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【完結】追放された鍛冶師はチートスキルで伝説を作りまくる 〜婚約者に店を追い出されたけど、気ままにモノ作っていられる今の方が幸せです〜  作者: 茨木野
二章

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176.ヴィルの弱点




 ヴィルは神鎚を手に難しい顔をしていた。



『う゛ぃるぅうううう! どうしたぁ、かかってこいよぉおおおおおお!』



 巨大な炎の魔神が殴りかかってくる。

 灼熱の拳が近づいてきても、しかしヴィルは空気の塊を使って足場を作り、避けたのだ。



 ヨウは魔法矢を打ち込んで敵の攻撃の軌道をずらしながら……。

 おかしいと思った。



 ヴィルには神器を無限に複製するスキルがあったはずだ。

 神器は1つ1つが絶大なる威力をはらんでいる。



 それをぶつけるだけで魔神には大ダメージが入ったはず。

 今のも単に敵の攻撃にたいして、神器を複製してぶつければ、相手をひるませることができたはず……。



 と、そこまで考えて、ヨウは思い至る。

 敵は炎の魔神だ。



 並の武器ならドロドロにとけてしまう。

 それか……!



『ひゃははは! う゛ぃるぅ! どうしたよぉ、かかってこいよぉ! おらおらおら……!』



 魔神が調子に乗って連打を加えてくる。

 ヴィルはその全てを体術のみで裁いていた。



 ……確定的だ。

 ヴィルは多分、畏れているのだ。



 己の作った武器を、敵にぶつけることで、武器が溶けてしまうことを。

 ヴィルは物にも心があると考えるタイプの職人だ。



 ゆえに、武器を無為に炎にくべるようなことをしたくないのだろう。

 ……なら、ここは弓使いの自分が。



 と思うが、そもそも聖剣ファイア・ローがなければ一〇〇%の力が出せない、ヨウ。

 ローを回収するためには敵をひるませる必要がある。



 けれどそのための決定打をヴィルが、打てないで居る。

 ……万事休すか。



『死ねぇええええええええええええええ!』



 魔神が噴石の雨あられを降らせるなかで、その合間に拳を振ってきた。

 ヴィルにその攻撃が当たろうとした瞬間……。



 ぎゅぉおお! 炎の拳が消滅したのである。


『なんだぁ!?』

「ヴィル様……! はせ参じました!」



 しゅた、と空気ブロックの上に、獣人ポロが華麗に着地する。

 その両手には光と闇の聖剣が握られていた。



 今の闇の聖剣の効果。 

 あらゆるものを飲み込む闇の力で、敵の炎を吸い込んだのである。



「三人であの化け物をやっつけましょう!」



 なんと、心強いことか。

 ヨウはうなずいて、武器を構える。


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