178.炎攻略
《ヴィルSide》
ポロ、ヨウのふたりと協力して、炎の魔神となったウィニーちゃんを討伐することにした。
ほんとは年端のいかない子を攻撃することに、抵抗感を覚える。
し、彼女は間違いなく天才の部類に入る職人だ。
才能を失わせるわけには……いかないぜ。
でも炎の魔神は俺たちを、そして砂漠エルフの住処を壊そうとしていた。
そんな風に他者を、理不尽に壊すやつは許せない。
彼女は職人としては優れてるかも知れないけど、その道具を悪事に使うのは……許せない。残念だ、非常に、残念だよ。
「ということで、壊させてもらうぜ! ポロ!」
俺は神鎚ミョルニルを使って、空中に無数の空気ブロックを出現させる。
ポロはそのブロックを足場にして、炎の魔神へと接近する。
『くたばれええええええええええ!』
「そっちが!」
魔神が手を振る。
その手を、ヨウの魔法矢で弾いた。
ポロはタンッ……! とブロックを蹴って間合いを詰めようとする。
だが……。
ゴォオオオオオオオオオオオオ……!
「くっ……! なんて熱風……!」
ポロは両腕でガードし、魔神の体から拭きだした熱風をガード。
しかしかなり勢いのある攻撃であるらしく、ポロが木の葉のように吹き飛ばされる。
俺はムササビマントを装着し空を飛び、彼女を抱きしめる。
「全修復」
神鎚ミョルニルでポロの頬を軽く叩く。
火傷を負っていたポロの皮膚がみるみるうちに戻っていく。
「ありがとうございます……!」
「なんの。しかし厄介だな、あいつ」
魔神は接近をゆるさない、圧倒的な火力を持つ。
アレを攻略しないとだめだな。
よし。




