93.南の国の問題
俺たちは南の国フォティヤトゥヤァを目指してる。
同行した商人のエチゴーヤさんと一緒に、甲板にいた。
「いやぁ、すごい船ですわやっぱり! こんなもん作ってしまうヴィル様は、本当にすごいですわ!」
「そう?」
「そうです! ヴィル様のおかげで、普段の何十倍もの荷物が積めました! おかげで、救援物資をフォティヤトゥヤァへ多く届けられます!」
ん……?
今、救援物資……って?
「エチゴーヤさん、どういうことっすか? なんか南の国って問題でも抱えてるの?」
「そういえば……船に一般客の姿が見えませんね」
獣人のポロに指摘されて、俺ははじめて気づいた。
たしかに船のクルーか、商人しかいなかった。あらほんとうだ。
『創造主は本当に物作り以外に興味ないのだな』
「へへっ、まあな夜空」
『ほめておらんわい……』
闇の聖剣があきれたように言う。
あらら、そうなのね。
「さすがヴィル様、ご慧眼であられます。実はそうです、フォティヤトゥヤァは今、未曾有の危機を迎えているのです」
「未曾有の危機……?」
「はい。火山の活性化にともない、各地で被害が出ているとのこと」
火山……そういや、じーさんが俺を拾ったのも、火山の近くとかいってたな。
よし。
「じゃちょっと調べてみるよ」
「! よ、よろしいのですか……?」
「ああ。どうせついでだしな」
「ああなんと! 慈悲深いことでしょう!」
え、いや……。
別に慈悲深いとかそういうんじゃないんだが……。
単に好奇心から行ってみたいだけなんだけど。
武器のヒントもあるだろうし、今は自らの出生の秘話も知りたいわけだしさ。
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