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私の名前はホワイティスですか

「ふぅ。まず、私の名前から、アイスブルーではないことだけは確かだ。

私は,北の辺境伯 嫡男 

ウィリアム ボトム ド コンフォート。18歳だ。

そして、あなたは、ホワイティス ルーデリア フェン ライザック侯爵令嬢で、16歳だ」


おしい、一字違い、ライザッ◯。チョコの方に行っていたのよ。気軽に行けたのよ。


「聞いてますか?私が14歳、あなたが12歳の時に婚約しました。お祖父様たちが学生時代から親友で、自分たちの子供を結婚させようと約束したのがことの発端。父の代は男ばかり。そして私たちの代で、あなたと私が婚約となりました」


「そうですか、あなたはウィリアムくん。そして私はホワイティス ルーデリア フェン ライザッ..クですね。それにどこかで聞いたことのある婚約の話てすね。あの話は確かお公家さまと武家の敵対する家で、愛し合っていたが別れることになり、お互いの子供達を結婚させようとした。しかし子供達の代は男の子、次が孫である自分たちという話。瀬をはやみ、岩にせかるるのやつだぁ。おおー。

それで、ウィリアムくんは、そんなお祖父様たちの約束事で、自分が私と婚約ということに不満があるのね。なるほど。そうよね、勝手に決められるのは困るわよね。自分の好きな子結婚したいわよね。なるほど」


「ウィリアムくんって。はぁー。貴族令嬢は君ではなく様をつけるんだよ。それに、せおはやみ?とか何?」

「ごめんなさい、瀬をはやみ、はこっちの話です。ウィリアムさま?というの?」


「もしくは、姓名呼びだよ。私の場合は、コンフォート辺境伯令息様と言われるよ。ホワイティスとは婚約者同士なので、名前呼びで大丈夫だよ」

「うぁー、めんどくさい。その言い回し何?どこの世界?」


「その言葉は令嬢としてどうかと思われる言葉だよ。学校に行ったら、先生方に指摘されるよ。というか、家でどんな教育をしていたのだと、家名に関わるから、やめた方がいいよ」


「家名に傷がつく?がっこう!!えぇ、学校行ったら、全然顔と名前がわからない人ばかりよ。名札つけてもらおうかしら」


「ぶほぉ、名札。くくくくっ」

無理だ、なんでこうなっている。状況が全くわからない。名前も思い出せないのに。


「ウィリアムさま?でいいのかしら?

と、この言葉遣いでいい?大丈夫?敬語は使えるけど、お貴族様言葉なんてわからないから、心配なのよね。あははは」


「いや、全然ダメだけど。笑い方もダメ」

ダメ出しされました。敬語は喋れるが、私の敬語はそもそも敬語なのかも怪しい。それが、貴族言葉なんて、ボロが出るよ。


「ところで、あのパーティで、あなたを浮気男と声を大にして言ってしまったから、陰であなたのあだ名が浮気男になっていたらごめんなさいね。女性が陰で、ほらみて、浮気男さんが来たわよ、コソコソコソ、クスクスっ、なんてね。まぁ、イケメンだから許されるのでしょうけどね」


「俺は浮気はしていないよ。それに、誰もそのあだ名は言わないよ」

「あら、そうなの、残念」


「ところで、ホワイティス。君は誰なんだ。全く喋り方が違う。別の人と喋っているみたいだよ」


「そうなのよ、私は、白井すずという名前なの。32歳。下町育ち。チャキチャキの江戸っ子よ。もう今は江戸っ子って言わないかしらね。ふふっ。祭で、お神輿担ぐことが大好きなのよ。性格は、細かいことは気にしない。でも、曲がったことが大嫌い。弱きものをいじめる奴らも大嫌い。甘いものとお酒が好き。フーテンのトラさんが好き。そしてなんといっても、二次元のイケメンアイドルが好き。声優さんたちのライブに行くことを心の拠り所にしているの。でも、仕事はこれでも保育士さんをしていたのよ。子供大好き。それが私。よろしくね」


「なんだかいろいろツッコミどころがある話だな。言っていることが全くわからなかったよ」


なんですと、言っていることがわからないなんて。


「いや、そんななぜわからないという顔をされても困る。本当に言っている言葉がわからない」


「言葉が通じない。この喋っている言葉が違うの、えー,言葉が通じない」


「違うから、なんでそうなる。今、お互い会話しているではないか」

「あー、そうよね、良かったわ。言語が違うのかと思ってしまったわ」


「ふぅ、頭が痛い」

「えっ、頭痛。風邪?大丈夫?」


「はぁ、とりあえず、うちのタウンハウスにもうすぐ着く。そこでもう一度話をしよう」

「はい?あの、なぜあなたのタウンハウス?私の家に連れて帰ってくれていいじゃないのぉ。寝れば記憶が治るかもしれないし」


「いや、混乱している君を家に帰すのは心配だ。君の家族構成などのまだ話していない。もうすぐうちのタウンハウスに着く。そこで詳しく話をしよう」

「えっ、私,あなたのタウンハウスに何回も訪れていたの?」

「いや、初めてだが」


「いやいやいや、わたし、初めて、あなたのタウンハウスに行くの?お土産持ってきていないじゃないの?どこか買うところある?というか、身の危険を感じる。男性のお宅に行くのよ。どうよ?」


「君さ、本当に、なんていうか、面白いよね。なんだか斜め上をいく考えだよね。お土産持ってきていないって」


「いや、お宅訪問はお土産大事よ。基本中の基本よ。よく覚えておいた方がいいわよ。これから世に出た時の処世術よ。おじいちゃんがよくいっていたのは、おみやげもっていきゃー、なんとか丸くおさまるつーもんよ、なんていってたぐらいだから、お土産は大事よ。」


「今はお土産とか大丈夫だから。それより今後のことを考えなくては。君が記憶が戻らなかった場合どうするか」


「今後、そうね、まずは婚約破棄というか婚約を白紙にしましょう。破棄なんて聞こえが悪いわ。それから記憶が戻らない場合、本当のこと言って、今の私を受け入れてもらいましょう。嘘はよくないわよ。顔は同じ、中身が違うだけだから。嘘をつくと閻魔さまに舌を抜かれるんだからね。気をつけてね」


「また、よくわからないこといっているが、そこはもう深く気にせず、すごい潔い考えだね。それと婚約破棄というか白紙はしないよ。今の状態で、頼れる人がいた方がいいと思うよ」


「うーん。そうね、今のところは保留にしましょう。ところで、あなたのタウンハウスには、あなたと使用人しかいないのかしら?」


「いや、父と母と弟、妹がいる。姉は結婚したので領土にいる」


「いるの?家族。えっ、その中に私がいくの?やっぱりお土産持参しないとダメじゃないの。やっぱり家に帰してよ」


「ごめん、もうすぐ着く。それに伝えないといけないことがあるのだ。うちの母は、ホワイティスのことを好きじゃないんだ。自分が子爵令嬢だったから、爵位が上で、尚且つわがままな噂を知っているから、ずっと反対していたんだ。だが、うちのお祖父様と君のお祖父様との約束があったし、君が癒しの手を持った人だから、お祖母様を治したくてお祖父様が押し通したという感じなんだ」


「どういうこと?お祖母様を治すって」


「お祖母様は公爵令嬢で、本当に蝶よ花よと育てられたお嬢様なんだ。だけど、いろいろあったけど、お祖父様と相思相愛で結婚したのだ。そして魔物のスタンピードで、領民を助けようとして毒を被ってしまったのだ。ポーションや、治癒魔法も施したがなかなかよくならない。ホワイティスの癒しの手を施して欲しいと思っているのだが」


「だが、なに?怖いんですが。治癒魔法で治らないものが、私の癒し手??というやつで治るの?」


「いや、わからない。癒しの手,というスキル自体がどういうものかわからない。癒しというから、治すことができるのかとみんな考え、ホワイティスに、お祖母様をみて欲しいと願っているのだ。ただ、ホワイティスは癒しの手の使い方がわからない、それに辺境には行きたくないと言っていた。これは母上と私だけが聞いた話だから、他の者は知らない。だから、母上のホワイティスの印象はあまりよくないのだ。初めて会うことになるが」


いやいやいや、私に対してツッコミどころ満載だと言っておきながら、あなた方もよくわからないでしょ。癒しの手って、それではお祖母様をみて欲しいって、医者じゃないって。治癒魔法もダメならダメじゃない。よくわからないものをお祖母様にするのは良くないよ。重い,重いよ。人の命だよ。前のホワイティスじゃなくてもムリと言いたい。


ほんと、オーマイガー、オーマイガーだよ。早く言ってちょうだいよ、この人は。そうすれば、この家に来なかったわよ。アウチ、馬車が止まって、扉が開いてしまう。どうしたらいいのよ!





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