リカルドくんとの和解
ウィルの家族が帰り、リカルドくんの帰りを緊張しながら両親と一緒に待つ。その間、前世、両親を早くに亡くし祖父母に育てられたこと、祖父は下町の大工の棟梁で自分も作ることが好き、自分のスキルに工作があることが嬉しいことを伝えた。ただ、前世、魔法がない世界なので、使い方がわからないので魔法の発言方法など基礎を教えて欲しいことをお願いした。
「ホワイティス、ここでの生活のことも全く記憶がないのか」
「はい、すみません。この家の構造や人に名前、どんな生活をしていたのかなど全くわからないです。まず家やの中のことや、働く人の名前など覚えていきたいです。トイレやお風呂などがどこにあるのか教えて欲しいです。トイレは重要です」
力説した。
「ははは、なるほど、トイレや浴室は各部屋に設置したあるから大丈夫だよ。部屋以外のトイレを教えた方がいいかな」
ニコニコされてしまった。しかしトイレ事情は大丈夫よ。
「あ,あのお父さま?自分のステータスを見るのはどうすればいいのですか?」
そう、お決まりのステータスオープンしても全く何もでなかった。恥ずかしかったよ。
「疑問系ではなくて、お父さまでもおとうちゃまでもいいぞ。小さい時は、おとうしゃまやおとうちゃまだったよ。今からでもいい、そう呼んでもいいぞ。まぁ、その冷たい目で見なくても良いではないか。はははは。そうそう、自分のステータスを見るのは、5歳の時に、洗礼の儀式で自分の魔法属性やスキルなどがインプットされたプレートが渡されたはずだ。スキルや魔力量などは自分しか見られない。名前や経歴、犯罪歴などは表示され、身分証明者になる。あー、ホワイティスは机やクローゼットなどどこかに仕舞い込んでいるかも知れない」
何故仕舞い込んでいるのかしら?よほど気に入らないものだったのだろう。
「ホワイティス自身、自分のステータスが気に入らなかったということですか?」
「そうなんだよ。洗礼の儀で魔法属性だけ公表がされるのだよ。そこで、土魔法、生活魔法と公表されたのだ。私が水魔法と風魔法、妻が治癒魔法なのだよ。だから自分もと思っていたところがあったのだろう。言われたものが土魔法と生活魔法。土魔法は私のお祖母様が持っていた魔法属性だか、うちの家系は水魔法と風魔法が多いのだ。同じ洗礼の儀を受けていた子達もいてね、クスクス笑われてしまったのだ。それからは、ワガママで努力をしない子になってしまった。プレートを見るのもいやなのだろう。今回作り直そうか」
「ありがとうございます。なければ作っていただきたいです。自分がどういう魔法が使えるのか知りたいです」
「では、そうだな、明後日行こうではないか。ナタリア」
「そうね、みんなで教会に行きましょう」
「ありがとうございます。お父さま、お母さま。どんな世界なのか楽しみです」
そして,リカルドくんの帰宅が告げられた。
ドキドキする。どんな子なのだろう。
部屋に入ってきた男の子は、金髪、碧目をしたお父さまそっくりな子だった。私を見るなり冷たい視線を浴びせてきた。相当嫌われておりますなぁ。
「おかえり、リカルド」
「おかえりなさい、リカルド」
「お、お、おかえりなさい、リカルドくん」
「ただいま帰りました。どうしたのですか、みんな揃って。珍しいですね、それがいるなんて。それもリカルドくんなんて呼ばれたの初めてですよ」
それって、私?冷たい視線が突き刺さるなぁ。
ここはもう,遠慮せずに話そうかなぁ。押し通そう、よし。
「リカルドくん、おかえり。そして初めまして。私、ホワイティスの姿だけど、性格はホワイティスではないの。今までのホワイティスの記憶がないので、新生ホワイティスとしてよろしくね」
ブフォッと盛大に吹いているわね、お父さま。お母さまも肩が揺れております。
「な、何言っているの?記憶がない?新生ホワイティスって、えっ、なに?父上、どういうことですか?」
「私たちも、先ほど聞いたばかりで驚いていたのだよ。ホワイティスの姿なのだが、性格が違うということだ。話をしていたが今までのホワイティスとは違うことは確かだ。今までのあの子は全く話を聞かない子だったから、新生ホワイトティスは、今までとは違い話ができるよ。お前も話してごらん」
お父さままで、新生ホワイティスと言っているよ。
「本当に記憶がないのか?今までのこと覚えていないのか?」
「ええ、全く覚えていないのよ。だからここにくる時に、執事さんをお父さまって言ったらどうしようとドキドキしていたけど、瞳の色が同じだったから、この方がお父さま。そして同じ髪の色をしているからお母さまとわかったのよ。間違えなくてよかったわ。そして、私、両親を早くに亡くしていて兄弟がいなかったから、リカルドくんという弟がいることが嬉しいわ。もう少し小さかったらよかったのにね。そうすれば可愛かったのに。背丈が弟というより兄という感じじゃない。ひどいわ」
「なんだか別人だね。ふーん、なんとなく信じられないけど、あれとは大違いな性格だね。それに両親亡くなっていないけど?」
「前世というか、この私の前の両親ってこと。前の名前が白井すずというのよ。32歳だったのよ。前の両親は9歳の時に事故で亡くなってしまったの。その後祖父母に育てられたのよ。そして保育士という子供の面倒をみる仕事についていたのよ。まぁ、徐々に慣れていってれればいいわ。でも、わからないことが多いから、色々教えてね」
「32歳?え?シライスズ?どういうこと?でも,前のホワイティスに戻る可能性もあるのか?前のワガママな奴に戻ったら一生口聞かないから」
「そこはわからないのよ。戻るのか戻らないのか、それとも記憶が蘇るのか全くわからないの。どうしてこうなったかもわからないのよ。だから、色々助けて欲しいなぁと思っているの。お願いします」
ペコリとお辞儀してお願いした。
「はぁ、わかったよ。父上、母上一緒に助けていきましょう」
「リカルドくん、ありがとう」
抱きついて行った。
「近いよ、離れろよ」
「まぁ、いいじゃないの。ありがとうリカルドくん」
さぁ、ここの生活を覚えていくぞ!




