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【完結】追放された鍛冶師はチートスキルで伝説を作りまくる 〜婚約者に店を追い出されたけど、気ままにモノ作っていられる今の方が幸せです〜  作者: 茨木野
二章

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183/283

183.使い手の差




《ウィニーSide》



「くそくそくそくそ! なんなんだよぉ!」



 炎の魔神となったウィニーは苛立ち下にそう叫ぶ。

 彼女の体は、空中要塞と完全に同化していた。



 この要塞にはたくさんの神器が使われていた。

 それらすべてウィニーの親、七福塵しちふくじんが用意した物だ。



 トラップや壁にいたるまで、たくさんの神器が配置してあったこの要塞を、ウィニーは取り込んだ。

 つまり、多くの神器がウィニーの体を構築してるといってもいい。


 

 その数なんと、999個。

 そこに聖剣ファイア・ローが加わり、合計で1000の神器が合体して作られたのが、この炎の魔神というわけだ。



 神器は1つで、国一つ滅ぼす力を持つ。

 それが1000も集まれば、この星の制圧なんて簡単な……はずだった。



 だが、実際はどうだ。

 たかが人間、数人すら倒せないで居る。


「なんでだよぉおお! どうしてだよぉおおお! ボクは1000の神器を身に付けて、強くなったんだよぉおおおおおおおおおおおおおお!」



 ヴィルも、勇者達も実感ないのだろうが、今現在この星は危機的状況にあるのだ。

 なにせ国を滅ぼす1000の神器が集まって、人類に刃を向けているからだ。



 だが彼らが脅威に感じていない理由は二つ。

 ひとつは言わずもがな……ヴィル・クラフトの存在。



 彼がいることで被害がまるで拡大しないのだ。

 勇者達は気づいていないようだが、魔神たちの熱をよそに逃がさぬよう、ヴィルは空気の層で城を作っていた。



 また、彼がいることで勇者達の使う武器が、通常より高いパフォーマンスを発揮してる。

 といっても、彼が意識して何かしてるのではない。



 ……聖剣たちが、勇者と同様に、自発的に、ヴィルのために何かしたい。

 そう思うことで、聖剣のパフォーマンスを100%以上……いや、200%に引き上げているのだ。



 物に心があると、そう本気で思って、行動してるヴィルだからこそできる、バフ効果といえた。

 ……他方、ウィニーはと言うと……。



「クズ神器ども! ふざけるなよ! おまえら1000も集まってなんだこのていたらくはよぉお!」



 ウィニーは自分の劣勢をすべて、神器のせいにしていた。

 だが神器のパフォーマンスを下げているのは、ウィニー自身だった。



 ウィニーは神器1000個を、ただくっつけただけだった。

 どれとどれを組み合わせるのが、最大の威力を発揮するか、など。



 そういうことをまるで考えず、とりあえず数作って、1000個くっつけてみただけ。

 その結果どうなったかというと、神器同士で効果を打ち消しあったり、元の形を無理矢理変えたことで、最大の効果を発揮できなくなったりした。



 ……そう、神器が弱いのではない。

 それを扱う、ウィニーがわるいのである。



 道具を大事にするヴィルは、人にも物にも好かれて、戦闘を優位に進めている。

 道具をないがしろにするウィニーは、全てに嫌われ、劣勢を強いられている。



 どんな道具を使うかではない、誰がそれを使うのか。

 それが……この戦いにおいて、最も重要なファクターであった。



 そのことを……ウィニーは知らなかった。

 そして悲しいことに、ヴィルもまた知らない。



 普段の行いの差が、こうして目に見える形で、あらわになってるのだが……。

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