190.嫉妬
《ヴィルSide》
勇者5人によって、聖なる結界を構築。
その中には俺と、破壊のエネルギーをまき散らすウィニーちゃんの二人が取り残されている状態だ。
「なんでだよお! ボクの破壊の力を受けて、なぁあんで平然としてるんだよぉおお!」
なるほど、ウィニーちゃんのなかでは、万物破壊の光は最高傑作なのか。
わかる。すげえと思う。でも……だ。
「簡単な話さ。破壊される都度、修復してる、それだけだ!」
「はぁあああああああああああ!? なんだよぉそれええ!」
俺の5つのある物作りスキルの一つ、全修復。
相手の破壊の光を浴びるたびに、自動で、全修復が発動するように、超錬成スキルを使って調節したのだ。
「ウィニーちゃん、君が教えてくれたんだぜ? スキルを創り出すことができるってさ!」
万物破壊スキルを、物体に付与するのではなく、スキルそのものを創り出した。
これは目からうろこ、俺にはない発想だった!
ならば、スキルを使って、スキルを創り出す、調整することも……可能だと気づかせてくれた!
「ありがとう! 同じ職人として……ちょーリスペクトだぜ!」
「ぎが、ご、この、やろぉおお! ボクを……おちょくりやがってぇえええええええええええええええええ!」
いや、おちょくってないんだが……。
万物破壊の光がウィニーちゃんの身体の中に充填されていく。
彼女の身体が、全身真っ黒になる。
体中からはバチバチ! と稲妻が発生していた。
「万物破壊スキルを元に創った、肉体だ! 触れるだけで破壊される超すごいボディ! どうだ! すごいだろぉ!」
「ああ、すげえ!」
「だからほめるなぁあああああああああああああああああ!」
えー!? なんで……?
すごいもん創ってるんだから、褒めていいじゃん……何でぶち切れるんだろ……?
「ボクはヴィルぅううううううううう! おまえを超えたいんだよぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!」




