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【完結】追放された鍛冶師はチートスキルで伝説を作りまくる 〜婚約者に店を追い出されたけど、気ままにモノ作っていられる今の方が幸せです〜  作者: 茨木野
二章

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88.出生の謎



 俺は祖父の弟、キムズカジーさんから、隠された真実を聞いた。


「じーさんの、本当の孫じゃねえ……って、マジなのかよ」


 倉庫で酒盛りをしていた俺と、キムズカジーさん。

 彼は「すまん……」と頭を下げる。


「あ、いや……別に」


 キムズカジーさんが謝るほどのことじゃねえしな。

 そっかー……道理でな。


「なんじゃおぬし……あまり驚いておらんのだな」

「そうだな。まあ別に、血が繋がって無くっても。俺にとってガンコジーさんも親父も、家族だしよ」


 むしろ血が繋がってなかったのに、あんなに丁寧に育ててもらえたのか。

 ほんと、感謝だわ。


「そうか……やはり強い力の持ちぬしは、それに見合う強い精神を持つのだな。さすがだ」

「ほめるほどのことか?」

「ああ。普通、家族と血が繋がってないって知ったら……驚いたり、戸惑ったりするものだろう?」


 そういうもんかな?

 別に俺は事実を事実として受け止めただけだが。


「そんな風に普通に振る舞える、おぬしは特別ということじゃよ」

「そっか……。まあそれはおいといて、じゃあ俺は拾われ子だったってことなんだな?」

「うむ……兄者からはそううかがっている」


 道中で、キムズカジーさんはじーさんと分かれて、このウォズの街で船大工を始めたらしい。


 じーさんが俺を拾ったのは、弟と別れたあとだったそうだ。


「どんな状況で拾ったんだ?」

「……兄者がフォティヤトゥヤァに行ったときと聞く」

「フォティヤトゥヤァ……って、南の国?」

「そうじゃ」


 なんとまあ……。

 奇遇だ。これから向かう場所で、俺は拾われたらしい。


「詳しくは知らん。というか、語らなかった」

「じーさんが?」

「うむ……言いたくなかったみたいじゃの」


 ううむ……気になる。


「もっとヒントない?」

「そうさな……ミダガハラ火山の近くで拾ったと言っておったな」

「ミダガハラ……火山?」

「南の島フォティヤトゥヤァにある唯一の活火山じゃ」


 なるほど……そこに俺の出生の秘密があるのかも、か。


「気になるのか?」

「まあね。自分が何者か知ることで……」


 俺はニッと笑う。


「新しい物作りのアイディアが、生まれるかもしれないしな」


 どんな物作り(創作活動)にも共通するとおもうのだが、物をつくるとき、自分の一部を切り取ってつくる。


 自分がそのとき何を考えていたとか、何に感動したとか。

 自分のうちにある【なにか】を使って、作品が世に生まれるのだ。


 俺が何者かを知ることで生まれる、新しい感情や考え方。

 それが新しい作品の、タネとなるかもしれない。


 だから、知りたいのだ。


「くく……なるほどな。おぬしは、どこまでいっても職人なのだな」

「おうよ」


 そうか……とじーさんが微笑む。


「ならばこれを渡しておこう」


 俺はじーさんから【それ】を受け取る。

「これは?」

「兄者から預かっておったものじゃ。きっと、おぬしの旅の役に立つときがくる」


 キムズカジーさんから受け取り、俺はうなずく。


「あんがと」

「いや、わしのほうこそありがとう。ぬしと出会ったことで、わしもまだまだ、職人として未熟だったのだと痛感させられたわい」


 にっ、とキムズカジーさんがわらう。


「おかげで新しい創作意欲が、わいてきたわい! 生涯現役! 死ぬまでわしは物を作り続けるぞ! 兄者のようにな!」


 俺のじーさんも、死の間際までいろんな物作っていた。

 家族って似るんだなぁ……。


「ぬしもだよ。血が繋がっておらんくても、ぬしもわしも、物作り一族の一員じゃわ!」


 ……キムズカジーさんとも家族だっていってもらえたのが、なんだか妙にうれしかったね。

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