話をした。

夫婦で庭を散歩する時間も作ることを提言した。お互いの共用する時間は作った方が良い。これが政略結婚で、お互い見向きもしない人たちはだめだけど、愛し合っているのなら、お互いの距離をいつまでも保つことはいいと思うよ。手を繋ぐか腕を組んで歩くようにと,付け加えました。年をとっても手をつないだり、腕を組んだり、寄り添うことが大事。子供が手を離れたら夫婦2人だ。愛し合っているのなら、手と手を取り合って過ごした方が良い。そう考えると、政略結婚ってつまらないのかな?まぁ、色々な夫婦がいし、ウィリアム様のご両親は愛情豊かだ。


そういえば嫁姑関係どうなるのだ??そっちの方が心配だよね、私。


それから、父親も子育て参加。乳母ばかりに面倒を見させないこと。仕事が忙しくても、合間でいいから自分たちも参加。子供の小さい時はあっという間だから、子供との時間は大事。生まれたばかりの娘が成長して、パパくさーい、あっち行って、なんて言われたら悲しいでしょ、と説いた。

そんなことを言われたらと、想像するだけでもショックを受けていた。

子育てはみんなで協力すること。

メイサ様は、頑張りすぎないこと、みんなで協力して子育てすること。悩みはいうこと。バカなことでもいい、小さいことでもいいから相談すること、をお願いした。


侍女長も子育て経験者なので,すごくわかると理解してくれた。経験者が近くで補助してくれる


それから料理長を呼んでもらった。

美味しい料理ありがとうと、お礼を伝えた。恐縮されちゃった。


「料理長のテッドともうします。何か粗相をいたしましたか」


「ごめんなさい、そうではないの。まず、自己紹介ね。ホワイティス ルーデリア フェン ライザップと申します」

「ライザックな」

しつこいと思われるから、そろそろ間違わずに言おう。クを小さく流す感じで言えば、クでもプでも同じように聞こえるかもしれない。


「こほん、すみません、ホワイティス ルーデリア フェン ライザックです。よろしくお願いします。それでですね、カイルくんの食事で、食べやすいように一口大にして柔らかくして欲しいのです。あと嫌いな野菜は細かくしてミートパイとかの中に入れてしまうとか、野菜を擦って、煮込んでしまうとかどうかしら。そして,徐々に大きくなってきたら、少しずつ野菜の大きさを変えていく工夫が必要だと思うのです。どうかしら」


「かしこまりました。小さい今は嫌いな野菜は潰したり、擦ったりして、わからないようにします。スープなども小さく柔らかくします。大きくなってきたら,咀嚼できるように少しだけ大きくしていきます。嫌いな野菜を残しているのは気になっていたのです。一工夫してみます」



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