少女は少年と出会った
初めて書いた小説です!よろしくお願いいたします!
「ハッ!ハッ!ゼッ!ハッ!」
鬱蒼とした森林の中を赤髪の少女が大きな皮バックを肩に掛けて、後ろから追いかけてくる鋼色の鱗を纏った四本脚の巨大生物【モンスター】から必死に走って逃げていた
(もと速く逃げなきゃ!追いつかれる!)
地響きを立て追ってくるモンスターを振り切ろうと木々を障害物にするように間を通しるが、
モンスターは物ともせずなぎ倒しながら追いかけてくる。
(食い意地はりすぎ!)
それを見て少女は苦い顔になるがモンスターとの距離を開けることができた。だが逃げる先に巨岩があり道を変えようとして岩の亀裂を見つけて真っ直ぐ向かうことにした。
「ギャオルル」
選んだ道は障害物になる物がなくモンスターとの距離が徐々に狭まっていきモンスターは少女に喰らいつこうと飛び込んできた。
(いま!)
モンスターのタイミングに合わせるように少女は横へ飛び出した、モンスターは真っ直ぐ巨岩の亀裂に頭からすっぽりとハマり身動きが取れなくなる。その隙に少女は即座にその場を離れる。
「っ!?崖!」
モンスターから振り切ろうと全力疾走していくと勢いで森を抜け出て見晴らしのいい崖に着いてしまった。急いで森の方へ引き返そうとしたが…
「ギャオルルゥ」
撒いたと思っていたモンスターに追いつかれてしまい逃げ場を完全に失った少女は肩に掛けているバックの中から赤色の宝石がはめられた短い杖を取り出して眼前の驚異へ向けて言葉を発する。
「アッヂ!」
すると杖の先に灯火程度の火が現れ、それは徐々に肥大していき10㎝程の火球になってモンスターへ放たれる。
「ギュ?」
「くっ!」
火球はモンスターに直撃したが戸惑う様子もなく平然と佇んでいた。魔法が効いていないことに少女は冷汗が出るも冷静に攻撃を続けた。
「アッヂ!アッヂ!アッヂ!」
同じ呪文を何度も発して火球を連続で撃ち込こんでいくもモンスターには効果がなく、ただ周囲の草原を炎上させていくだけだった。
「ギャルル」
「いま!」
モンスターが動いた瞬間を狙ってバックから予め取り出していた、青色の宝石がはめられた杖を向けて呪文を発する!
「チメッダ!」
杖からはモンスターを覆う程の大量の水が頭上へ降り注ぎ、膨大な蒸気が発生した。
「ギュ!?」
「よし!」
大量の蒸気がモンスターの視界を奪っていき少女を見失う。作戦が上手くいった少女は、嬉しさで今いる場所が崖だと忘れて後ろに一歩下がってしまう。
「あっ!」
崖端の地面が少女の体重で崩れ、そのまま崖肌に何度も体を打ちつけながら転落していき、草むらへ落ちた。
「ぐっ!うぅっ!」
生い茂る草がクッションになり落下による衝撃を軽減してくれたが全身からくる痛みで意識が朦朧となり、視界が暗くなっていく…
「ギャオオオウッ!」
だが、突然の轟音で失いつつあった意識が覚醒する。視界がはっきりとし先程声のした方へ顔を向ければ、自分が落ちてきた場所からモンスターがこちらを見下ろしている。
(逃げな…きゃ!)
唸りを上げてこちら見るモンスターから、痛む体を無理やり立たせて急いでその場から離れる。
「ハッ!ハッ!」
体の至る所から痛みが響き立ち止まりそうになるのを堪え、草木の中を進むと、広い川に着く。向こう岸へ渡ろうと川に少女は足を踏み入れようとして…
「かー〇ーはー〇ー」
「っ!?」
自分以外の人の声が突然、聞こえ足を止めてそちらの方へ向くと。
「はー!」
自分より背が少し高く珍しい黒髪の少年が大きな声と共に摩訶不思議なポーズとっていた…
「…なんか違うな、もっとこう」
「???」
目の前にいる少年の珍妙なポーズに呆気に取られていたが、自分が凶暴なモンスターに追いかけられていることを思い出し、再び摩訶不思議ポーズを取ろうとする少年に危険を知らせるため声をかける。
「き、君!ここは危険なモンスターが「ギャオオオ!」」
「お?なんだ?」
だが先にモンスターが追いついてきてしまった。
「ひぃ…」
「おお!デッケー恐竜!」
逃げる手段がない少女は恐怖で足が震え立っていられず座り込んでしまう。だが隣の少年は森から現れた巨大モンスターに興奮していた。
「ギャオオオ!」
「そっちがその気なら!遠慮なくいくぜ!」
自分たちを捕食しようと咆哮を上げながら向かってくるモンスター相手に臆せずに少年はモンスターへ立ち向かっていく。
「え?ちょ、え!?」
その発言と突然の行動に少女は驚愕に声がでる。
「ギャグオン!」
「よっと!」
モンスターは巨大な顎を開き鋭い牙で少年へと噛みついてくるが、姿勢をかがめて顎の下を潜って避ける。
「ギャグル!」
「ほいっと!」
もう一度、獲物に食らいつこうと首を回して噛みついてくるが跳躍でモンスターの頭上を飛び越えてかわす。
「ギャオン!」
「!」
だが地面に着地した隙をモンスターは己の巨大な足で踏み潰そうと前足で振り下ろしてきた、避けることができない少年は巨大な足に潰されてしまう。
「ギャオウ?」
かに思われた。
「おっも…いな、おまえ!」
少年は自分が隠れてしまうほどの巨大な足を生物の体格差をものともせず両手で掴み受け止めていた。
「うぎぎい!うおりゃあー!」
押し潰されぬよう少年は唸りを上げながら踏ん張っていると、身体から白い炎が出始める。すると引けを取らない押し合いに白い炎を纏った少年が気合いを入れるとモンスターを押しのけた。
「ギャウン!?」
その巨体が大きく体勢を崩し転倒しかけるが踏ん張って耐えた、モンスターは目の前の小さな獲物に力負けしたことに驚きで目が丸くなる。
「へへ良いパンチ…あれ?足だからキックか?まっいいか次は、俺の番だ!」
驚愕しているモンスターにお構いなく少年は反撃へ移る、姿勢を屈めて足に力を込めて地面を蹴ると、その場から少年の姿を消し…
「師匠直伝!超技!」
モンスターの近くまで距離を詰め、少年は振りしぼった右拳をモンスターの顔面へ叩き込んだ。
「凄拳!」
拳が直撃してモンスターは後方の大きく飛んでいき、その先にある岩に衝突しモンスターは白目
を向き地面に落ちて動かなくなった。
「ふーう、君大丈夫か?」
「ふぇ?あ!大丈夫です!」
モンスターを倒した少年は、一息つくと後ろにいる少女の方へ声をかける。まさか声を掛けられるとは思わず慌てて答える。
「そうか?めっちゃ傷とかあるけど?」
「え?あ!っ痛!」
自分が怪我をしていたことを少年に指摘されるまで気付かなかった少女は、思い出したかのように急激な痛みがはしり少女を苦しめる。
「うへ~痛いだろそれ、いま治してやっからな!」
身体中の怪我をみて少年は顔をしかめるもすぐ表情をもどして、先ほどモンスターとの戦闘で見た白い炎を両手に纏い、その手のひらを少女へ向ける。
「傷が…」
すると白い光が少女を包み身体中の傷が時を戻すかのように治っていき、しかも全身から響いていた痛みさえも引いていく。
「これでよし!もう体を動かしても大丈夫だぞ!」
「す、すごい!ほ、本当に治ってる!」
立ち上がり自分の体を確認して傷が一つも見当たらないのを確認して本当に怪我が治った事に少女は歓喜する。
「ね、ねえ!今のなんて言う魔法なの!私の知っている記憶にあんな治癒魔法、見たことないの!どこの恩恵を受けているの!」
「うぉ!」
少女は目を輝かせて少年との距離を詰めて先ほどの怪我を治した現象の詳細を聞きにくる。
「あの時リザードに攻撃したときに使ったの身体強化!スキル!魔法!それともギフト!」
「あーと、えっと」
さっきまで重傷をおっていた子が完治したとたん急に饒舌に熱弁をし始めて少年は彼女の変貌具合に面食らう。
「それに白いゆらゆらはなに!あれは魔力なの!どうやって出しているの!」
ギュルルルル!
「…っ!」
興奮して夢中に語る少女だったが、突然の大きな音で正気に戻る。
ギュルルルル!
「え、えっとこれは…」
その音の発生源が己の体から発しているものだと気づいた少女は羞恥心でみるみる顔が赤くなっていく。
「ちょうど俺も腹が減ってたんだ!」
赤面する少女に気をつかったのか少年は仕留めたモンスターで食事の提案をした。
「あの恐竜で飯にしよ…て、あれ!?いない!」
だが倒したはずの巨大モンスターの姿がなく替わりに巨大な尻尾が落ちていた。
「た、たぶんに、話していた間に逃げていったと思います。尻尾はたぶんみがわりかと…」
「恐竜じゃなくてトカゲだったか」
逃げた巨大モンスターの行動に見覚えがあるのか少年の中で恐竜はデカい爬虫類へと認識が変わった。
「まぁ贅沢いってられないか!」
こうしてモンスターの尻尾肉は、焚火の炎でこんがりと焼かれて少年少女の胃袋に収まったのだった。
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尻尾肉で幸福感をえた二人は地面に仰向けになって青色の空をぼっーと見つめていると、ふと少年が呟いた。
「これからどうすっかな~」
「どうゆうこと?」
少年が気になっていた少女は呟きが耳に入り疑問に思い聞き返してみた。
「俺さ家なしの一文無しなんだ」
「え!?今までどうしていたの!」
それを聞いた少女は驚きで反射的に起き上がり少年に興味が湧きさらに質問を返す。
「ああずっと野宿ですませてた」
「家族はいないの!?」
「いないぜ俺この世界の人間じゃないからな」
それを聞いた瞬間、少女は時が止まったかのようにこちらを凝視したまま固まった。
「ん?おーい?」
少女の様子に少年は、すこし心配になり手を振ってみるも依然と動く様子はない。一見、少年のいったことが理解できず混乱しているかに思われるが少女の思考は急激に回っており目の前の興味深い少年をどうするか考えていた
「ねえ!」
そして考えたついた結果が…
「だったら、私の家にこない!」
気づけば少女は少年によりその両手を握って自分の家へ誘っていた。
「え?いいのか!」
「もちろん!助けてもらったお礼してないし!」
「ずっと野宿だったから助かるぜ!」
この世界の人間じゃない少年は寝泊まりできると思って少女の誘いを喜んで飲んだ。
「あっでも家はここから西にあって…」
彼女は少し申し訳なさげに西と思われる方へ指をさすと、その先は少女がモンスターから下って逃げて来た山がある。
「この山を超えないといけないんだ…」
「なんだそんなことか、よいしょと!」
少年はあっけらかんと答えると少女を両腕で抱きかかえる。
「うぇ!?ちょ!ちょっと!」
いきなりお姫様抱っこをされて少女は驚きそして羞恥心で再び顔が赤くなる。
「下噛むから口閉じてろよ!飛ぶぞ~!」
「ふぇ?」
あたふたしている少女を横目に少年は山の方へ向かって助走をつけて、おもいっきり地面を蹴って宙を飛んだ。
「いやっふー!」
「きゃあー!」
樹木が繁茂する山の中を木々や大岩、また時々襲ってくるモンスターなどを足場に跳躍して頂上を目指して登っていく。
「よっと!頂上についたぜ!」
「うえぇ~…へっ?」
初めて高速移動を体験して少し目が回っていた少女だが少年に声をかけられて瞼を開けると…
「綺麗…」
山の頂上から全貌する景色に目を奪われていた。
「なあ、お前ん家どこにあるんだ」
「え?あ!えーと、あそこ!」
抱きかかえている少年に家の場所を聞かれ惚けていた意識をしっかりさせて見える景色からここまで来た自分の記憶を振り返り家の場所を指し示した。
「おう!あそこだな!ほんじゃしっかりつかまってろよ!」
「え!?ちょっと!まっ!」
家の場所がわかった少年は家の方に向きを合わせて脚に力をいれておもいっきり地面を蹴って宙を飛んで山を降りていった。
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「とーちゃーく!」
山を下り平原を掛けて数時間、ようやく少年は少女の家に着いた。
「うぅ、はきそ~」
「おう、わりいわりい」
だが抱えていた少女は気分がわるいのか口を押さえていた、少年は少女に軽い謝罪をしてゆっくりと地面に下ろした。
「ここが家でいいんだよな?」
少年は辺りを見渡しても家と思われる建造物などは見当たらず、周囲には木々しかなかった。
「ん?あれ?」
「ふふ、気づいたみたね」
少年が目の前の空間に違和感を感じた時、体調が良くなったのか少女が前にでて右手に握った小さい杖をかざして。
「アッケルーウ」
そう少女が言うと杖を中心に円形に広がり目の前の光景がくりぬかれ、そこには木々ばかりの光景に煙突のあるレンガの家が現れた。
「すっげー!これ魔法か!」
「ええ、これは魔法結界、この杖に刻まれた模様で結界の中に入れるの」
魔法に目を輝かせて感動する少年のリアクションを見て少女は微笑む。
「さっ遠慮せず入って、入って」
「おじゃま、あ!」
少女に誘われ結界内に入ろうとして少年は何かを思い出したのか足を止めた。
「?どうしたの?」
突然、声をだして立ち止まりこちらを向く少年に少女は首をかしげる。
「俺は、『大前 進向』、進向て読んでくれよろしくな!」
「あ!?そういえば名前教えてなかったね!」
少年が名前を言ったことに少女は自己紹介をしていなかったことに今更ながら気づいた。
「私は、『アルリア』よろしくね!」
遅い自己紹介を終えて二人は結界内へ入っていき開いた穴は閉じ二人の姿が見え無くなり、あるのは夕陽に照らされた草木だけだった。
お読みいただき、ありがとうございます!
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