94.火の勇者
俺たちは南の国フォティヤトゥヤァへと向かっている。
もうすぐ到着と言ったところで、国で問題が発生してることがわかった。
商人のエチゴーヤが教えてくれた。
「国にある大きな火山が異常な活発を見せており、そのため島に人が住めなくなったのです……」
たしかフォティヤトゥヤァは観光地として有名だった。
しかし火山噴火の影響で、灰は降り注ぐし、気温は上昇するしで、もうひどい有様だそうだ。
……しかし、おかしいな。
「あそこって、ヨウがいなかったか?」
「ヨウ? 誰ですか、ヴィル様」
「火の勇者だよ」
火の勇者ヨウカ。
聖剣ファイア・ローの使い手だ。
「おかしいな、ヨウがいるのに、問題なんておきるのかな……?」
聖剣は絶大なる力を持つ。
氷の勇者キャロラインしかり、雷のライカしかり。
「ヨウとファイア・ローが合わされば、大抵の敵は倒せるし……ううむ、問題なんて起きないはずなんだがなぁ……」
「また、アクア・テールのときと同じようなことが起きてるのではないでしょうか?」
「あー……なるほど」
水の勇者は、謎の存在、七福塵によって聖剣を暴走させられた。
その結果、国はヤバいことになってしまた。
「ファイアももしかして……」
……そう考えると、観光気分ではいられないな。
速く助けてあげたい。
「ヨウ様とファイア・ロー様ですか。早くあってみたいです」
ポロは新米勇者として、ほかの勇者たちのことが気になってる様子。
「そろそろ見えてきます。あそこがフォティヤトゥヤァです」
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