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家族との対面

 緊張しながら、中に入った。見回したが記憶が蘇ることはなかった。どうしよう、部屋の間取りがわからない。私の部屋はどこ?


 応接室?に入り、私の立ち位置どっち側?と思ってしまった。ウィルの方に行くとおかしいわよね。


「どうしたの?ホワイティス。こちらに座りなさい」

 お母さまの隣を指してくれた。よかった。とりあえず、そこに座ると、ウィルと向かい合う形になった。


「先ほどは取り乱してすまなかった。ホワイティスが体調を崩したと聞いて、気が動転してしまったようだ。改めて、ありがとう」


「いやいや、ホワイティス嬢をこちらで預かってしまい、さぞ心配であったろう。こうして皆で集まるのは、婚約式依頼か、オスカー。久しぶりだな」


「そうだな、アーサー。お互いの子供たちが婚約したが、お前は辺境での討伐が忙しいからなかなか王都に来ないしな。今回会えてよかったよ」

 父親たちが久しぶりの再会で喋りに夢中になっていた。お父さまたちはメイサ様、お母さまそれぞれに2人だけで喋らないでと、諭されていた。


 辺境伯様と目があった。これから告白する。


「ホワイティス嬢のことなのだが、体調を崩したと言っていただろう?それなのだが・・・」

 話が終わる前にお父さまがまぁた、勘違いなことを言っている。

「アーサー、歯切れの悪い物言いだな。やはりウィリアム殿、きさまぁー、うちのホワイティスにー」

「お父さま違う、違うのよ。私に記憶がないのよ。ホワイティスの記憶がないのよ」

「「えっ」」

 お父さまとお母さまが一斉に私を見た。


「どういうことなんだ?記憶がない?記憶喪失になってしまったのか?大丈夫か?どこか怪我とかしていないかい」

 すごく心配している。


「あの、私の話を聞いていただけますか?本当のことをこれからお話しします」

2人が心配そうに見つめてきた。テーブルの向こうでもウィルやみんなが心配そうに見つめていた。


「私、ホワイティスですが、ホワイティスの記憶が全くないのです。数日経てば思い出すかと思ったのですが、全く思い出すことができませんでした。ただ、私には別の記憶があります。私は、白井すずという名前で、この世界より高度な技術を持った世界にいました。そこでは、32歳独身、保育士という仕事をしていました。保育士というのは共働きをする夫婦を支援するために子供達を預かり、面倒を見たり、教育をしたりする場所で働いていました。そういった白井すずの記憶はあるのですが、ホワイティスの記憶がないのです。体がホワイティスで、精神が私、白井すずになっている状態です。あなた方のホワイティスではなくてすみません。受け入れられないなら、私はウィリアム様の家で働きます。聞いていただきありがとうございました」


 目の前にいる2人は戸惑っていた。やはり受け入れられないよね。


「オスカー、この話を私たちも聞いた。信じられない話かも知れないが、私たちは受け入れた。その、なんだ、だいぶホワイティス嬢の性格や態度が違うのだ。そして、知識がある。前にいた世界の記憶で、我々も助けられたのだ」


「助けられたというのは何を助けられたのだ、アーサー」

「うん、妻のメイサが8ヶ月前にセーラを産んだのは覚えているか。妊娠中も年齢の関係でかなり不安なことを周りから言われていた。メイサも精神的に不安定だったと思う。それで産まれた後体調を崩してしまって、余計精神的不安定になっていたのだ。私たちは、どうしていいかわからず、メイサとの溝が深まっていったのだ。メイサはどんどん自分の殻に閉じこもり孤立してしまったのだ。家全体が暗く沈んでいたのだよ」


「アーサーそんな状態だったのか」


「そして、記憶がないホワイトティス嬢をウィリアムが連れてきた。ホワイティス嬢は、ほいくし?という子供の面倒をみる仕事をしていた知識で、私たちを助けてくれた。本当に感謝している。こうして笑顔でいられるのもホワイトティス嬢のおかげだ。もし、オスカー達が受け入れられないなら、うちで花嫁修行として受け入れるよ」


 辺境伯様ありがとうございます。そう言っていただけてありがたいですが花嫁修行、恥ずかしい。


「アーサー、受け入れられないのではない、頭を整理しているのだ。ふう、確かに今までのホワイトティスとは今までの態度が違いすぎることに戸惑っていたのだ。恥ずかしい話、ホワイティスは落ち着いて話すことができないぐらいワガママだった。家人みんなが疲れ切っていたのは事実なのだよ。そうか」


「あなた、確かに今までのあの子はワガママで話を聞かない子でした。あの子が何を考え、何にイライラしているのかがわからなかったのです。歩み寄ろうとしても突っぱねられる日々でした。ですが、ここにいるホワイティスもホワイティスです。私は受け入れますよ、ホワイティス」


「何を言っている、私だって受け入れるよ。当たり前だろう。親子なのだから。ホワイティス。まだ、嫁に行くのは早いからな。ずっとここにいればいいのだ。ということで、アーサー、嫁にはやらん」


「おねちゃま、大丈夫?」

 その一言でみんなが私の方を一斉に見た。


 私は、知らずに泣いていたようだ。


「あれ、私泣いているの?」


 それからガバッと両親に抱きしめられた。大丈夫だから,大丈夫だからと背中をさすってくれてくれた。


「ありがとうございます、おとうさま?おかあさま?」


「ふふふっ、なぜ疑問形なの?お父さま、お母さまで大丈夫よ」

温かいなぁ。前世、両親を小さい時亡くしているので、今、前世32歳の私が抱きしめられると恥ずかしい

。でも嬉しいなぁ。


「なんだ、花嫁修行でこちらに早く来られないのは残念だな。だが嫁には来てもらうぞ、オスカー」


「ふん、嫁にはやらんぞ。アーサー」

 父親同士で、嫁にやるやらない論争をしている。


 今後のことを話、学校へはこちらの生活が慣れるまで休学し、徐々に復帰していこうという話になった。


 さあ、この世界での生活が始まる。

 その前に我が弟、リカルド君との対面だ。






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