153.プラズマ
ウィニーは要塞と接続し、火の聖剣の力を砲台に充填する。
ごぉお……! と砲台の先端に炎の力がたまる。
「うてえええええええええええええ!」
どがぁあん……!
砲台から照射されたのは、高い熱エネルギーの奔流……すなわち、プラズマ砲。
吐き出されたプラズマ砲は、ヴィルの操作する護神像をかすめた。
そのまま南の国フォティヤトゥヤァの地へと激突し、大爆発を起こす。
「ぎゃはっはは! 見たかぁ……! これがボクの力だ……!」
一撃でフォティヤトゥヤァの島一つが消し飛んだのだ。
その破壊力には思わず、にっこりと笑ってしまうウィニー。
「これがまともに当たれば、貴様なんぞ一瞬だ! 一瞬で蒸発してしまうぞぉ! う゛ぃいいいいいいいいいるぅううううううううううう!」
ウィニーはヴィルがこの状況に絶望してることを想像し、勝ち誇る。
そうだ、自分のほうが優れているのだ。
父からの寵愛を受けていようが、自分のほうが、このウィニーこそが、優れた作品であると……!
「死ねやごらやぁあああああああああああああああああああ!」
聖剣の炎を砲台に充填し、そして……プラズマ砲を放った。
凄まじい熱量の、複数のプラズマが照射される。
ヴィルの護神像は避けることができず……すべて、着弾。
ドガァアアアアアアアアアアアアアン!
「ぎゃははは! ぎゃーーーーはっはっはぁ! ボクの、勝ちだぁ……!」
と、そのときだった。
ごぃんっ! という音とともに、空中要塞が背後に吹っ飛んだのだ。
「んなっ!? なんだ……何が起きてるんだ!?」




