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第28話 さようなら、亜美……次は

 亜美が立ち去る時、カフェの中は静まり返っていた。彼女の後ろ姿はなんとなく消え入りそうな薄さがあり、彼女の足取りは重く見えた。彼女がドアを開ける音が、周りの静寂をより際立たせた。


「どうしてこうなったんだろうね」


 亜美がぼそりと言う。彼女の声は、遠くで響くようだった。その言葉には、自問自答のような無力さが感じられた。


 亜美の言葉に、カフェの空気が一瞬凍りついたように感じられた。


「どうしてこうなったんだろうね」


 彼女の言葉には、過去の選択に対する疑問と、今の状況に対する無力感が込められていた。


 俺は亜美の言葉に答える。俺の心は混乱していたが、決別の意志は固かった。


「亜美、俺たちの間にはもう何もない……もう終わったんだ」


 亜美は俺の言葉を聞いて、悲痛な表情を浮かべた。


「そうね、私は本当に馬鹿だったわ、自分のことを見失って、大切なものを失った……のね」


「もう過去を振り返っても仕方ない! お互い、新しい道を歩む時だよ」


 俺は静かに言った。俺の心は重かったが、これでようやく前に進めるという安堵もあった。


 亜美は頷くと、一瞬だけ俺を見つめた。その瞳には、別れの寂しさと、新たな始まりへの不安が混じり合っていた。そして、彼女はゆっくりと立ち上がり、カフェを後にした。


「もうこれ以上は私たちに関わらないでくださいね」

 小川さんが言う。彼女の声は冷静でありながら、どこか決意を秘めていた。


 俺は亜美の去る姿を見送りながら、新しい人生への一歩を踏み出す覚悟を決めた。これで終わりだということを、心の奥底で受け入れた。



 テーブルに残されたお金を見つめながら、俺は深い思索にふける。それはただの金銭ではなく、亜美との関係が終わる象徴のように見えた。彼女が置いたお金は、もう二度と戻らない過去との決別を意味していた。


 小川さんがそっとお金を手に取る。彼女の動作には、決定的な瞬間の重さが込められていた。



 亜美が去った後、俺は自分の心の中を見つめた。これで本当に終わりなのか、それとも始まりなのか。俺の心は複雑な感情で満ちていた。


 小川さんの告白を思い返し、俺は不意に緊張感を覚えた。


「あの、小川さん……あの告白って……」


 俺が尋ねると、小川さんは顔を赤らめながら答えた。


「す、すみません、本当に……」


 俺は深呼吸をして、小川さんの手を取った。


「もちろん、というかお願いします」


 その瞬間、カフェの中で時間が止まったかのように感じた。小川さんとの手が触れ合った時、俺たちの間には初々しさが満ちていた。


「ありがとう、小川さん。これからよろしくね」


 小川さんは頷き、照れくさそうに笑った。


「はい、私もよろしくお願いします」


 亮介もその場にいて、俺たちを見守っていた。


「おお、おめでとう! 新しいスタートだな!」


 彼は大きな声で祝福した。その言葉が俺たちの関係をさらに実感させてくれた。


 俺と小川さんは手をつないでカフェを出た。道を歩きながら、これからの未来について話し合った。亜美との過去は終わり、これからは小川さんと一緒に新しい道を歩んでいく。その思いが俺の心を強くした。


「小川さん、一緒に色々なところに行きたいね。新しい趣味も一緒に見つけよう」

 と俺は提案した。


 小川さんは笑顔で答えた。


「はい、私も楽しみにしています! 一緒に素敵な思い出を作りましょう」


 俺たちの前には明るい未来が広がっていた。亜美との過去は、俺を成長させてくれた。そして今、俺は大切な人と共に新しい一歩を踏み出す準備ができていた。


 これからは小川さんとともに、新しい世界を見つけ、共に歩んでいく。亜美との別れは辛かったが、それが俺を今の小川さんとの関係へと導いてくれた。俺はこの新しい関係を大切にし、二人で幸せな未来を築いていくことを心に誓った。


 でも、俺に待っていたのは新たな脅威だった。






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