ウィリアム様イケメン度増し増し
辺境伯様は、ルイスくんを抱っこして、私がルイスくんにした高い高いをして欲しいとお願いされ、高い高いをしていた。ルイスくん、キャッキャ、キャッキャして楽しんでいた。
その後、公爵令嬢だったお祖母様のピアノがあったので、お歌を歌いました。お絵描きもしました。
そうだ、昨日ルイスくんに作ったお皿に絵を描いてあげよう。
「ルイスくん、ルイスくんのお皿に絵を描こうと思うけどどんな絵がいいかな?」
見本として絵を描いて、どの絵をお皿に描くか一緒に悩んだ。花の絵、ゆるキャラドラゴン、剣、弓、槍、盾、ゆるキャラ、ぽけ◯◯。うさぎ、ねこ、ネズミ、アヒル、クマ、耳が垂れ下がった犬のキャラクターか。ここでは著作権侵害にならないはずよ。
「うーん、ドラゴンとけんがかっこいい!」
ゆるキャラ風ドラゴンと剣を描いて、お皿の、どのあたりに描くのがいいか構成を考えた。
縁を青にし、お皿の中央に描いたお皿と、周りをドラゴン、剣、ドラゴンと交互に描いたお皿にしてみた。
メイサ様が、他にデザート用のお皿に描いて欲しいとお願いされ、お花や小さいイチゴ、葉っぱを周りに書いてみた。まさに、あの有名な某ブランドのようだ。
そういえば友達が,あの青い狸のようなねこ型を書いた限定マグカップを持っていたなぁ。有名ブランドのお皿、あれとあれ。高校時代、友達がいちごと葉っぱのお皿を出してきて、たまには優雅にお茶しようとお皿にお菓子を山盛りにして、紅茶を飲んだ。優雅だったかはちょっとビミョーだが楽しかった。その後、おばさんに割れたらどうするのよ,高かったのよ、私はまだ使っていないのよぉ、と怒られた。あのデザインを見るといつも思い出していた。懐かしいな。
よし、これでルイスくんの食事事情は改善されればいいなぁ。
「ホワイティス様、今日はありがとう。家族の仲が近くなりましたわ。それにあんな小さいセーラを抱くことができるなんて、嬉しかったわ。乳母や侍女にも、セーラを私に渡すタイミングなど教えていただきありがとう。いつでも抱っこできるなんて嬉しいわ。でも、ルイスが自分も抱っこしたいなんて言った時には驚いたわ。お兄ちゃんなのね」
「そうですね、お兄ちゃんですね。小さい子との触れ合いを通して、優しいお兄さんになってくれればいいですね。そして、ルイスくんが抱っこする時は、両脇に大人が座り一緒に抱っこするのがいいです。1人では絶対抱っこしてはいけないということは言い聞かせてください」
「気をつけるわ。ありがとう、ホワイティス様」
ウィリアム様が、ガゼボでお茶をしないかと誘いに来たので、一緒にお茶をすることにした。
「ホワイティス、本当にありがとう。母上の顔に笑顔が戻ったよ。ルイスも母上と一緒で嬉しそうだ。本当によかった」
「メイサ様も、1人ではどうしていいのかわからなかったと思うし、これからは旦那様である辺境伯様をはじめとして、ウィリアム様やみんな協力してくれるから、少しは軽減されるのではないかなぁ。子育ては大変なのよ。この世界は医療がどのくらい進んでいるかわからないけど、出産は命懸けなのよ」
「出産は命懸けなんだな」
「ウィリアム様も、それがわかっていれば奥さんを大事にしていこうと思えるはずよ」
そうだな、と言って、私の手を取り見つめてくる。
ひゃー、奥さんって、奥さんって、私かー?いや、今婚約保留中よね。こんな西洋風イケメンに、手を握られるなんて、耐性が、耐性がないよ。
顔が真っ赤になっている。
ふふって、笑っているわよ。鼻血が出てしまうわよ。誰か、誰か助けて。
「ホワイティス、どうしたの?挙動不審になっているよ」
またまた手を握られる。
「イ、イケメンの耐性がないのよ。て、手を握られると恥ずかしいわよ」
「ふふっ、ホワイトティス、かわいいね」
ひゃー、もうやめて,心臓がバクバクする。落ち着け、落ち着け。
「このクッキー、うちの料理長の力作なんだ。はい、アーン」
もうお腹いっぱいです。食べてないけど、お腹いっぱいよ。どうしたんだ、ウィリアム様。甘いよ、甘すぎる。
「甘いわー」
「クッキー甘すぎた?」
「ちがーう。クッキーは美味しい。クッキーの甘さはちょうどいいし、サクサク感が好き。ウイリアム様があまーいと感じる」
「ホワイティス、ウイリアム様ではなく、ウィルと呼んでくれないか?様をつけられるのは嫌だ」
「ウィルさま?」
「いや、様はいらない。ウィルでいい」
「ウィル?でいいのかしら?」
「うん、それでいい」
とびきりの笑顔で言われた。
その後、学校での私のことについて聞いた。
「ほとんど一緒にいなかったからわからないが、婚約者の俺に、ホワイティスがあーだこーだといってくる女たちがいた。そいつらの話だと、あまり勉強は好きではなかったようだ。まぁ、成績が下位の方。Cクラス。魔法に関しては、やる気なし。それでいて、わがままに当たり散らしている。天敵としているのが、グランドル公爵令嬢。こちらはAクラスだから、普段あまり接点はないが、顔を合わせれば口論してるらしい。グランドル公爵令嬢は俺のクラスにいる王太子殿下の婚約者だ。グランドル公爵令嬢から皇太子殿下に話が行くのだろう。そのあと俺のところへ話がくるよ」
「ひゃー、この子、皇太子殿下と公爵令嬢に敵対されているの?いやー、断罪されてしまうかも。怖いわよ。何考えているのよ、この子は。えっ、待って、この子、友達いるの?」
「ごめん、そこまでは、わからない」
前途多難な学園生活だな。まず家族を思い出さないといけないが、顔を見たら思い出せればいいなぁ。しかし、学園生活も難題とは。
「ほんと、前途多難だわ」
「大丈夫だよ、慣れるまで一緒にお昼ご飯とか食べよう。もし、友達と食べるとなったらそれでもいいし」
「学園のお昼ご飯って、学食?お弁当?」
「ごめん、がくしょく?おべんとう?という言葉がわからないよ、ホワイティス」
「こういう言葉もこの世界はないのか。学食は、学校で食堂の人が作ってくれること。お弁当は、家でお昼ご飯用を作って持って行くことをいうのよ」
「ああ、それならどちらでも大丈夫なんだよ。どの貴族もマジックバックを持っているから、そこに作ったものを入れてくる人や、学園で作っているものを食べてもいいのだよ。持ってくる人が多いのかなぁ。もちろん学園で使作っているものは、鑑定器を通して渡されるから、毒や媚薬などが混入してもわかるようになっているから、安心なんだけど、あまりおいしくはないのが現実かなぁ」
貴族みんなマジックバック持ちなんて、1人1個なのかしら、家庭に1個かしら。毒?媚薬?不吉な単語が出てくるわ。こわっ。
「明日、うちに帰るけど、思い出せるかなぁ」
「君が思い出せなくても、君の家族が受け入れられないとなっても、俺のところにくればいいのだから、安心しろよ。俺はホワイティスのこと、受け入れているからさ」
うわわ、またこのイケメンは心臓に悪いことを言うのよ。また顔が赤くなってしまった。
「ありがとう、頼りにしている」
小声で呟いた。
そっと、抱きしめられた。この展開はなにと思っていたら、後ろの方で、ゴホンと聞こえた。振り返るとウィルの両親が立っていた。
ウィル、しどろもどろになりながら言った。
「ホ、ホワイティスが不安がっていたから、安心させようとしただけだから」
2人でパッと離れた。多分2人して真っ赤にだろうなぁ。辺境伯様もメイサ様も笑いを我慢しているような、そんな声で言ってきた。
「あ、あすの、ふふっ、ライザック侯爵家に行く先ぶれを出しておいたよ。明日のことを話そうと思ってきたのだが、お邪魔だったかな」
「ち、父上、揶揄うのはやめてください。こ、こちらは、本当に安心させようとしていただけですから」
真っ赤になりながら、弁解していた。
「あなた、明日のことを話すために来たのでしょう。ウィルを揶揄うのはおよしなさい。さぁ、座りましょう」
そして、明日は記憶が戻らなかったら全てを話すことにした。隠していてもしょうがない。
3人は、潔いな、と感想を漏らしていた。




