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【完結】追放された鍛冶師はチートスキルで伝説を作りまくる 〜婚約者に店を追い出されたけど、気ままにモノ作っていられる今の方が幸せです〜  作者: 茨木野
三章

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241.過去



 ミリスは自分の過去を語る。


「元々ぼくと双子のイリスはね、捨てられてたんだ」

「捨てられ……」

「孤児、ってやつさ。まあしょうがないよね。エルフと人間の子供だもん」


 ハーフエルフ。

 人間とエルフの血が半分ずつ混じった種族のこと。


 この世界で混血は、混じり物だとして、忌み嫌われていた。

 たとえば、獣人。


 獣人は人間と獣の血がまじっているせいで、人間たちからかなり嫌われている。

 ハーフエルフもまたしかり。


 エルフからすれば、下等な人間の血がまじった半端物。

 人間からすれば、エルフの力を持って生まれたはぐれモノ。


 どちらの種族からも忌み嫌われる存在、それが……ハーフエルフ。


「森に捨てられていたぼくとイリスを、孤児院のジレット先生がひろってね、育ててくれたんだ」


 ジレット先生というのが、ミリスたちの恩人であるのはわかった。

 ミリスが楽しそうにしているから。


「ジレット先生の知り合いに、先代の八宝斎はっぽうさい……つまり、ヴィルししょーのおじいさんがいてね。ししょーはそのとき知り合ったの」


 先代の八宝斎はっぽうさい、ガンコジー。

 彼はヴィルを連れて、孤児院に来たことがあるそうだ。


 ヴィルとのつながりはわかった。

 次に気になるのは……。


「いつ勇者に……というか、聖剣に選ばれたのですか?」

「これがですなぁ、生まれたときから何だよ」


「?」

「ジレット先生がね、ぼくらを見つけたときに……そばに聖剣が落ちてたんだって」


 風と地の聖剣が、それぞれ、ミリスたちの傍らにおいてあったという。


「ししょーのおじいさん曰く、聖剣がぼくらを、森の魔物から守ってくれてたんだって」


 森には魔物がいる。

 赤ん坊なんて格好の餌になってしまうだろう。


 生き延びられたのは、聖剣が彼女らを守ってくれていたから。


「ぼくらが五歳の誕生日に、ジレット先生が、聖剣をぼくらに返してくれたんだ。で、ぼくらは聖剣の使い手になったってわけ」


 ジレット先生は、ミリスたちが自我を持つまで待ってから、聖剣を渡したそうだ。

 自分で、聖剣を手に取るかどうかを、選ばせたかったらしい。


「いい先生なんですね」

「うん! すっごく!」

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