147.ウィニーの逆襲
《ウィニーSide》
ミダガハラ火山を浮かせ、空中要塞とした人物……
「ははは! ぱぁぱぁ~! すっばらしいプレゼントありがとぉおおおお!」
ウィニー。
ヴィルの宿敵、七福塵が作りし作品がひとつ。
ウィニーは先日ヴィルに意気揚々と挑んだものの、まるでハエを追い払うかのようにあっさりと負けてしまった。
その恨みの炎は消えること無く、ここフォティヤトゥヤァのミダガハラ火山にて、力を蓄えていた。
火の勇者ヨウから聖剣ファイア・ローを奪い、吸収し、強くなった。
そしてふらりと父、七福塵が現れ、この空中要塞をプレゼントしてくれたのである。
「ああ! はあぁあん! パパぁ……! うひ……♡ くひひっ♡ パパにぃ、ボクは愛されてるぅう!」
要塞の最も高い場所に立ち、ウィニーは自分の体を抱いて、恍惚の笑みを浮かべる。
「息子にこんな素敵なプレゼントを用意してくれたってことは、それだけ深く愛してるってことだよね? そうだよねぇえん!」
気色悪い声を上げ、くねくねと体を揺らす。
誰よりも愛情に飢えているウィニーにとって、父からのこのプレゼントは本当にうれしかったのだ。
「ぎゃははは! う゛ぃ~~~~~~~~~~るうぅううううううううううううう! どうだい君とちがって、ボクはこんなにも愛されてるのさ……! 君はどんな【物】をパパからもらったのかな? かな? もらってねえだろぎゃーっはっは!」
ウィニーはヴィルに強い恨みと、そして嫉妬心を抱いていた。
彼はヴィルに決して負けたくない、理由があった。
「今から君をぶち殺すよヴィル。この新しいからだと、空中要塞を使ってねぇ!」
すでにこの国にヴィルがやってきてることは知ってる。
あとはこの要塞を用いて、ヴィルに強襲を掛ければそれで勝つ……。
と、そのときだ。
「ん? なんだ……あれは? 空飛ぶ……円盤……?」
遠く離れた場所で、くるくると回るおかしな物体があった。
それは凄まじいスピードで近づいてきて……。
やがてそれが、巨大な物だと気づいた。
「! デカい……なんだあれは……亀!? 亀が……回転しながら飛んできてるだとぉ!?」
亀。それはつまり、砂漠エルフたちを載せた護神像、アールマティ。
本来この護神像に空を飛ぶ機能は無かった。
しかし護神像にその機能をつけた人物がいる。
誰であるか、言うまでもない。
超速スピンしながら、護神像は空中要塞に、正面からぶつかってきた。
ドガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!
「うわあああ……!」
ウィニーは無様に高所から落下して、要塞の床にぐしゃりと、顔をぶつける。
「ヴィル……う゛ぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいるぅううううううううううううううううううううううううううううう!!!!!」
あんな異常な物を作る人物など、この世に二人しか居ない。
そしてウィニーが敵意をむける人物は、ひとりだけだ。
「ヴィル……! 貴様をここでぶち殺してやるぅううううううううう!」
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